１リットルの涙　最終回

2005.12.21

(18)

カテゴリ：ドラマ

★病院の廊下。
母と麻生君の父（医師）
「情けないです。あの子が日に日に弱っていくのに何もして
やれなくて」
「私は６年前に長男を事故で亡くしました。池内さん、私には
別れの言葉を言う時間さえなかった。お嬢さんとの時間を大事に
して下さい」

★病室。
亜也と麻生君
麻生君が亜也にきた中学生からのハガキを読む。

「亜也さんへ
私も死んじゃいたいと思ってました。私も亜也さんと同じ病気です。
先生に治らないと言われたときはいっぱい泣きました。
うまく歩けなくなって、学校でもじろじろ見られて、彼氏も離れて
いきました。
なんで私がこんな目に遭うのって、毎日毎日お母さんにあたって
ました。
でも、亜也さんの文章を読んでつらいのは私だけじゃないんだと
思いました。私は病気になってから地面ばかり見ていたことに
気付きました。
亜也さんみたいに強くなりたい。これからは辛くていっぱい泣いても
前に進みたい。亜也さんのおかげでそう思えました」

「お前、人の役に立ちたいって言ってたよな。お前には欲張って
でも、無理にでもずっと生きててほしい。だから、オレ」（麻生）
「麻生君、歩けなくなっちゃった。でも、私役に立てた。
役に立ったんだ」（亜也）
「そうだよ」

★クリスマス
１日だけ外泊許可をもらい自宅に帰る亜也。
兄弟へ亜矢が選んだプレゼント。

「ごめんね亜湖。最近、昔の服ばっかり着てるよね。私がパジャマ
ばっかりだから新しいの欲しいって言えなかったんだよね。
亜湖はおしゃれが大好きだったのにごめんね。

ごめんね弘樹。小学生のときから同じスポーツバック使ってるね。
中学生になったらかっこいいの持ちたかったでしょ。遠慮させて
ごめんね。

理加もごめんね。私に絵書いてくれてるために絵の具ギュっと
しぼっても出なくなるまで使ってくれて。

亜湖、ひろ、理加、いつもありがとう。ずっとお母さんをとっちゃって
ごめんね」

★亜也は文字ボードを使って会話をするように。
そして、最後の日記「ありがとう」

★病室
亜也の日記を読む麻生君。

「自分だけが苦しいんじゃない。わかってもらえない方もわかって
あげられない方も両方とも気の毒なんだ。

花ならつぼみの私の人生。この青春の始まりを悔いのないよう
大切にしたい。

お母さん、私の心の中にいつも私のことを信じてくれるお母さんが
いる。これからもよろしくお願いします。心配ばかりかけちゃって
ごめんね。

病気はどうして私を選んだんだろう。運命という言葉では片付け
られないよ。

タイムマシンを作って過去に戻りたい。こんな病気でなかったら
恋だってできるでしょうに。誰かにすがりつきたくてたまらないのです。

もう、あの日に帰りたいなんて言いません。今の自分を認めて
生きていきます。心ない視線に傷つくこともあるけれど、同じくらい
優しい視線があることもわかった。
それでも私はここにいたい。だって、ここが私のいる場所だから。

いいじゃないか、転んだって。また、起き上がればいいんだから。
転んだついでに空を見上げれば。青い空が今日も限りなく広がって
微笑んでいる。

人は過去に生きるものにあらず。今できることをやればいいのです。
お母さん、私結婚できる？」

「お前がんばったな、がんばって生きてきたな」（麻生）
「（文字ボードで）そうだよ。生きてね、ずっと生きてね」（亜也）
「わかった」

★回想シーン
亜也がバスケ部で活躍。

★５年後、病室
「亜也～～～～～～（泣）」（父）

★母の手紙
「亜也へ。
あなたと会えなくなって、もう１年が経ちました。
亜也、歩いていますか？ごはんが食べられますか？大声で
笑ったりお話ができてますか？お母さんがそばにいなくても
毎日ちゃんとやっていますか？お母さんはただただそれだけが
心配でなりません。

『どうして病気は私を選んだの？なんのために生きているの？』
亜也はそう言ったよね。苦しんで苦しんで、たくさんの涙を流した
あなたの人生がなんのためだったか、お母さんは今でも考え
続けています。今でも答えを見つけられずにいます。

でもね、亜也。あなたのおかげでたくさんの人が生きることについて
考えてくれたのよ。普通に過ごす毎日が嬉しくて温かいもんだと
思ってくれたのよ。近くにいる誰かの優しさに気付いてくれたのよ。
同じ病気の人が一人じゃないと思ってくれたのよ。

あなたがいっぱいいっぱい涙を流したことは、そこから生まれた
あなたの言葉達はたくさんの人の心に届いたよ。

ね、亜也。そっちではもう泣いたりしてないよね？
お母さん、笑顔のあなたにもう一度だけ会いたい」