テーマ:洋楽(3285)
カテゴリ:音楽:CD
イギリスの新鋭のシンガー・ソングライター、ジェイムス・ブラントの『You’re Beautiful』です。 【CD】ジェイムス・ブラント/バック・トゥ・ベッドラム [初回限定スペシャル・プライス盤]<200... 高音の男性のボーカルで、サビのところで、 ♪You’re Beautiful, You’re Beautiful♪ と繰り返す曲です。(基本的には失恋ソングです) この曲は、今日本でも結構はやっていますので、FMなどで聴いたことがある方も多いのではないかと思うのですが、この曲が入った『Back to Bedlam』というアルバムは、かなりカッコよくて好きです。 CDの1曲目の『High』と2曲目の『You’re Beautiful』は、ハイトーンのボーカルと、ちょっと哀愁味があるメロディの美しさがひかる、ポップ・チューンです。 今、流行のサーフ・ミュージックのジャック・ジョンソンのアコースティックでオーガニックなギターの弾き語りに似たところもありながら、 もう少し、ヨーロッパ的な洗練さと透明感のあるサウンドです。 この最初の2曲を聴いただけで、ぼくはこのCDは買いだなと思ったのですが、 ジェイムス。ブラントがタダモノじゃないのは、この基本的にラブ・ソングでポップ・チューンの曲とは異色のオリジナル曲も収録している点です。 4曲目の『So Long Jimmy』では、ギターではなくピアノの弾き語りで歌われています。 この曲も ♪Good bye my Lover, Goodbye my friend, Goodbye You have been the one, you have been the one for me♪ と歌われる失恋ソングなのですが、『You’re Beautiful』よりも、切々とせつなさが歌われていて、去っていった彼女に対する深い愛情がじわ~と伝わってきます。 本当に失恋した時は、こういう歌をきいて号泣したほうが、カタルシスがあって救われるんじゃないかと思われます。 10曲目の『No Bravery』は、『So Long Jimmy』と同じ様に、ピアノの弾き語りで歌われていますが、内容は全く違います。 ♪And I see no bravery, no bravery, in your eyes anymore, Only sadness♪ 「僕には、勇気が見えない、 君の瞳の中に、もう勇気が見えない。 見えるのはただ、悲しみだけ」(筆者訳) 実は、ジェイムス・ブラントというひとは、音楽のキャリアを目指しながらも、父親に、その前に別の職業を経験してみては、というアドバイスにより陸軍に入ったそうです。 イギリス人は、今でもそうだと思うのですが、大学を卒業したあと、一回、世界を見てみよう、といって世界一周の旅に出かけたり、ボランティアで海外に行ったりして、自分の世界観を拡げたい、というようなことがあるみたいです。 私が、一緒に仕事をしていたイギリス人も、数年働いた後、同じ様なことを言って世界一周の旅に出ました。 これは、大航海時代、世界の海をかけめぐったイギリス人の伝統的な考え方なのかもしれません。 確か、ヘンリー王子もアルゼンチンにボランティアをしていたような気がします。 そこで、ジェイムス・ブラントは、NOTOの平和維持部隊に入り、コソボ紛争の内戦地域に派遣されました。 そこで、彼が見たことは、 「本当は美しい国なのに、人間は信じられないような残虐行為、破壊行為を行う」ということでした。 コソボは、エスニック・クレンジング(民族浄化)といわれるように、かつては共存していたのに敵対するようになった民族同士の民族浄化(すなわち相手を根絶やしにしてしまおう)という残虐な殺戮が行われていた場所だったのです。 そして、 ♪And I see no bravery, no bravery, in your eyes anymore, Only sadness♪ 「僕には、勇気が見えない、 君の瞳の中に、もう勇気が見えない。 見えるのはただ、悲しみだけ」(筆者訳) と、歌われているその歌詞は、まさにそうした同じ人間同士の残虐な殺戮を見てきた彼が、人間とはなんとおろかな存在なんだろう、とい絶望にも近い深い悲しみを歌っているのです。 高音の透明感のある素敵な声で、綺麗なメロディでポップ・ソングを歌う一方で、そうした社会的なメッセージをも内包した、深い哀しみの歌も歌う。 ただし、あくまでポップ・ソングとして、あまりにも重たくなるような曲作りはしていない。 タダモノではないアーティストだと思います。 この『Back to Bedlam』は、9ケ月かけてじわじわ売れながら全英チャートでアルバム、シングルとも1位を記録し、オアシスやコールドプレイの新作アルバムのセールスを抜き、ヨーロッパ各国でもNo.1ヒットを記録しました。当然、スイスでもNo.1を記録しています。 さらに、シングル曲『You’re Beautiful』は、ビルボードのシングル・チャート1位を記録し、イギリス出身のアーティストとしてはエルトン・ジョンの『キャンドル・イン・ザ・ウィンド(ダイアナ元王妃へ捧げた)』以来9年ぶりだということです。 トリノ・オリンピック、男子シングル銀メダルのステファン・ランビエール選手はスイス人ということもあって、フィギュアのエキシビションでこの曲を選曲したのかもしれません。 選曲したステファン・ランビエール選手もなかなかいいセンスをしていますね。 ジェイムス・ブラントの『Back to Bedlam』 かなり、オススメのアルバムです♪♪♪ 関連日記 デビッド・フォスターの秘蔵っ子フィギュアで♪♪ 荒川静香のイナバウアーが意味するもの♪ 荒川静香 無欲の金 ! 女子フィギュア 荒川静香 会心のSP!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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