カブトムシ

水野家。
｢大丈夫なん？」（ハルカ）
「昨日ぐっすり寝たらすっかり。昼まで寝ちゃったのよ～。お父さん
レストラン？」（木綿子）
「うん」
｢名前、前のよりずっといいわ」
「大変なこともかっこわるいことも頑張れば、後になるとおもしろい
思い出になる。ゆっくりでいいんよね。のんびりしてると人生って
案外楽しいもんや」
「子供が悟ったみたいなこと言って」

電話。
「どう？お母さん」（アスカ）
「熱もひいたみたい」（ハルカ）
「お母さんは仕事一筋で趣味がなかった。猿丸さんは？」
「どうなんやろ。好きになると空想するやろ。素性わからんし、考えてる
こともわからんし」
「ちょっと難しく考え杉じゃない？」

神崎家。
木綿子さんが花農家を手伝ってます。
亜矢さん凸。
「あら、亜矢さん？」
｢ハルカのお母さんやないですか」
亜矢さんが微妙な目線。

会議室。
みんなでなんかしてます。
「ハルカのお母さんは大人の女やね」（亜矢）
｢昔から、再婚の話するたびに『今でも妻のことを』だって」（百江）
「あのお母さんやったら仕方ないな」
村崎さん微妙な表情。

観光事務所。
奈々枝凸。
「確かに逃げてた。私は正巳が好きや」
「うん、知ってる」
「ごめんハルカ、もう逃げんけん」

会議室。
奈々枝凸。
｢女将さん、あん旅館でずっと働かせてもらえんでしょうか」（奈々枝）
「もちろん、いいっちゃ。おってくれたら助かるわ」（百江）
「ありがとうございます」
｢でも、正巳んことは許さんけん。ハルカが許しても私は認めん。
それでん良かったらどうぞご自由に」

水野家。
「あの、約束、写真撮ってくれませんか？今の自分結構好きなんです。
上手に笑えるし、悲しいけど少し幸せで、少し大人になれた気がする」（ハルカ）
「ええよ」（猿丸）

神崎家。
｢木綿子、帰ってきてもいいんぞ。仕事なんかせんで、こっちでのんびり
暮らすこと考えちみたら？」（一二三）
「そんなこと考えたこともなかった」（木綿子）
｢今でも陽介君お前のこと待っちょる」（一二三）
「ゆうくり考えたらええわ」（ちい）
陽介さん凸。

夜、神崎家で宴会。
｢乾杯」（一二三）
「みんな見て。俺が作ったゼリー」（由紀夫）

キッチン。
｢あの人なのね」（木綿子）
「うん。でも、会うとちょっと恐かったりして。すぐいなくなっちゃいそうで」（ハルカ）

花農家。
陽介さんが店に飾る花を選んでます。
木綿子さん凸。
「こんなにのんびりしたの何年ぶりだろ。レストランも順調みたいじゃない」（木綿子）
｢明日、レストランに来ないか？」（陽介）

その頃、レストランに青木さん凸。

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