カブトムシ

大阪の町。
「ハルカ～」（木綿子）
「お母さん、あのね、正巳がね。ガオォ～～～～！（号泣)」（ハルカ）
「何にも言わないで」

水野家。
「ハルカかわいそうに。なんでこげんことに」（ちい）
「すいません、おじゃまします。水野さんは？」（藤沢）
「大阪の家の方にいました。正巳君は？」（陽介）
「それがまだ・・・。パスポートもなくなってたし」（藤沢）
「なんだよ、逃げるなんて。あいつがハルカと結婚したいと言ったんだよ」（陽介）
「ほんとやね、ほんとっちゃ」（ちい）

大阪、マンション。
「信じらんない、結納の日に逃げるなんて。お姉ちゃんも電話のたびに
うれしそうで。こういうとき結婚てどうなの？」（アスカ）
「どうなんだろ。向こうがいないとどうにもならないんじゃない」（木綿子）
浜口センセからアスカへ電話。

ハルカの部屋。
「何か食べない？」（木綿子）
「ごめん」（ハルカ）

倉田旅館。
正巳を成田空港で見かけたとお客から電話。

「正巳が逃げるはずがないっちゃ」（悟史）
「でも逃げた。それが全てじゃ。ハルカの大阪に電話した。
誰ともしゃべりたくなってでてくれんかった、ハルカ」（奈々枝）

ハルカの部屋。
「何か食べないと体に良くないよ」（アスカ）
「体なんかどうでもいい。このまましぼんで消えてなくなりたい」（ハルカ）
「そうか、でも無理だし。カーテン開けていい？」
「天気良かったんや。人の気持ちに関係なくお日様って出てるんやね」
「お姉ちゃんの好きなハンバーグ」
「ごめん」

キッチン。
ハンバーグを作る木綿子さん。
「重症だね。当然だけど」（アスカ）

ハルカが正巳とのことを回想。
「あの頃、もっと気付いてあげればよかった？
あの頃、もっと話を聞いてれば・・・
あの時、一緒に行ってれば・・・
なんで？わからん」

陽介さんに電話。
「まだ、食事もしないの。ただ、ぼんやりして。心配よ」（木綿子）

夜、ハルカが冷蔵庫をあけてます。
「お姉ちゃん、何してるの？」（アスカ）
「一生、何も食べんで、飲まんで、光も浴びんで死んでいくんやって。
でも、ハンバーグの夢見てしまった。なんてかっこわるいんやろ」
「そりゃそうよ、昨日から何も食べてないのよ」（木綿子）
「こんなに苦しいのに心臓が止まらないし」（ハルカ）
「生きてるからね」（アスカ）
「せっかくだらか何か作りましょう」（木綿子）
「私も何か食べたい｜（アスカ）
「アスカはダメ、太るから」
「お腹大きい？」
「今、気付いた？」

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