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私:NYタイムズのコラムニスト・トーマス・フリードマン氏は、2020年米大統領選は、トランプ氏は経済、社会問題、移民を取り上げ、民主党候補は所得格差、民主社会主義、トランプ氏の人格を取り上げるという、2020年版の左右対立米国政治でなく、「母なる自然」という重要な争点が眠っていると確信しているという。
欧州を干上がらせ、カリフォルニア州やカナダで激しい山火事を起こし、スウェーデンでも森林火災を起こし、北極圏の北方でも8月の気温がカ氏86度に達し、日本には観測史上最大の雨と、その2週間後に、東京の北西にある熊谷市に最高気温をもたらし、東部オーストラリアには、記憶に残っている限りで最悪の干ばつをもたらした。
気候変動と関連する今年のあらゆる異常気象がさらに悪化し、損害を増大させるとしたら、2020年の大きな争点が、右と左ではなく、暑いか寒いか、豪雨や干ばつなら、誰がロシア政策や北朝鮮政策で失敗したかではなく、「誰が地球を失ったか」ならどうだろうと、フリードマン氏はいう。
2020年がひどい被害をもたらす干ばつや暴風雨の真っただ中なら、民主党はトランプ氏に対抗できるかもしれない。
それは、トランプ氏は「米国を再び汚染された国に」という環境戦略で、気候変動の脅威を認めるのを拒み、クリーンエネルギー技術で世界をリードすることで米国がより豊かで、健全で、安全で、そしてより尊敬される国になる素晴らしい機会を逃す姿勢だからだ。
トランプ氏は答えを持っておらず、彼は米航空宇宙局(NASA)が報告する気候科学が真実だと思っておらず、風力やソーラー、省エネが、より安価でクリーンかつ健全な代替になっている時に、石炭を取り戻そうとしている。
中国が将来のクリーン電力と電気自動車市場を制しようという姿勢を明確に打ち出したこの時に、である。
また、米国の自動車業界に、ガソリンを大量消費する車を無理やり引き戻そうとしており、日本と韓国がデトロイトを破産させ、米国がベネズエラやロシア、アラブ世界やイランなどの石油独裁者を豊かにさせた1980年代から2000年代にかけて以来のことで、トランプ氏は、嵐の直前に傘を投げ捨てようとしている大統領であると、フリードマン氏は厳しく指摘する。
A氏:「グリーン」政策は、弱々しくて、採算が合わず、愛国心に欠け、なんとなくフランス的だ、とトランプ氏はあざ笑うだろうが、民主党は「グリーン」は地球規模では重要戦略で、地元に利益をもたらし、労働者階級のためになり、「グリーン」こそ新しい赤、白、青、つまり愛国心を表すと、容易に反撃できると、フリードマン氏はいう。
こうしたメッセージは、ミシガン州やオハイオ州のような工業地帯の激戦州ですぐに役立ち、クリーンエネルギー産業に関する最新の調査では、米国中西部の12の州で71万4257人が、再生可能エネルギー発電や「クリーン」な送電、エネルギーの効率化、「クリーン」な燃料、先進的な輸送に関する仕事に就いていることが明らかになり、オハイオ州だけでも、石炭・石油・ガス業界で働く人が3万8千人なのに対して、「グリーン」産業で働く人は約10万8千人。
民主党のメッセージは簡単な計算から始めることもできる。
現在地球上には76億人が暮らし、2030年には86億人になり、わずか10年間で新たに10億人が増え、たとえその半数でも、現在の米国人のように車を手に入れ、エアコンを所有し、高タンパクの食事をすれば、我々は、地球を食べ尽くし、燃やし尽くしてしまい、クリーンエネルギーやエネルギー効率化が次の大きなグローバル産業になるほかない。
私:2020年の大統領選挙には、民主党の戦略は次の「4つのゼロ」を軸に構築すべきだという。
1.電力網の脱炭素化。そして排ガスゼロの車。 2.これを組み合わせれば、輸送の脱炭素化の実現。 3.エネルギー収支ゼロの建物。断熱性に優れ、ソーラーパネルを取り付ける。 4.廃棄物ゼロの製造業。
これこそが、民主党が最も必要とする、労働者階級と米国の安全保障の強化を可能にするという。
フリードマン氏は、「トランプ氏とこの構想を戦わせよう。2020年に向けて『母なる自然』が破滅的な道を進み続ければ、強い女性についてのトランプ氏のお気に入りのセリフ『あの女を投獄せよ』は、馬鹿げて見えるだろう」という。
ここでいう「母なる自然」は、ブログ「『人新世』 地質に痕跡、後戻りできぬ人類」でふれた「人新世」への人類としての一つの対応を意味するね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.08.26 17:16:39
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