カテゴリ:ミステリ関連
◎『モロッコ水晶の謎』、『乱鴉の島』、『妃は船を沈める』のころから作風が変わったのでは?(たとえば幻想小説的とか) そういう意識はない。幻想的な要素は最初からあった。 『絶叫城殺人事件』を書いた時、メスメディアに厳しいので、何かあったのかと言われたこともある。 それまでの作品の延長上にあるものだと思うし、特にここらへんが曲がり角だとも思っていない。 ◎新シリーズを始められた心境は? もととなる着想は7~8個あった。 『闇の喇叭』は、 まず、タイトルが決まった。闇の中で光る金管楽器のイメージと、不穏な、そそのかすような喇叭の音。 2番目に、探偵が禁止された世界にすること。 探偵は、その姿や性格は違うけれど、やることはみんな一緒。まったく違う状況にしたかった。 次に、主人公を自分と同世代にすると書きやすいからといって、初老の男を持ってくると、当たり前すぎる。 そこで、うんと遠くに飛ばして、10代の女性にしようと思った。しかし、考えてみれば、もしも自分に子どもがいたら、それくらいの年代かもしれないので、遠くて近い設定だともいえる。 アメリカン・ニューシネマが好きだった。 たとえば、「バニシング・ポイント」や、「カッコーの巣の上で」。 主人公が勝てない物にも向かっていく、反逆する、そんな小説を書きたいと思った。 ひねくれたミステリ。 犯人がトリックをしかけても、空想力のない警察には解けない。立ち向かえるのは、自由な発想を持った探偵だけ。 『ミレニアム』という小説にはミステリの全てのジャンルが入っていた。 スケールの大きな話を書いてみたかった。これはチャンスかもしれない、冒険をしたいと思った。 これは特殊状況小説ではない。今の日本にも通じるものがある。 大河小説にしたいが、余り長い時間をかけるつもりはない。 ◎空閑純はどうなっていくのか。 第1作の舞台は、福島県浜通り 第2作『真夜中の探偵』は大阪。 そして、来年の春に出す予定の第3作 『論理爆弾』は博多を経由した山の中。 ここでやっと「八墓村」を書くことができた。 ◎ブログやツイッターは始めないのか? 基本的に人づきあいが好きじゃないし、やったらやったで面白くしようと頑張ってしまいそうだから、やるつもりはない。 ◎作家アリスシリーズ完結編の構想はあるのか? 火村シリーズは終わらない。 ただ、最後にふさわしい、これだ!という事件を思いついたら書くかもしれない。今のところ予定はないが。 サザエさん方式で、年をとらない永遠の34歳だから、常に現在を描くことができる。 その代わり、何年生まれかもわからず、少年時代も書けない。 けれども、来月発売の文芸春秋社『オールスイリ』に、火村が大学生の頃の話を書いた。 時代をぼかして書いたが、苦労した。 学生アリスは確かに終わる。いつまでも学生だというのは気持ちが悪いから。 その3へ続く ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年11月09日 23時33分20秒
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