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ニッポンには対話がない
私:著者は、PISAのテストは「考える力」のテストを取り入れているので、日本人には合わない点もあるという。
A氏:しかし、日本ではあわてて「ゆとり教育」に切り替えたね。
ところが「基礎学力の低下」であわてて、また、ゆり戻しになり、右往左往しているので批判を浴びているね。
私:「基礎学力」と「考える力」とのバランスをとることが必要だね。
実は、これもフィンランドも同様の失敗の経験があるという。
あまり「考える力」の教育を重視した結果、基礎学力が低下して問題を起こし、バランスをとるようにした経過があるという。
A氏:やはり、独創的な思考も基礎的なものがないと育たないんだね。
私:「ゆとり教育」だと言って、生徒を自由に放り出すのはかえって混乱の原因となるね。
こないだ小学校低学年の野球の練習試合の取材をテレビで見ていたら、バッテリーがいないんだね。
ホームベースに棒を立て、その頭にボールを乗せて打つ。
後は大人の野球と同じで子供の自由だね。
この本でもそれにふれていたね。
要するに年齢的にバッテリーは無理だから、工夫した練習で「型」を覚える、わけだね。
先生も指導方法を考えないといけないね。
「ゆとり教育」は先生が楽をするのでなく、苦労することだね。
昔から日本では「守・破・離」というではないかね。
まず、基本を「守り」、次に、これを新しいものに変えて「破り」、そして自分で独立して「離れて」いく。
A氏:最初から、放任して創造的な「破り」「離れ」を期待するのは困難だし、無理が出るね。
私:この本では、チュートリアルシステムというのが紹介されている。
これは、あることをはじめて勉強した人間がその専門の担当教授と対等の立場で議論するのだという。
A氏:新人教育だね。
これは教えるほうの対応が重要だね。
日本では、経験や地位の差があるときは対等の対話が難しいね。
私:著者の北川氏はチュートリアルシステムを体験する。
専門家はじっくり聞いて、このような観点とこのような事実を入れて、もう一度考えてくれというそうだ。
この本は、このようないろいろな新語を紹介してくれる。
明日は、その新語と移民との対話に話を展開しよう。