私:昨日のブログで、この件にふれて、「AERA」の広告を引用したね。
出かけるついでに、「中大教授刺殺・ロスジェネの怨みが暴発する・就活失敗の山本竜太容疑者(28)は秋葉原、土浦・・・と同じ氷河期世代/孤独で増幅した憎しみは解消できない」と見出しの記事を読んだよ。
3頁ほどの記事だね。
A氏:共通点はどういう点だろうね。
私:ロスジェネにしては、就職条件はよいほうだし、親もハイクラスのほうなんでちょっとこの世代の一般的な事情ではないね。
問題は、この世代は一旦転落すると、派遣労働などの泥沼に入り、抜け出せない孤独な檻が待っている、ことだろうね。
A氏:解雇されたのでなく、安易な自分からの転職が問題になるね。
私:この記事の筆者は、ロスジェネ世代は「ゆとり教育」で「個性」を強調された共通点を挙げているね。
人には固定的な「個性」があって、それを延ばすための「仕事」があるという教育だね。
A氏:しかし、事実は逆だね。
「仕事」を我慢してやっているうちに、自分の「個性」が形成されるのが事実ではないのかね。
第一、養老孟司氏がいうように、人の身体自身もどんどん変わっている。
固定的な「個性」なんてないのではないの。
「ゆとり教育」はそういう勘違いを教えたのかね。
私:だから、新入社員は平均3年で転職していくと言われる。
自分にあった「仕事」探しだという。
以前、新入社員の能力を判断するには、イー、スー、チーが必要といわれた。
これは中国語で、1、4、7だね。
意味は、入社1年で頭角をあらわす者もいるし、4年かかる者もいる。しかし、7年で実力を発揮できるようになる者もいる。
晩成型だね。
だから、会社は簡単に新入社員の能力を判断するな、と言われていたがね。
今では、社員のほうが辞めていくので、会社は困惑しているようだね。
A氏:楽をして、すぐに「個性」などできるはずがないのにね。
イチローだって、忍耐と苦労の歴史だろうね。
私:俺たち「軍国少年」経験者にとっては、幼い頃の幻想的な思いこみの怖いことをよく知っているからね。
子どもの頃の教育は怖いね。
事実は、仏陀ではないが、人生、諸行無常、四苦八苦だよ。
それを教えなくてはね。
A氏:アメリカの自動車のGMすら崩壊だよ。
そして、自由主義メッカのアメリカで民間大企業の国有化だよ。
敵対していたソ連のような社会主義国家がやることだよ。
私:俺は家庭を持ってから転職を2回しているが、高度成長時代とはいえ、会社を辞めるときに実に慎重だったよ。
「軍国少年」の挫折のせいかもしれないね。
A氏:これらの青年に共通しているのは、親はしっかりした中間層だということだね。
私:「AERA」の筆者は、それも問題点としてあげているね。
核家族化してきているし、親はきちんとした戦後教育を受けているから、子どもの教育には熱心だね。
秋葉原事件の容疑者加藤智大の母親は教育ママだというしね。
山本竜太の母親は、溺愛していて、退職した会社まで行って息子の復職を頼んだという。
金川真大は、無職で24歳になっても父親がノンキャリアだが外務省の官僚だから、秋葉原で好きなゲーム遊びができたのかね。
それを本人は「個性」と思ってね。
A氏:パラサイトかね。
私:高度成長の核家族化で、日本の伝統的な「共同体」が破壊され、新しい「共同体」ができないうちに、孤独な青年が生まれやすくなったのかね。
俺たちの世代よりちょっと上の世代は、敗戦を青年期で迎えて、軍国主義イデオロギーが崩壊した反動で、共産主義に走った人が多かったね。
しかし、共産主義もイデオロギーだとして、それに対して冷静に見ている人もいたね。
時代の流れに容易に流される人と、そうでない人がいるが、その違いはどこからくるのかね。
その人の持っている「運命」かね。