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知的漫遊紀行

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Ryu-chan6708

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2007.07.03
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A氏:日本が植民地化していた中で台湾は比較的、親日的だといわれているね。

:この本では、敗戦直後は反日となったが、蒋介石が中国本土の戦いで逃れてきて、国民党政府になってから、日本よりひどい政治をしたために、「同じように外のものに統治されるなら、日本のほうがまだましだ」というのが原因としているね。
 だからと言って、日本の統治がよかったという理由にはならないとしているがね。

A氏被害者加害者との関係は複雑だね。

1984年ナチスの親衛隊も埋葬されている軍人墓地に訪欧中のレーガン大統領がコール首相と訪問するという計画で「ナチスを追悼するのか」「国軍に敬意を払うのは当然だ」という大議論になったというね。

A氏:日本の靖国問題と似た問題はドイツにあったんだね。

韓国の内部では、日本帝国主義に協力した人たちは今も憎悪の的で、親日派の子孫はほとんど、カナダ、アメリカ、日本に移住しているというね。
 韓国の歴史教育で、「日本は悪、同じ民族でありながら国を売った人=親日派はもっと悪」の考えが定着しているという。

A氏:同じ民族内部で「過去の克服」でもめているんだね。

私:この本ではいろいろな人にインタビューしているが、興味があったのは小倉慶大教授の「被害と加害の意識の変遷」だね。
 氏は、戦後日本での戦争の語り方は1970年前後に大きな変化があったという
 それまで、「被害」が強調されてきたのに、アジアへの「加害」が問題になってきたという。

A氏:何故だろう?

ベトナム戦争だね。
 当時のべ平連代表の小田実氏がこれまでの平和運動は日本人の戦争被害を強調して平和の大切さを説いてきた。
 しかし、これからは自分たちがベトナム戦争の加害者だという認識が必要だと唱えたのが契機だという。
 小田氏は、被害者だから加害者であるという重層性を自覚すべきだと言う。

A氏:被害者だから加害者になるわけか。

:ベトナム戦争を扱った映画「プラトーン」ではジャングルの酷暑や湿気に苦しみながら米兵が行軍していくが、疲れきってやけくそになった米兵たちが村で残虐行為を働く。
 
これは日本兵も同じで食料もなく、重装備で毎日何十キロも歩かされ、すぐ上官から殴られる。
 
そんな被害者だからこそ、現地の村に入ったら放火したり、食料を略奪したりしがちだったという。

A氏:これは戦争体験者だと分かるね。

:しかし、小倉教授は新左翼運動の若者たちは戦争の体験がないので、この重層構造が理解できない。
 だから、戦争経験がある年長者への反論方法として発見したのが「アジア加害者」の強調
だという。
 小田氏は、広島の平和集会で原爆体験を語り始めた老婆をさえぎって「貴方の体験は皆知っている。問題はあなたが加害者だった事実の認識だ」と言った若者がいたのを正視できなかったという。

A氏愛国心と関係するのだね。

:敗戦から60年くらいまでは、革新派も「平和な国家を築こう」という愛国心を唱えていたという。
 ところが加害者論を新左翼が強調すると、同時に革新派の愛国論も滅び、愛国心と言えば保守派のもので進歩派は愛国心を非難すべきものだという構図を作ったという。

A氏進歩派はアジアへの加害を強調し、保守派はあの戦争はアジア解放や自衛のためだと主張するようになり、固定したようだね。

:ホロコーストの被害者のユダヤ人パレスチナ人には加害者になる。
 第1次大戦での過大な賠償で経済が破綻して、被害者となったドイツ国民はナチスを支持した。
 現実の社会や歴史は複雑で、天使や悪魔が存在しないように、百パーセントの被害者や百パーセントの加害者はめったにいない。
 
それは本来大人の常識だがね。

A氏愛国心をもてば、それが政府や戦争の支持に直結するというほど単純ではないね。

相対思考が重要だね。






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Last updated  2007.07.03 05:39:14
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