1379421 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

ヒロガルセカイ。

ヒロガルセカイ。

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

柊リンゴ

柊リンゴ

Calendar

2006/04/13
XML
カテゴリ:
今日はなんだかとても疲れましたね。
真夏は自分の部屋に入ると鞄を開けて携帯を取り出しました。
「・・えっ。」
彼女からの着信がありました。でもかけ直す気力がありません。
悪い、と思いながらベッドに横になります。
静かな時間を取り戻して真夏はそのまま眠りに落ちました。


翌朝。慌ててシャワーをあびて、髪をタオルでごしごししていると。
「真夏。お迎えがきているぞ。」
お父さんの力の抜けた声がします。
「迎えー?誰?鞠香見てきてよ。」
まだバスタオル一枚なので、バスルームから叫びました。
「お兄ちゃんのお友達?」
てて・と走る足音がします。が、すぐにドアをどんどんどんとたたいてきました。
「なに?」
「お兄ーちゃん。また男の人がきた!」
「また って言うな!誰よ?」
急いで制服を着て、玄関に向かいます。
「もうー。誰だよ。」

「おはよう。真夏くん。」
爽やかな笑顔の立秋がいます。
「帰れ。」
真夏は冷たく言い放ちますが、ちっとも応えていませんよ。
「なんてラッキーなんだ。朝からお風呂あがりの真夏くんを拝めるなんて。
 まだ濡れた髪が一段と麗しい。肌もすべすべなんだろうね。」
「帰れって言ってるだろう!」
「さあ学校へ行こう。遅刻してしまうよ、急がないと。」
「ひとりで行くから!」
「遅刻する気かい?折角、車をまわしたのに。」
「くるまあ?」
「ああ。きみと一緒に登校したくて、家のものに車を用意させたんだ。」
「うちのもの・・って。」
昨日の猫目の冬至を思い出しました。
あいつ昨日はバイクだったけれど。
「家のものだよ。さあ、行く気になったようだね。遠慮しなくていい。」
「だれ?」
「?なぜ気にするんだい?」
なぜでしょう?


車は真夏のしらないおじさんが運転していました。
「・・昨日の冬至じゃないんだ。」
「冬至?ああ 将軍 ね。」
立秋がうなずいています。
「将軍?」
「冬至はわがままで態度が大きいからね。あだ名が 将軍 なんだよ。」
こころの中にずかずかと入ってきそうな感じはしますね。
「ところで。どうしてうちのパティシェを気にするんだい。」
「なんでだろうね?」
真夏もわかりません。
「真夏くん?」
立秋は折角、真夏と一緒に車に乗っているのに悩み始めました・・。
手をばたばたさせて挙動不審ですよ。
「うざいよ、もう!」

教室は別ですからこれで開放されたと思ったら。
彼女が半泣きでした。
「誘拐されたかと思ったよー。」
「なんで。」
「連絡つかないもん。」
「ごめん。昨日マジ疲れてて・」
彼女がふくれています。
しかし、これが普通なのです。
昨日は男に囲まれて、男の臭いばかりで。
ほっと安心する真夏です。


授業が始まりました。担任の先生が遅れて入ってきました。
「あれ。先生、髪・・」
今日はオールバックにしていません。
「寝坊したんだ。ほっとけ、」
ふうん。と真夏がみていると、ちらっと見返してきます。
「じゃあ。この前の続きから。訳してもらおう。」
みんながばさばさと教科書をめくります。
「真夏。」
「はい・?」
突然の指名でびっくりしましたが、立ち上がって教科書を見ます。
「誕生日はいつだ?」
「はい?」
「欲しいものを買ってやる。なんでも好きなものを言え。」
「はあ?」
ええ・・とみんながざわつき始めました・・。
どうしたんでしょう先生・・。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006/04/13 04:34:01 PM



© Rakuten Group, Inc.