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私:今回のコラムは、前回同様、トランプ大統領の環境政策の徹底的な批判だね。 その前に、トランプ大統領が政策の細部どころか大まかな概略にも何の関心もなく、例えば、明らかに共和党の医療保険制度案の内容を全く把握していなかった。 また、自分のポピュリスト的美辞麗句を、具体化させることに全く関心を示していない。 だから、「オバマケア」を廃止しようとする試みは、今のところ失敗しており、「税制改革」(実質的には富裕層の大型減税)は、雲行きが怪しい。
A氏:実のところトランプ氏の頭には「勝つこと」以上の考えはなく、彼には直感と偏見はあるが、政策の細部どころか大まかな概略にも何の関心もない。 その結果、トランプ氏といかなる個人的確執を抱えていようとも、従来通り、共和党のエスタブリッシュメント(既成勢力)がトランプ政権の政策課題を定めるという状況になっている。
私:政策の法制化は確かに行き詰まっているように見えるが、利益集団が望むことの多くは立法措置が不要であり、行き詰まったとは言えないとクルーグマン氏はいう。 特に当てはまるのが環境政策で、この分野では、既にある法律をどう解釈し執行するのかという決断だけで、多大な影響を及ぼし得るという。 ここで環境問題が登場する。 トランプ氏の残す真の遺産を形作るものは、彼が法案を通したり阻んだりすることではなく、スコット・プルイット氏を環境保護局(EPA)長官に据えたという決断だという。
A氏:オクラホマ州司法長官だったプルイット氏は事実上、市民に仕える公僕ではなく、環境汚染産業の下僕としての役割を果たした人物だという。
私:トランプ政権の大部分はリーダーシップや主要スタッフを欠いて機能不全に陥っているように見えるが、そのなかでプルイット氏はエンジン全開。 しかし、そのエンジンはトップ自ら妨害工作に加担し、瞬く間にEPAの使命をむしばんでいる方向に動き、気候変動対策だけではなく、環境保護全般における役割も弱めているという。 クルーグマン氏は、トランプ大統領が、米国を再び偉大な国にすることはないだろうが、プルイット氏は、トランプ氏の全面的な支持を受け、米国を再び汚染された国にすることをするだろうという。
A氏:環境政策は人気のない分野だが、1970年にEPAが発足して以来、大気の質や水質が改善したことは、米国史上、偉大な成功を収めた政策の一つ。 トランプ氏の若い頃、ニューヨークは大気が汚染され、強烈なスモッグで何百人もの死者が出ることがあった。 ハドソン川は、ニューヨーク州知事をして「巨大な汚水浄化槽」と言わしめるほどだったが、規制が事態を変えたことをトランプ氏はおそらく覚えてもいないし、気づいてもいないだろうし、多くの有権者も同じだとクルーグマン氏は指摘する。 ただ、当たり前のように享受している、比較的きれいな大気と水が危険にさらされていることに人々が気付けば、すぐに事態は変わりえるという。
私:だが前述のように、プルイット氏は法律を変えずに大きな害を及ぼすことができる。 たとえば、EPA内の科学者が子どもの神経系に損傷を与える可能性があると指摘している農薬の禁止を撤回することができ、また、発電所の廃水の重金属汚染を制限する規則の廃止に動くこともできる。 さらに規則を無効にせずとも、トランプ氏と連携してEPAの人員や資金を干上がらせ、ルールの執行力を弱めることもでき、5月に提案されたトランプ政権の予算教書は、実際には立法化されないが、優先順位は示しており、EPAの予算は、他のどの省庁よりも厳しい31%もの削減だったという。 こういうことが、積み重なると、環境汚染の害は少しずつで、ときには目に見えなくても、多数の米国人に死や危害をもたらすことになる。
A氏:ところで、環境保護に反する政策は少なくとも雇用の創出になるという考えに対し、答えは「ノー」だとクルーグマン氏はいう。 具体的に言うと、石炭会社に対して露天掘りの山頂爆破をどれだけ認めようとも、有害物質の水路放出をどれだけ許そうとも、石炭業界の雇用は回復していない。
私:クルーグマン氏は、政権の政策課題が行き詰まっていると部分的にはみえても、他は順調に進んでいるという。 特に、こと環境政策に関する限り、トランプ氏は確実に米国を変える。 その遺産は文字通り有毒なものとなるだろうと指摘は厳しい。
また、ニューヨークは大気が汚染され、ハドソン川は、「巨大な汚水浄化槽」と言わしめるほどの汚れにもどるのだろうか。
この記事は、英語訳だがところどころ、変な日本語訳があった。 改善を期待したい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.09.06 23:54:33
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