テーマ:ミステリはお好き?(1432)
カテゴリ:日本ミステリ
永井するみさんの作品を読むのは初めて。ぐいぐい読ませる作家さんでした。 私の犯人予想は見事はずれましたが、犯人探しのポイントもなかなか鋭く、納得できるものでした。 ほとんど縁のないジュニアブランドのことや、ファッション業界について書かれているところも 、普段知らない事ばかりなので興味深かったですね。 プリムローズ殺人事件―殺害された少女たちが身にまとっていたのは、ローティーンに絶大な人気を誇るジュニアブランド、プリムローズの服だった。 清純で高級感のあるデザインは、プリムローズを身につけた少女の写真を売買する男たちをも生み出す。 亡くなった少女たちに果たして何が? ブランドを守ろうとするゼネラルマネージャー、女性刑事、そして少女の母親、事件に揺り動かされる女たちを描く、著者渾身の長編ミステリ。 素材は大人同様に高級素材を使いながら、デザインは10代のかわいい女の子向けに仕上げた「プリムローズ」というジュニア・ブランド。 襟や袖口にファーをあしらったカシミヤのニットは3万円を下らないというんですから、何を考えているのじゃ、と思います。 それでも、少子化で子供一人当たりにかけるお金も増えつつある現代では、こういうことがあってもおかしくはない。(たぶん) 憧れの服を手にいれるためには必死で努力したり、手段を選ばない少女たち。 父親に内緒で、娘の願いをかなえようと目の色を変える母親。 一人娘を亡くしても、服を買い続ける母親。 「プリムローズ」に関わる女性たちが、微妙な心の揺れまで描かれています。 中でも、幼い頃のトラウマを抱えた女刑事・理恵と、「プリムローズ」を育て上げ、ブランドイメージを守ろうと必死で戦うゼネラルマネージャー・晶子、この二人の視点から、事件の核心がだんだん見えてきます。 プリムローズというブランドに執着する者たちの思いが交錯する物語。 子供のころからの夢を実現させるべく頑張って築き上げたブランドイメージが、殺人事件によって崩れていき、才能あるデザイナーとの温度差も感じてしまう晶子。 ひたむきな晶子の頑張りが、いつか報われればいいと思いながら読んでいました。 さくら草 : 永井するみ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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少女の洋服をめぐって、切なくなるような物語ですね。
読ませていただくと、「プリムローズ」はあるブランドを彷彿とさせます。このごろは沈静化してきましたが、ひところはジュニアブランドのブームがかなりの熱さでしたものね。 そのために、お金が欲しくて事件に巻き込まれた少女たちも本当にいたし。 昨日の「少女には向かない職業」にしてもこちらにしても、少女が大人になるまではつり橋を渡るような危うい道のりなのだと思わされます。 母親としても胸がいたくなりますが、わが身を振り返っても、よくぞ<まともな>大人になったものです! (2006年10月10日 10時13分59秒)
あむあむ108さん、こんにちは!
>少女の洋服をめぐって、切なくなるような物語ですね。 洋服だからといってあなどれませんね。一度踏みこんだら、抜け出せなくなる魔力があるのもわかります。 >読ませていただくと、「プリムローズ」はあるブランドを彷彿とさせます。このごろは沈静化してきましたが、ひところはジュニアブランドのブームがかなりの熱さでしたものね。 >そのために、お金が欲しくて事件に巻き込まれた少女たちも本当にいたし。 うわー、まったく知りませんでした。娘も私もブティックより書店が楽しい方なので……。ブランド物には無知ですが、おしゃれは好きです。質がいいこともわかるので、プレゼントされたら嬉しいです(笑) >昨日の「少女には向かない職業」にしてもこちらにしても、少女が大人になるまではつり橋を渡るような危うい道のりなのだと思わされます。 本当にそうですね。手がかからなくなったから安心、ではないんですよね。これからが肝心。 >母親としても胸がいたくなりますが、わが身を振り返っても、よくぞ<まともな>大人になったものです! 太陽のようなあむあむさんがまぶしいです。(*..)私も一応大人にはなりましたが、子供にとっては反面教師のまま。相変わらずつらいことから逃げてばかりの卑怯者であります。 (2006年10月10日 17時11分50秒)
こんにちは。
娘がもう少し大きくなったら、すごく「近さ」を感じそうな作品です。 日本人のブランド好きは子供にまで普通に波及していて、デパートの子供服売り場を見るとなんだかため息まで出ます。 バカみたいな値段だけど、決して買えないほどの値段じゃない。 その辺の絶妙なバランスに、親も子も翻弄されるんでしょうね。 でも確かに子供服は難しい。 安価な服は、なぜかデザイン的に過剰すぎて「うっ……」てなものが多い。 ブランド物は、全身同ブランドでまとめないと、バランスがとれない。 安くてシンプルで着まわしのきく普通の服が欲しいです。 (2006年10月15日 16時03分39秒)
ときあさぎさん、こんばんは!
>娘がもう少し大きくなったら、すごく「近さ」を感じそうな作品です。 最近は友達のような親娘が増えているらしいので、ファッションに関しても早くから一緒に盛り上がる事もあるでしょうね。 >日本人のブランド好きは子供にまで普通に波及していて、デパートの子供服売り場を見るとなんだかため息まで出ます。 >バカみたいな値段だけど、決して買えないほどの値段じゃない。 >その辺の絶妙なバランスに、親も子も翻弄されるんでしょうね。 かわいいわが子にはいいものを着せたいという気持ちがある限り、翻弄されるんでしょうね。 >でも確かに子供服は難しい。 >安価な服は、なぜかデザイン的に過剰すぎて「うっ……」てなものが多い。 >ブランド物は、全身同ブランドでまとめないと、バランスがとれない。 >安くてシンプルで着まわしのきく普通の服が欲しいです。 親の要求を満たしてくれる理想的な服は、なかなかないですね。せっか探し当ててもすぐ小さくなってしまうし、自分で作れたら良いのに、といつも思っていました。 (2006年10月15日 20時55分43秒) |
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