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テーマ:たわごと(26728)
カテゴリ:日記のようなもの
(まず参考記事として、svseedsさんのこちらの記事をご覧下さい)
(フランスが国民投票で今回憲法の批准にはノンを選んだ訳ですが、ユーロ そのものには既に参加しているものの、今回のフランスでのEU憲法否決が 即EU(ユーロ)体制崩壊ということは意味しない事を前提に話を進めます。) 結局イギリスがEUにまだ参加していない理由と重なるのですが、金融政策 という一国の舵取りの致命的な部分を『直接関わりの無さそうな他人の都 合との折り合わせ』で決める事に根源的な不安が残されている事が一つ。 もう一つ、今回のテーマとして書くのが、通貨統合で各国の金融政策の自 由を奪ってしまう事の危険性と非効率性。EUに参加している国の間でも、 名目金利を上げたい所とそうでない所が存在しているのに、ECB(EUの中央 銀行)は一律の金利しか定める事が出来ない。一律でない金利を定める事 はECB(EU)の前提には含まれていない。(すなわちEU内に複数の通貨が存在 する事になってしまうから) で、私がつらつらと考え続けている無税金政府について、その使用する 通貨の対外的な信用と取引という部分は、やはり避けては通れない事項な 訳です。 私は無税金政府という仕組みが、おそらく、地域(時限)通貨と、国家通貨 と、共同指標通貨の3本立てのお金の仕組みの併用が必要になると感じて いるのですが、1種類の通貨から他の種類の通貨への為替(交換)の処理を どう仕組み立てるのかを最近考えていたのですが、複数通貨間の指標通貨 という意味では、やはりユーロはまさにそのものズバリの存在の一つなの です。 ユーロ統合の際には、参加12カ国の為替レートを固定し、1国の通過から 他国通貨へ交換する場合は、一度ユーロに交換してから、対象の他国通貨 へと戻しました。 現在でも各国中央銀行は国債を異なる金利(利回り)で販売できるのですが、 各国の成長格差も違うのに、ユーロの価値は単一に保たねばならない、と いう部分が、実物通貨でもあるユーロの強みを生み出す根でも根拠でもあ るのですが、大きな制約でもあり深刻な亀裂をもたらし得る弱みでもある のです。 では、どうすれば良いのか? 指標通貨はあくまでも指標通貨であり続ければ良い。 つまりEUのユーロの様に、『お金』(マネー=交換の媒体)として発行され たりやり取りされたりするものでは、無くするのです。 それでは現在の円=ドル取引などとどういった違いが出るのでしょうか? 基本的に通貨間のやり取りは、銀行(金融機関)同士の振り替えで、その時 々の為替レートに基づいて通貨(マネー)が移動するのですが、ポイントは その移動を行う銀行(金融機関)同士が、それぞれに外貨を持っているか準 備しなければいけない、という点です。(現在) 国にしても企業にしても金融機関にしても、この外貨準備というのはもの すごい曲者なのです。例えば100億円持っておかなくてはいけなかったと しても、対円レートが1%でも違えば、売り上げや利益なども違ってきて しまうからです。発展途上国が外貨を得る為に商品作物を優先的に作って 国民の食べる分は生産できていない話などにも無縁ではありません。 私の考える共同指標通貨(p!=ポール)は、基本的に、多国間互助型多国 通貨バスケット(決済)システムです。各国通貨はおそらく残りますし、金 利政策などの裁量も各国中央銀行に残ります。為替相場すら残ると思われ ます。(現在とは違う形になるでしょうが) 詳細な説明は次回記事に書きますが、大雑把に言うと、国も企業も金融機 関もそして個人も、ポールに自国通貨を支払って、受け取る時もポールか ら自国通貨を受け取る、というだけの仕組みになります。 それを可能にする為に、ポールに参加する国同士が、多国間決済用に自国 通貨を拠出しプールして(溜めて)おくのです。 例えばアメリカの金融機関が金利の低い日本で1000億調達して、アメリカ の債券0.1%で運用し、返済も円で行う場合、日本側からは1000億をポール のプールに移動させ、アメリカ側にポールから10億ドル(1ドル=100円とし て仮定)するのです。返済時は、その金融機関からポールへと10億ドル(と 金利分)を移動させ、日本の金融機関はポールから1000億(と利子)を受け取 るという流れになります。 金利や為替レートが変わったとしても、基本的な動きは変わりません。 結局の所、自国通貨で払いだして自国通貨で受け取っているだけになるの ですから、感覚的には現在とほとんど変わらないものになるか、少しだけ 使い勝手が良くなる感じでしょうか。 (ポールの副次的な機能の一つとして、マネーの移動がポールを介す事に よって、動く向きと量などの記録が残るという利点があります。この資金 移動の量と速度と方向を掴むというのは、致命的に大事な事とだけ捉えて おいて下さい。私は個人的に『見えない猫の首に鈴をつけるようなもの』 と呼んでますが、要はその資金移動の流れに一国だけでなく多国間(理想 的には当事国全員)で対応する事によって、その通貨交換(為替)の影響の 波に呑まれないようにする為の観測手段としても機能させる事がおそらく 可能です。) (つづく) <参考記事> ・EU:経済通貨同盟用語解説 EUの通貨統合プロセスがどのような筋道で行われたのか簡潔に説明 されています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.06.02 11:10:06
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