【本】「稲荷信仰の世界 稲荷祭と神仏習合」大森惠子 慶友社
【2020年12月5日(土)】 11月に1週間、大腸内視鏡手術で入院したときに読んだ1冊です。「伏見稲荷大社とその周辺の不思議研究」の研究員研究のバックグラウンド知識補強のために読みました。高価な本なので図書館で借りました。稲荷信仰の世界 稲荷祭と神仏習合 大森惠子著 慶友社 2011年 A5版 223ページ 定価5,700円+税 第一編では稲荷信仰の形態を神道的、仏教的、民俗的の三種に大別し、それらの歴史、特徴、行事などについて考察。また荼吉尼天像の形態、於岩稲荷、狐をめぐる俗信、狐伝承と古典芸能との関わりなどにも言及しています。。第二編は伏見稲荷の諸行事とその歴史をとりあげています。●目次序にかえて【第一編 稲荷信仰の諸相】はじめに第一章 現代社会における稲荷社の祭祀形態 1 神道的稲荷信仰 2 仏教的稲荷信仰 3 民俗的稲荷信仰第二章 伏見稲荷の荼吉尼天信仰 1 伏見稲荷本願所と荼吉尼天信仰 2 絵画史料から見る仏教的稲荷信仰第三章 五穀豊穣祈願に関わる伏見稲荷大社の宗教行事 1 大山祭 2 奉社祭 3 初午祭 4 水口播種祭・田植祭・抜穂祭 5 火焚祭 6 新嘗祭 7 注連縄張り神事第四章 生業守護と屋敷神稲荷 1 寺鎮守の福徳稲荷社と雌雄狐の霊 2 芝居小屋の屋敷神稲荷と大部屋の稲荷町 3 武家の田宮家の屋敷神稲荷と於岩稲荷 4 刀鍛冶小鍛冶宗近の屋敷神稲荷と能「小鍛冶」の演出第五章 民間における初午行事とその習俗 1 古の初午行事と神迎え・山遊び 2 民俗行事から見た初午の習俗第六章 僧侶変化型狐伝承を付随する白蔵主稲荷社と狂言「釣狐」の演出 1 変化型狐伝承と古典芸能 2 白蔵主稲荷社の祭祀由来 3 狂言「釣狐」の狐変化の演出 4 揚げ鼠と仏教的稲荷信仰の供物第七章 狐と御霊 1 狐に対する宗教観念 2 狐落しの修法 おわりに【第二編 伏見稲荷大社の稲荷祭の諸行事とその歴史的変遷過程】はじめに第一章 稲荷祭の神幸祭とその諸行事 1 稲荷祭の前に行われる菜花祭と忌刺の行事 2 稲荷祭の神幸祭 3 近世後期における稲荷祭りの山鉾第二章 稲荷祭のお旅所における神事と諸行事 1 お旅所の飾り付けと神事 2 お旅所での湯立 3 氏子のお旅所参詣と稲荷五社神輿の氏子巡行第三章 稲荷祭の還幸祭にともなう諸行事 1 伏見稲荷大社の還幸祭本殿神事 2 お旅所出発 3 神供(中門の供御の儀) 4 史料上における稲荷祭りの還幸祭 5 還幸祭の順路 6 還幸祭における伏見稲荷大社の本殿祭第四章 稲荷祭りにみられる東寺と伏見稲荷の関わり 1 伏見稲荷と弘法大師伝承 2 稲荷山修験と伏見稲荷本願所の愛染寺おわりに参考文献一覧あとがき 大森恵子氏は稲荷信仰研究大家のお一人です。平易な文章で分かりやすく、特に第一編は稲荷信仰を概観するのに役に立ちました。大森氏は明徳高校(私の家から車で10分程度)で教鞭をとっておられたようです。あとがきにで明徳高校の図書館の蔵書が非常に充実していることを知りました。この本は古本では3,500円程度のようですので、場合によっては買ってもいいかなと思います。よろしかったらぽちっとお願いします。にほんブログ村