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カテゴリ:読書
東野圭吾
小学生のころシャーロック・ホームズが好きだった。たぶんシリーズ物を意識的に読んだのはそれが初めてだったと思う。 でもその後は推理小説や探偵小説はあまり読まなくなった。妙に手の込んだ犯罪とか、絶対あり得ないようなダイイング・メッセージとか、たぶんお約束事なのだろうけど、どうもついていけないことが多い。 というわけで、本書もやや苦手な部類ではある。 ところが、東野圭吾は謎解きの主人公である湯川にこう言わせている。 「僕の知りあいに推理小説嫌いがいる」「・・・警察を騙そうと、殺人方法に様々な工夫を凝らす。しかし死体を隠すことにはまったく頭を使わない・・・」私はこのセリフに思わずニヤリとしてしまい、苦手なはずの推理小説に快くつきあうことにした。 推理小説としての出来云々についてはよくわからない。でも、この探偵ガリレオシリーズは天才物理学者、湯川が心霊現象を解明するというところがおもしろい。 このシリーズは月9ドラマになるらしい。どちらかというと心霊現象を無責任に取り上げて、善良な庶民を思考停止させることの多いテレビというメディアが、探偵ガリレオをどのように描くのか興味深い。 そう言えばシャーロック・ホームズを書いたコナン・ドイルはしだいに神秘主義に傾倒していったと言われる。ホームズの合理主義が好きだった私が推理小説に興味を失ったのは、そんなことを知ったせいでもある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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