A氏:8月30日の衆議院選での各党のマニフェストが出揃ったね。
私:各党ともあれもやる、これもやると書きまくった感じだね。
しかし、自民党・公明党はおかしいね。
与党だから、まず、前回の選挙のマニフェストで約束したことが守られて、効果を出したのかをふれるべきだね。
与党のマニフェストは、野党と異なるべきだね。
逆に、野党も、まず、与党の「失政」の事実をあげ、その分析批判からはじめるべきだね。
A氏:前回は、郵政民営化は日本のためになるというマニフェストだったように思うがね。
小泉政権の総決算だね。
私:皆、そのマニフェストを忘れたのかね。
A氏:今朝の新聞でようやく民主党の鳩山代表が遊説で「自民の『失政』」批判に力をいれはじめた」とあるね。
私:「郵政民営化をやれば社会保障も景気もよくなると自民党は4年前に言ったが、冗談じゃない。でたらめな4年間に、選挙で責任をとらせよう」
と訴えているという。
遅いね。
野党も「郵政民営化」の総括をしていない。
しかし、自民党も「失政」に気がつき、小泉氏の次の選挙の顔に阿部氏を選び、福田氏は選挙向きの顔でないとして、麻生氏にバトンタッチだね。
A氏:麻生氏に不運だったのは、昨年秋のリーマンショックを皮切りの金融危機だね。
解散しようとして百年の一度の経済危機に遭遇してタイミングを失った。
それは自民党も誰も「想定外」だった。
これを乗り切るにはリーダーシップが要るのに、麻生氏は党内基盤が弱く、リーダーシップを期待できないということになってしまい、選挙の顔でなくなってしまった。
私:それから、公約を守らなかったら、政権を降りるというのもおかしいね。
人間がやることだ。
グローバル時代だから、何時、何が起きるかわからない。
「想定外」のことが起きるのが現実の世界だね。
「想定外」の問題で公約が実現できなかったということで、政権が交代していたんでは、マニフェストの意味がないね。
政治には、緊急事態の場合の対応力も必要だね。
英語には、約束を守れなかった場合、アカウンタビリティというのがあるね。
日本では「説明責任」と訳しているが、ピンと来ないので、俺は「納得できるうまい言い訳をできる能力」としているよ。
A氏:君が「高度成長」で問題にしていた「経済成長戦略」があまり各党のマニフェストでぱっとしないね。
私:公明党のように、環境の市場拡大による経済成長を描いているケースが多いが、抽象的だね。
技術用語が出てこないからね。
自動車では、電池の技術革新が生まれない限り、市場は拡大しないね。
日本の高度成長は、製造技術の技術革新が基盤になっているね。
それが、派遣労働化で崩壊しているからね。