テーマ:ミステリはお好き?(1450)
カテゴリ:ミステリ関連
休憩をはさんで、ここからは会場からの質問と答え。 ◎本格ミステリとミステリの違いは? 江戸川乱歩の定義を基準にしている。 本格ミステリのエッセンスとは、謎が解けること。 非本格ミステリは、謎が解けることにこだわっていない。 ハードボイルドも、広い意味ではミステリだが、謎解きではなく、秘密を暴くものだ。 最後にあっと驚かせるというのも、本格とは違う。 「人が死ななくてもいいのに」と言われることがあるが、真実を知っているのは被害者だけで、被害者が死んでいるから、探偵が活躍する。 死んだ人の声を聞くことができるのは、幽霊か探偵しかいない。だから、探偵が解き明かす。 日常のミステリだったら、たとえば「喫茶店で塩を入れるのはなぜか」って、生きているんだから本人に「聞けよ!」と思ってしまう(笑) ◎江神シリーズの今後について教えてほしい。 あと一つ短編を書けば、第一短編集が出せる。 来年の……暑い時期に出せれば…。 第五長編が出せるのは、何年後かわからない。 最後なので、終わってしまうのが寂しい。 その前に第二短編集を出すつもり。まだまだ足りないので、ある時期になると、短編ばかり書いているかもしれない。 ◎作品がメディアミックスされていることについてどう思われるか? Vシネマ、ドラマCD、漫画があるが、他の方の手が加わることで、私のものから離れて、他人ごとみたいな感覚になる。 ◎「安楽椅子探偵」シリーズについて 次の予定は決まっていない。スケジュールが合わないけれど、やる気はある。 ◎火村先生愛飲のキャメルが、日本で製造中止になったが、火村先生はどうするつもりか? そこまで心配していただくとは。 舘ひろしと並んで禁煙外来にでも行っているのでは?(笑) キャメル自体がなくなるわけではないので、外国たばこを売っている店で買うことができる。 JTにエッセイを書いているが、「キャメルがなくなると困ることがある」と書いたら、後日JTから丁寧なメールが届いた。 「キャメルの代わりにこの銘柄はいかがでしょう。」と書いてあった。ちょっと意味が違う。自分が吸うわけじゃないから。 日本のたばこはなくなってしまうことがあるし、キャメルは不滅だと思って決めたのに、こんなことに。ベンツも合併したし、火村が関わると危ないかもしれない。 ◎ミステリ以外で小説として読者に伝えたいものはあるか。どのように受け取られているか、反応を知ることはできるか。 基本的にはミステリを書きたい。ミステリにすると、小説が弱くなってしまうとしても。 小説は読者のもの。 新作でも、伝えたいものはある。 それが伝わっているかどうか、期待していいかどうかは、わからない。インターネットで検索もしない。 自分があまり面白くないと感じた作品を、面白いと感じる人もいる。 作品は読者がつくりあげるもの。 ◎古野まほろ……(よく聞き取れませんでした。) 古野まほろさんの作品を読むと、ミステリを書きたいという意欲がわく。 彼が、「貴族と軍人を出したいがために、戦前の時代を持ってきた。」と書いているのを見て、やはり、と思った。 自分はちょっと違う。 (ここらへん、ちょっと記憶が飛んでいます。) 古野まほろさんの作品は警察を容認しているが、空閑純のシリーズでは、反発している。 古野さんとは接点があり、互いのものを読んで、ほどよい刺激となっている。 ◎論理的ミステリを書く上で、心がけていることはあるか。 基本は、作家が常識を持っておくということ。ブレのないように。 <終わり> かいつまんでと言いながら、長くなりました。 興味深いことをたくさん聞くことができた、楽しい講演会でした。 ところが、メモした自分の字が読めなかったり、記憶があやしかったり、文章力がなかったりで、有栖川先生の仰ったことを正しく伝えられているとは言えませんので、どうかご了承ください。 講演会のあと、サイン会がありました。 あれこれ言おうと思っていたのですが、順番が来ると、全部吹っ飛びました。 私の前の二人くらいは、握手をしていなかったけれど、私はどうしても握手をしてもらいたかったのです。 だから、つい「握手していただけますか?」とも言わずに、ただ手を差し出し、笑われてしまいました。 けれども、なごやかな笑いだったので救われました。 最後に、「ずっと、応援しています。」とだけは言うことができたので、悔いはありません(笑) 『真夜中の探偵』にサインをいただきました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年11月10日 23時39分37秒
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