カテゴリ:小説
6つの短編集。
どれも、普通の善良な生活を送る人々の日常から話が始まります。 それが必ず、途中から心臓がきゅっと冷たくなるような怖い話になってしまう。 この人にどんな恐怖がやってくるんだろうって、ビクビクドキドキしながら読み進めるという、ちょっと変わったおもしろさでした。 最後に収録されている「隣の他人」が、滑稽な味付けがされていて秀逸でした。 “中年の貴公子”と呼ばれているもてもてタレント教授が主人公。 若い女の子をとっかえひっかえ手玉にとって、人生を謳歌している・・・と思っているのは自分だけ。(ハリポタに出てきたギルデロイ・ロックハートみたいです) 窮地に追い込まれると、無能でみっともない頼りないオヤジだったという、カッコ悪いお話。 それに引き換え、夫と愛人のデート現場を押さえた彼の妻は、普通だったらみっともない行動に及ぶところだろうに、すごくカッコよく見えるところもなかなかおもしろかったです。 小池真理子は、「恋」を読んで以来、あまり好きじゃなかったんだけど、うまい作家だったんですねえ。再認識しました。 ほんと、おもしろかったです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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