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Ryu-chan6708

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2018.04.15
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今週の読書欄でたまたま、地方経済に関係する表題のもの、2冊があったのでとりあげよう。

『復興の空間経済学』の副題は、「人口減少時代の地域再生」で、藤田昌久氏、浜口伸明氏、亀山嘉大氏の共著。

 

 もう一つの『福岡市が地方最強の都市になった理由』は木下斉〈著〉のビジネス書

 

 『復興の空間経済学』の導入部には、「津浪後の復興は目覚ましく、たちどころに失われた戸数、人口の満たされてしまう状態にある」という「引用」があるが、「引用元」は1933年に起きた昭和三陸地震の10年後に、地理学者が書いた本の一節という。

 

東日本大震災後に見てきた光景とは、随分違う。

 

本書はこの対照をもたらした要素として、人口の動き――被災地域だけでなく、日本全体の人口の増減や分布の変化に着目。

 

かつての津波被害のときは、日本の人口は増え続けており、豊かな漁場といった資源の希少性は高まる一方で、それゆえ「三陸沿岸部には、復興を自然に成し遂げる条件があった」という。

 

では、日本全体が人口減少に転じたいま、復興のあり方はどのような影響を受けるのか、何に注意すべきなのか。

本書は、「空間経済学」を用いて、その分析を試みている評者の石川尚文氏はいう。

 

A「空間経済学」とは、難しそうだね。

 

「空間経済学」は、都市や産業の集積がどのように生まれるのか、といった「地理的空間における経済学の一般理論を目指す」分野とされ、共著者の一人、藤田昌久氏は、この領域を切り開いてきた第一人者。

 

極めて抽象度の高い理論が、被災地の複雑な現状にどこまで適用できるのか。

ハードルの高いテーマを前に、論の運びがやや錯綜している印象も受ける評者は言う。

 

だが、人や産業を吸引する「集積力」と、反対に流出を招く「分散力」による論点の整理や、人口が増えるときと減るときの都市の盛衰は、単純に逆の過程をたどるわけではないといった指摘は、腑に落ちるところが多く、現状の厳しさを描きつつも、理論的にあり得る復興の糸口を探る視点も貫かれているという。

 

:それに対して『福岡市が地方最強の都市になった理由』のほうは具体的だね。

 

 「地方消滅」の次は「地方創生」が流行語となっているが、その中で福岡市の存在感が急上昇中

 

2016年に政令指定都市の人口で、神戸市を抜いて5位にランクインし、人口増加率では東京をしのいで1位、人口増加数も2位の川崎市に大差をつけて1位。

 

しかも10代、20代の若者人口数が多い……と、記録ラッシュ。

 

A躍進の理由を、著者は「都市経営」というビジネスの視点で読み解く。

 

 福岡の優位性は、学校数が多く、まちのど真ん中に空港があり、有名企業とともに、新規起業家が集積し、市域がコンパクトで職住接近可能……というもので、それらが雇用と人口増につながり、正の循環を描く。

 

 しかし、福岡市は高度成長時代に独自の「常識破り」を行った。

すなわち、行政ではなく民間主導で、工場誘致から早々と撤退し、開発抑制を徹底、といった「打ち手」だ。

 

そこには、水不足で工場誘致も市街地拡大もできなかったという、都市としてのハンディキャップがあった。

 

会社も都市も弱みを乗り越える時に、生き残りの知恵がつく。

 

「お金がない」「時代が悪い」と思うなら、むしろ今こそチャンスを手にしている、と考えるべきなのだ評者のジャーナリスト・清野由美氏はいう。

 

 それにしても東京集中はますます進み、「地方創生」のスローガンはどうなったのかね。

 

 税金を投じているのだから経過報告がほしいね。

   






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Last updated  2018.04.15 17:06:22
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