私:今月の文藝春秋(4月号)に立花隆氏の「僕はガンを手術した」という記事が載っているね。
立花氏は今年、67歳だが昨年末に膀胱ガンの手術を受けた。
その体験談で、「同時進行ドキュメント」とあるからこれから連載だね。
A氏:膀胱全摘というような事態ではなかったようだが、ガンの部分を切除したわけだね。
私:膀胱ガンは7、8割の再発率だというから、これから病院通いだね。
A氏:それで、「同時進行ドキュメント」というわけか。
私:ガンと分かる前に大量の血尿が出たというね。
痛みがなかったので最初はあまり心配していなかったらしい。
ガンの告知を受けると、たいていの人は「なんで私に?」という、運命あるいは運命をつかさどる神に対する不満と怒りの気持ちになるという。
A氏:しかし、立花氏は、「何か原因になる悪いことでもしたのかな」と思ったそうだね。
私:医者はタバコと環境汚染がガンの原因だとしてあげたという。
立花氏は、若いとき、へビィスモーカーだったらしい。
しかし、途中でやめても蓄積されているのだという。
若い頃の無理、無茶は、全部、年をとってから正直に出るね。
A氏:タバコは肺ガンの原因になるだけでなく、膀胱ガン、前立腺ガンが増えた原因にもなるという。
日本の場合は、農薬、食品添加物、自動車の排気ガスなど、発ガン物質だらけだという。
環境毒物増大---人体防御機構の負荷増大---ガン患者増大というつながりだね。
若くしてなくなった映画俳優の松田優作のことを奥さんが書いた本、「越境者 松田優作」を立花氏が引用していたが、松田優作は「ブラックレイン」の撮影直前に膀胱ガンであることが分かったんだね。
私:映画「ブラックレイン」をとるかガンの治療をとるか。
A氏:彼は映画をとった。
「ブラックレイン」撮影中は他の人には隠して膀胱ガンと戦いながらの演技だったんだね。
私:それにしても、俺の身近にもガン患者が増大しているね。
俺が住んでいる住宅地は、1970年代に大手不動産が一戸建てを作って売り出した。
だから、移り住んできたのは大体同じ世代だね。
子どもも同じ小学校。
それが子どもは大きくなり仕事の都合や結婚で、家を出て行く。
夫婦二人が多くなる。
小学校はガラガラ。
A氏:都会の住宅地の過疎化、老齢化現象だね。
私:年とともに、身近でガンで亡くなる人が増えてきた。
隣の家の夫婦は奥さんが乳がんで亡くなっている。
子どもは別に住んでいるから、旦那はひとり生活で、一時、うつ病になった。
向かい隣の夫婦は、旦那が胃ガンでなくなり、奥さんが一人でパートなんかして暮らしていたが、そのうちに娘のところに引っ越して、家は売りに出された。
そのまた隣の家も子どもは娘さん2人で、結婚したから、 これも今は夫婦2人。
旦那は、定年後はカラオケにこっていたが、ヘビースモーカー。
それが先月、背中が痛いというのでレントゲンをとったら、肺ガン。
しかも拡散していて、末期ガンで、手術は間に合わない。
A氏:やはり、タバコはこわいね。
私:そうしたら、今度は俺の身内で、俺より少し年上だが胃ガンで手術したが、もう手遅れで、後、1、2ヶ月の命だという。
今、ホスピスにはいったので、近日中に、見舞いに行く予定だよ。
A氏:お互いに気をつけないとね。
私:俺の大学の同窓で昨年秋、大腸ガンで腸を5メートル切除したのがいるよ。
その後、元気で正月に一応、快気祝いをしたがね。
しかし、再発を恐れて病院には通っている。
俺も気になって、最近、バリュームで胃の検査をしたよ。
とりあえず、何もなかったが、しかし、明日は分からないね。
ガンは手遅れになるとこわいね。