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投資の余白に。。。

投資の余白に。。。

January 21, 2013
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カテゴリ:映画
札幌で1年に上映される映画は外国映画と日本映画がそれぞれ300本くらいらしい。蠍座の田中支配人は外国映画に関してはその3分の1くらい観ているという。

その田中支配人が2012年に観た外国映画の中でのベスト10として挙げている映画の一つが2012年のイギリス・オーストラリア合作の「オレンジと太陽」。19世紀から1970年代まで行われていたイギリスの国家的犯罪を暴いた夫婦の活躍を描いたもの。

その国家的犯罪とは、親と暮らせない事情の子どもを教会などと連携してオーストラリアに移住させた「強制移民」というべきもの。13万人以上の子どもが労働力として送られたという。移住先の「孤児院」では搾取と虐待がひどく、しかもその蛮行には教会や慈善団体までは深く関わっていたというのだから驚くし呆れる。夫妻の精力的な行動によって全貌が明らかになり、2010年にイギリス政府が公式に謝罪したことは世界的なニュースになったらしい。

国家悪・社会悪を暴きながらも、全体のタッチは温かく、押しつけがましさが皆無のなかなか優れた映画になっている。ジム・ローチ監督はケン・ローチの息子だというが、社会派の血は遺伝するのかもしれない。

エミリー・ワトソン演じる社会福祉士の女性が、ふとしたことからこの問題の存在に気づき、行動を起こしていく。さまざま軋轢や個人的葛藤も生む。とりわけ優れていると思ったのは脚本で、この女性の「強い正義感に裏打ちされているが寛容な知性」を強く感じさせるものになっている。

たとえば、教会関係者の集まりで批判されるシーンでは、彼女は「あなたたちに謝罪と反省の機会を与えてあげたいと思っているのです」と傲然と言い放つ。その場の人間はぐうの音も出ない。糾弾や弾劾ではなく、加害者の魂の救済が視野に入っているからこそ出る言葉だ。これこそ、われわれが学ぶべき西洋的な知性の最良のあり方なのではないだろうか。

ともあれ、「民主主義国」の手本であるようなイギリスでさえ、国家は国民のためになど存在していなかったという「歴史的事実」は肝に銘じておくべきだろう。






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最終更新日  January 29, 2013 01:03:42 AM
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