6509786 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

パパぱふぅ

パパぱふぅ

キーワードサーチ

▼キーワード検索

フリーページ

カテゴリ

バックナンバー

2012.04.18
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類



「病院」がトヨタを超える日

「病院」がトヨタを超える日


 医療費を「お金」だけで考えようとせず、むしろ貨幣経済から切り離す大胆な発想が必要なのです。(30ページより)

著者・編者北原茂実=著
出版情報講談社
出版年月2011年01月発行

著者は、東京・八王子で北原国際病院を経営する北原茂実さん。早くから今日の医療崩壊を予想し、「世のため人のためより良い医複をより安く」「日本の医療を輸出産業に育てる」を経営理念に、入院患者家族の院内業務への参加、ボランティアに病院内で使用できる地域通貨「はぴるす」発行、駅ピル内の総合クリニックで「ワンコインドック」を実施するなど、次々斬新な取り組みに挑戦している。

北原さんは、「医療費を『お金』だけで考えようとせず、むしろ貨幣経済から切り離す大胆な発想が必要」(30 ページ)、「医療の現場が荒廃し、医療崩壊が叫ばれている原因は、一にも二にも財源不足」(61 ページ)と指摘し、医療を成長産業として捉え、「『医療法人』という法的な縛りをなくして医療機関の株式会社化を認めていこう」(91 ページ)と提言する。
さらに、医療を産業として見ることで、莫大な個人預貯金を保有する高齢者に対し、「消費欲もなく、投資欲もない。しかし、ほとんど使うあてのないお金だけは貯め込んでいる。そんな彼らのもつ莫大な個人金融資産を引き出せるのは、医療しかありません」(105 ページ)と言い切る。

日本では様々な制約がある中で病院改革を進めている北原さんだが、本書後半ではカンボジア進出のことについて記されている。「日本の医療法人には、投資や海外進出が認められていません」(168 ページ)という事情で、NPO 法人日本医療開発機構を設立し、カンボジアでの医療活動を行っている。「私は『施し』ほど危険なものはないと思っています}(165 ページ)という信念に基づき、内戦で荒廃したカンボジアの医療体制を、まずは医療従事者を育てることから始めているという。
タイやインドのメディカルツーリズムにも触れ、「世界の患者は国境を越え始めている。そして、欧米はおろかアジアの新興国でさえ、医療による外貨獲得に乗り出している。日本国内の医療崩壊を食い止めるためには、早急に医療法人の株式会社化を認めて、もっと世界に目を向け、どうやって外貨を獲得していくかを考えなければなりません」(151 ページ)と提言する。

医療を株式会社化するのには抵抗感がある人も多いだろう。営利企業が病院を経営することになれば、医療サービスの提供に偏りが出るかもしれないという懸念もあるだろう。
だが、電力や通信といったインフラは営利企業が提供しているものである。その他の小売りや流通にしても、営利企業がやっているからサービスが低かったり偏っていたりするということはない。
営利企業にしても、その事業活動は常に世間に晒されているわけで、下手な仕事はできないのである。
むしろ、さまざまな規制やルールに縛られて、その実態がよく見えない今の医療体制の方がよほど問題である。
医療の世界にも株式会社が徐々に入っていけるようにして、その事業内容を国民が見えるように公開していけば良いと感じた。










お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2012.04.18 22:15:12
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.