私:「新帝国主義論」で世界経済の動きでロシアが登場していたので、その知的街道のつながりで図書館で借りたね。
この本はやたらに日本経済新聞の引用が多いね。
そのせいか、新書版なのに、あちこち話題がとんで分かりにくいね。
大体の流れは分かるがね。
A氏:来年、3月にロシアで大統領選挙があるんだね。
私:現行憲法では、プーチン大統領は退陣しなくてはならない。
プーチン大統領の動きが問題になっているが、彼が権力の座を降りないためにいろいろな手を打っていることは大体新聞が報じているので分かるね。
それより、驚いたことが2つある。
1つは、石油や天然ガスがロシアに豊富で、これで国として繁栄を回復して維持しているのは分かるが、これが「ガスプロム」という巨大な独占企業に握られていることだね。
プーチンは、大統領を辞めたら、「ガスプロム」の会長になるのではないかとも言われているくらいだ。
A氏:ロシアは大分国際資本が入ったんだが、石油や天然ガスはできるだけ独占化しておきたいんだね。
私:2つめに驚いたのは、ロシアを囲む東欧やバルカン諸国など、十数カ国が群がっていて、ソ連崩壊以降、独立し、市場経済をめぐってそれぞれ複雑な動きをしていることだね。
西側寄り、になるのか、ロシア側になるのか、そして、ロシアも最近、大国化というか、帝国化した動きを示すようになっている。
俺たちが世界史や地理をきちんと習ったのは高校だが、そのときは、ソ連は大国で一国だという印象だった。
その後のソ連崩壊後のことは正式に勉強していないから弱いね。
もう一度、高校の教科書を読まないといけないと感じたよ。![スマイル スマイル](//plaza.jp.rakuten-static.com/img/user/emoji/a001.gif)
A氏:いや、それは中学の問題かもしれないよ。
君のブログの「頭のよい子が育つ家」では、筑波大付属駒場中学に入学したF君が居間のテーブルの地球儀を引き寄せ、父親に「昔のソ連は今いくつの国に分かれたか」と質問しているシーンの記事がある。
父親は正確に答えられない。
子どもは国の名前をあげ15だと正解を言うということが紹介されていたよ。
私:中学校で優秀な子はもう知っているのかね。
これらの15の国のソ連時代からの関係と、ソ連崩壊後のロシアとの市場経済をめぐる関係は複雑だね。
この本の「ロシア世界」という言い方は分かる気がするね。
その関係はソ連時代だけでなく、もっと、歴史的にさかのぼるかもしれないね。
A氏:これらの分散した国が、EUに加盟するかが大きな問題となっているね。
EUへの加盟はロシア離れだね。
私:NATOへの参加もあるね。
今、イランからのミサイル防衛で、アメリカはこれらの諸国の一部にミサイルを配置しようとしているね。
これがロシアを刺激しているようだね。
A氏:ロシアは港が少ないので石油や天然ガスをパイプラインで送っているが、これが周辺諸国を通過することが多いね。
私:その点でも隣接する国との関係は深いね。
そして、インド、中国という大国との関係も微妙だね。
しかし、かなりの武器がこの両大国にロシアから輸出されている。
ロシアは、今、「ガスプロム」を先頭とする資源産業に過度に依存しており、そのインフラ、人材不足が指摘されている。
A氏:「新帝国主義論」で「KGBの伝統を色濃く残すロシア」と言われているが、今後、プーチンはどうロシアを運営していくのだろうかね。
私:ロシアと西側の対立は「冷戦」にもどるほどのことはないが、「冷たい平和」と言われているという。
最近、プーチンを「国家の父」としようという動きで、ロシアの世論調査があったが、半数近くは反対だそうだ。
ロシアも一種の独裁的な国家だから、不安定要素が多いね。
これも「地球帝国」の不安定要素の一つだね。