夕方6時過ぎ、どこか遠くでドーン、ドーンと砲声のような音がした。数発で止んだが、おそらく花火だろう。
私は毎日作品に向かって筆を動かしているだけなので、梅雨だ台風だ夏だといっても、実のところ季節感を「身にしみて」感じていない。雨が降りつづくと鬱陶しいし、暑さはやはり暑い。なのに、パシッと季節が意識のなかに入ってこない。不思議なことだ。
昨日、市内の小中学校長からメールでこの日の終業式を知らせてきた。つまり今日18日から夏休みなのだ。---「ああ、そうか、夏休み---」と、私はいささか間抜けた感慨をもようした。
そういえば昨日、民生委員研修会が終わり、同僚のS氏の車に乗せてもらって帰ったのだが、S氏が担当地域の盆踊りの音響の世話をしていると言っていた。「盆踊りですか---」と、私は随分遠い記憶をまさぐった。故郷喪失者の私には、懐かしいと言えるような盆踊りの記憶はなかった。
夕方の遠花火は、あるいはS氏の町の盆踊り開始の合図だったかもしれない。
私は夏休み無しで制作に励まなければならない。
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