テーマ:ミステリはお好き?(1432)
カテゴリ:日本ミステリ
明治四十四年初夏、東京。
地蔵の上に生首が載ったとき、狐の顔の怪人が出現する…。 怪談として広まった「首切り地蔵の呪い」は、首無し死体が発見されるに及んで、陰惨な殺人事件に姿を変える。 それでも、偶然この怪事件に遭遇した青年作家・鳥部には、「これは呪いではないのか」という思いが消えない。 なぜなら彼も、生首と闇に浮かぶ白い狐の顔を見てしまったから―。 信じたくないものを、見てしまったから―。 光文社の企画「カッパ・ワン登竜門」第二期の作品です。 作者は福岡出身の方らしいです。 最近読んだ「首断ち六地蔵」に続いて、また首なし地蔵が出てくる話です。 首なし特集という物を組むならば、これで二つは確実です。 この作品は時代の雰囲気が良く出ていると薦められたのですが、その通りでした。 ストーリーはかなり淡々と進んでいきます。 冒頭の怪談がその後どうつながっていくのかわからないし、なかなか事件らしい事件も起こらないし、やっぱりこれは明治末期の雰囲気を味わうべき物語で、それ以上のことは期待しない方がいいのかと思っていたら…… とんでもないトリックが一つ待っていました。いえ、トリックというのは正確ではないですね。 ある呪いの正体が解明されるわけですが、それが想像すると怖いんだけど笑ってしまいそうなもの。 かなりシュールな情景が頭に浮かびました。 デカダンな雰囲気の若者たち、人力車の走る廓街、ガス燈に照らされた坂道 明治、大正あたりの時代を描いた作品が好きな人なら楽しめます。 首切り坂 : 相原大輔 楽天では売り切れです。 首切り坂 : 相原大輔 こちらは楽天フリマ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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こんばんは!
確かに凄いトリックですよねw 明治から大正への過渡期と言う時期を巧く描いていますし、好きなタイプの作品です。 既に続編「キルケーの毒草」が出ているのですが、3作4作と期待したいです♪ TBさせて頂きますね! (2006年10月14日 00時42分43秒)
みっつ君さん、こんばんは!
TB有難うございます♪ >確かに凄いトリックですよねw ちゃんと伏線もあったんですね。怪奇な部分に気をとられて見逃しましたw >明治から大正への過渡期と言う時期を巧く描いていますし、好きなタイプの作品です。 私もちょっとレトロな時代が描かれた作品が好きなので、雰囲気を堪能することができました。 >既に続編「キルケーの毒草」が出ているのですが、3作4作と期待したいです♪ 「キルケーの毒草」では、時代は大正に進んでいるらしいですね。しかも洋館がでてくるとか。雰囲気はかなり違うようですが、それも楽しみです。 (2006年10月14日 20時58分15秒) |
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