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ヒロガルセカイ。

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柊リンゴ

柊リンゴ

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2006/04/10
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「なにをやっているんだ。処女じゃあるまいし。」
ベッドの上で布団をすっぽりかぶって、まるでみのむし。

先生の運転する車は、やはり・・真夏の自宅には行きませんでした。
川沿いの、レンガ調の・・・休憩所で。
車から出されたときに逃げようにも、騒ぐと人の目が気になるし。
・・・こんなところ見られたくないですよねえ。ああ真夏・・。

「いい加減にしろよ?真夏。」
先生が煙草の煙を吐き出します。白く流れていきます。
「・・くさい。」
「あ?」
「煙草がくさい。」
布団の奥から声がします。
「はいはい・・。」
灰皿にぎゅううと押し付けました。か細い煙が生きていて天井へ向かいます。

「真夏。出て来い。」
顔をひょいと出しました。暑かったみたいで頬にうっすら紅がさします。
「ねえ。本気なの?」
「おまえ知ってるか?お前のにおい。いつも甘い果実の匂いがするんだ。
 ガムでもかんでいるのかと思ったら。違うんだな。」
布団を剥ぎ取られます。制服を着たまま・ベッドの上で怖気ずく真夏です。
でも、まな板の上にいるお魚と同じですよ。

「ちょっと、待ってよ。先生。あのさ、。」
「制服は今のうちに脱いでかけておけよ。ああもうほこりがついてる。ほら、もう。」
言うが早いか。バナナをむくように上着を落とされました。
「先生。本気なの。」
いつもかけないシャツのボタンがうらめしいです。
はだけた奥から覗き見える華奢な鎖骨が震えています。
「ねえ。」
声も震えます。
「安心しろ。俺にも彼女がいる。だから、お前は。」
やっぱり・からかっているんだよね?そうだよね。よかったよかった。
まばたきをして・真夏は逃げれると思ったのか、じわりと力をぬきます。
足をだして、ベッドから降りようとつま先を伸ばします。

「愛人になりなさい。」
やさしい言い方とは逆に。

真夏はひげの感触をその肌でとらえました。
未知の感触に目を閉じます。ぎゅううと閉じます。
煙草の匂いがする。熱い息がぶわっとかかり、んっと顔を背けようと避けたら
冷たい手が腰をなぞり、わずかな隙間をかいくぐってお尻をなでます。
「真夏。」
背中にびりっと電気が走ったよう。
のけぞるラインを支える腕。
呼吸が辛い、苦しい。
からんでくる・かきまわしてくる ざらついた舌から逃げられなくて
泡を含んだ透明な唾液が、真夏の唇の隙間から零れ落ちます。

息が辛い。
苦しい。

背中を支える腕が大木に感じられ、体重をかけたくなります、きっと楽です。
「んーっ。」
せいいいっぱいの抵抗をします、嫌だ嫌だと舌を押し返します。
でも、ぽたり、ぽたりと唾液がおちて、どんどんしみが広がります。

息が荒いです。
過呼吸になりそうです。





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Last updated  2006/04/10 10:31:05 AM



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