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カテゴリ:映画
蠍座の企画「稀代の名優・三國連太郎第二期」に取り上げられた4作のうちの2本を観てきた。
「越後つついし親不知」は1964年、「夜の鼓」は1958年の、どちらも今井正監督作品。 水上勉の小説はその救いのない暗さが好きでよく読んだ。「越後つついし~」も不条理きわまりないお話。レイプされた妻(佐久間良子)のお腹の中の子どもが自分の子どもではないと悟ったまじめで実直な夫(小沢昭一)が妻を殺してしまい、同僚でレイプ犯の男(三國連太郎)を道連れに死んでしまう。 日本映画では、ディスコミュニケーションが生む不幸というか、言葉による説明が足りないばかりに不幸な事件が起こる設定によく遭遇する。この映画でも、自分が悪いわけではないのだからきちんと説明すればいいのに、というもどかしさを感じるが雄弁よりも沈黙、饒舌よりも寡黙を尊ぶ日本の文化はこの映画から半世紀近くたったいまもあまり変わっていない。 三國連太郎は悪役ぶりは見事の一語。憎々しさ、狡さ、品性の下劣さを感じさせる演技は余人の追随をゆるさない。 この映画のころ20代前半と思われる佐久間良子の美しさに魅了された。吉永小百合など足元にも及ばないと思ったが、このころまでの佐久間良子が出演した映画をコレクションしたいものだ。 「夜の鼓」では三國連太郎は妻を寝取られた武士役。「越後つついし親不知」より6年前の映画だけに若く、驚くほどの美男子ぶりに最初は三國本人とは気づかなかったほど。映画自体は、証言を回想シーン仕立てにしている手法が謎解きのおもしろさを感じさせ、事実と真実がなかなかわからないようにしてあり引き込まれる作りになっている。脚本家ふたり(橋本忍と新藤兼人)の力量に感心。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
December 4, 2011 02:07:25 PM
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