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私:今月の「池上彰の新聞ななめ読み」は、自民党の総裁選挙で安倍首相が連続3選を果たしたことに関連して、1面には各紙の政治部長が論評している記事を池上氏は比較して論じている。
日経は、
〈自民党総裁選に勝利した安倍晋三首相は、2021年9月まで向こう3年間の任期を手にした。任期いっぱい務めれば憲政史上最長の桂太郎をも超える。これより長い為政者は、黒船が来襲した徳川12代将軍にまで遡らなければならない〉
池上氏は、「黒船来航」ではなく、「黒船来襲」という、なんでこんなすごい表現になるかと言えば、次の文章の伏線だからという。
〈いま日本を取り巻く環境は黒船以来といってもよい状況にある。貿易戦争の言葉が飛び交い、世界では力による政治、ポピュリズムが横行する。この3年間は日本の針路が決まる期間となる〉
池上氏は、ずいぶんと力が入っているといい、でも、「この3年間は日本の針路が決まる期間」と言われても、どの首相のときも「日本の針路」を決めてきたのではないでしょうかという。
毎日は、
〈安倍晋三首相にとって苦い勝利に違いない。総裁3選を決めた顔に笑みはなかった〉 〈昨年の衆院選で安倍自民が圧勝した時にくすぶっていた「信頼できない」「地方を向いていない」という「安倍1強」への地方の不満はさらに大きな声になり、党員票での石破茂元幹事長の善戦につながったのだろう〉
朝日は、
〈問われたのは、「1強」がもたらした政権のゆるみとおごりだった。しかし、歴代最長の通算在任期間をうかがうのにふさわしい信頼を、安倍晋三首相が勝ち得たようには見えない〉
池上氏は、朝日は毎日と同じように厳しい論調だという。
A氏:問題は安倍よりの読売の記事だ。
ところが、池上氏は、意外だったのが読売で、こちらも安倍首相に厳しい注文。
安倍首相の「敵」として、「長期政権の惰性、おごり、飽き」を指摘。
〈政策より政治手法が焦点となり、国会議員票ほどには党員票で差がつかず、読売新聞の調査で「安倍1強は好ましくない」と答えた党員は59%にのぼった〉
安倍首相への注文として、やはり長期政権のドイツのメルケル首相と比較している点が読ませると池上氏は指摘する。
〈昨年の衆院選で自民党は政権基盤を強めたものの、比例選での得票率は33%だった。同時期の比例選主体のドイツ総選挙では、安倍氏以上に政権の長いメルケル首相の与党が得票率33%で「求心力低下」と言われた。同じ「3割政党」の評価を分けたのは、得票率以上に多数の議席を得やすい衆院の小選挙区制と、日本の野党の「多弱」ぶりだ。圧倒的な議席は「国民の支持」の実態よりも大きいと自覚せずに「選挙に勝ったからいいじゃないか」となってしまうと、独善的な政治に陥る〉
この読売の記事に池上氏は「愛すればこその諫言でしょうか。説得力があります」と高く評価している。
私:確かに、日経、毎日、朝日に比較すると、本来、安倍首相よりの読売の記事が具体的で、一番厳しい記事だね。
まさに「愛すればこその諫言」だね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.09.28 20:03:00
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