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カテゴリ:投稿・掲載文
この文は朝日新聞に投稿するも不採用だった原稿です。
あらたに本名などを入れ、手を加えた文章です。 ・・・・・・・・・・・ 「私いい人です」 先日、夜の10時の中央線で2万円入りの財布の入れたポシェットを落としました。 名前のわかるものは何もポシェットに入れていなかったので、諦めてはいました。 夫も「済んだことだ、潔く諦めるしかない」といいます。 しかし、「もしや」と思い直して2日後に駅まで行き、問い合わせてみました。 ところがあったのです。 駅員に正直に届けてくださった方の親切に感謝感謝です。 ここで改めてお名前も知らない親切な方にお礼申し上げます。 そして「日本ってまだまだ素晴らしい国だ」と実感しました。 次に逆に財布を拾った外国人青年のはなし。 コシンベック君はタジキスタンでの私たち日本語教師時代の教え子です。 来日し国際交流基金の埼玉日本語研修センターで研修中の彼は休日に街中で男物の財布を拾いました。 中には1万円とカードと名刺が入ってたそうです。 その時コシンベック君の財布には500円しかなく、おなかも空いていたそうです。 まず、本国でなら「しめた!ヤッター!」とばかりに自分の懐に入れただろうと彼は言います。 でも、ここは日本。日本語を習い、日本文化を知り、正直で優しい日本人に触れるなかで 彼の心は財布を届け出るかどうか右に左に迷ったそうです。 私たち夫婦の顔も頭によぎったようです。 ひとまず、宿舎に財布を持ち帰り、ゆっくり考えた結果、決断して持ち主にメールしたそうです。 選ばれて日本に来た、タジキスタン代表という彼の誇りも作用したのでしょう。 次の朝さっそくサラリーマンの持ち主が現れ 感謝されたそうです。 持ち主からのお礼は残念ながらお金ではなく、お菓子だったそうです。 彼が今勉強している、クラスで、またセンターの先生方からもじきじきに「すごい」と褒められ、彼はセンターの有名人になり、やっぱりこれでよかったと思ったそうです。 彼は私にウインクしながら「私いい人です。でもいい人になるには本当に悩みました」と言いました。 コシンベック君は日本でいい思い出を作って帰国しました。 日ごろ私たちは、日本の良さをあまり評価していませんが、 外国人が「日本人の習性」を褒めちぎりますから、きっと素晴らしい国なのだと 思いますよ。 ・・・・・・・・・・・・・ コシンベック君(右端)の送別会にて 懐かしい学生たち 2004年 タジキスタン外語大学 日本語科2年生 手を上げているのがコシンベック君です。 このクラスから短期ながらすでにジャホンギル、ヤヒヨ、コシンベック君の3名が日本に来て日本語研修を受けています 授業で「桃太郎」をやりました。中段は学生たちが描いた絵です。 ・・・・・・・MとKのギャラリー お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年05月10日 08時28分01秒
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