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Ryu-chan6708

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2018.02.10
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カテゴリ:カテゴリ未分類

昨日のブログ「やはり新築・持ち家?」で、日本人の新築住宅好みの異常さにふれたが、今日の記事は、別の視点からの日本の住宅問題を論じている。

 

山極寿一氏は、ゴリラが専門の霊長類学者

 

そこで、まず、ゴリラの住み方からふれている。

 

 アフリカの熱帯雨林で暮らすゴリラは、毎晩それぞれ個別のベッドを樹上に作り、互いに寝息の聞こえる距離に枝を折り曲げ葉を敷いて、大きな鳥の巣のような寝床で眠る。

成熟したオスは地上に作ることもあるが、子どもたちは樹上が好きで、夜が明けると、みんな地上に下りてきて、遊んだり食事をしたりする。

 

Aこのベッド作りは、本能的な行動と考えられていて、人間の祖先もおそらく同じようにベッドを作って樹上に寝ていたはず

 

しかし、数百万年前に熱帯雨林を離れて草原へと生活圏を移してから、ベッドを作らなくなった。

 

草原はベッドを作る木が足りないし、地上はあまりにも危険だったからだろう。

 

やがて人間は家を作るようになり、ベッドではなく、仲間と共有する屋根と壁のある構造物となる。

 

山極氏は、野生のゴリラの調査で狩猟採集民の人たちと生活を共にしたことがあり、家々は、数十人規模の共同体が互いの動きを感知できるような範囲に、しかもプライバシーが守れるように視界を遮断した家族単位、個人単位で作られている

 

家々は、数十人規模の共同体が互いの動きを感知できるような範囲に、しかもプライバシーが守れるように視界を遮断した家族単位、個人単位で作られている

これが人間の家の基本だろう山極氏はいう。

 

A人間の700万年に及ぶ進化史の大半は狩猟採集生活

200万年前から大きくなり始めた脳は、集団の規模が拡大するのに合わせ40万~60万年前に当初の3倍に膨れ上がり、この大きさは150人規模の集団で暮らすのに適した社会脳であるという。

 

だが、現代人になっても脳の大きさは変わらないのに、農耕・牧畜社会、工業社会、情報社会と、生活様式の劇的変化に伴って集団規模は急拡大しても、人間の脳で作る共同体の規模、つまり信頼関係を構築して一緒に暮らす仲間の数は増えていないという。

 

:近年まで、日本の家屋の基本的な造りはせいぜい木造の2階建てで、開けっぴろげで戸締まりの必要もなく、周囲の住民がよく出入りできるようになっていた。

 

西洋の石造りの家でもパティオという中庭を囲んで作られたり、道や廊下で繋がっていたり、住民が互いの暮らしを察知できるようになっていて、これは、日々の暮らしを支える食事や育児を分かち合い、支えあう必要があったから。

 

A:しかし、戦後の日本の家は劇的に変わり、都市にはオフィスビルが立ち並び、郊外に新興住宅街が次々にできた。

 

1964年の東京五輪を契機に古い木造住宅は次々に鉄筋のアパート群やプレハブ住宅に替わり、新しい建材が次々に登場して大工、左官屋、畳屋の出番は減り、設計から施工まですべてを取り仕切る建築会社が台頭した。

 

コンクリートは建築家が思い描く理想の設計を可能にし、日本は一躍建築大国になった。日本の家はしだいに、周囲と断絶した空間の中だけの機能を重視するようになった。

 

:現在、日本の住宅はマンションに代表されるように、周囲とのコミュニケーションを一切考慮せずに設計され、なるべく密閉できるようになっていて、大気汚染ばかりでなく、花粉や虫の飛来、動物の侵入、騒音を防ぐ必要性が高まったためでもある。

 

A家が住人だけの利便性を考慮して作られていれば、隣人と日常的に交流するのは難しくなり、こうして日本の家は、人々とも自然ともつながりをなくしてきた。

 

個人や家族はこうした家の仕組みによって孤立し、ネット上のつながりや公共サービスや保険制度に救いを求めている山極氏はいう。

 

:そこで、山極氏は、京大の建築科の学生が中心となって他大学の学生と一緒に古い木造家屋を改築し、2年がかりでシェアハウスに作り替えた例あげていて、若者たちが孤独な暮らしを嫌って、これが、原初的なつながりを模索して行き着いた形なのかもしれないとし、若者たちがここで再び新しい人間の暮らしを創造することを期待したいという。

 

 日本の住宅問題は、マンションばかりでなく、昨日のブログとリンクして、日本の中古住宅の活用の遅れにもふれてほしかったね。

 






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Last updated  2018.02.10 17:17:26
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