「animal」「fruit」は数えられる、数えられない?
Day 26:今日はサミト君の学習はお休みして、先日寄せられた質問にお答えします。その前にまず、私がこのブログで「英語脳」を作るために提唱しているメッソドは、日本の学校英語教育の中ではほとんど取り扱われていません。今回の名詞の判断基準に関しても、私と同じようなメッソドを提唱している先生は私の知る限りではまだそんなに多くはいません。著名な先生たちの文法書では、従来通り名詞を「普通」「物質」「固有」「抽象」などと分類しています。私が提唱するメッソドで考えると、かえって混乱する。または、従来通りの考え方のほうがわかりやすいという学習者のかたは、従来通りの考え方でいいと思います。学習メソッドはいろいろあります。自分にとって一番わかりやすいメソッドがその人にとってベストな学習方法なのです。なお、私の参考文献はいくつかありますが、メインで使用している文献は:THE CAMBRIGE GRAMMAR of the ENGLISH LANGUAGE (CGEL)です。質問:前回Day25のfurnitureの説明でいくと、animalも同様に10人全員が同じ動物を思い浮かべることはないのでanimalも不可算?と言いたくなるのですが、animalは実際可算名詞ですよね? furnitureと同じように総称している性質を持っているのになぜ違いが生じるのでしょうか? fruitも同様です。答え:厳密に言うと、英語では animal は furniture と同じ総称する名詞のグループには属しません。そして、animal はたいていの場合、可算名詞ですが、不可算名詞もあります。もともと、animal は総称ではなく、人間と区別した動物(二足の人間に対して、四足の獣)という意味なのです。確かに、animal を頭の中で描くと10人が10人同じ動物を描くことはないと思いますが、このもともとの意味から考えると、たいていの人は四足の動物を描くと思います。つまり二足の人間に対して四足の獣を描くという点では皆が一致すると思います。実際に、an animal (動物)を頭の中で描いてみましょう。どうでしょうか、おそらく四足の動物を描いていませんか?このように an animal は furniture とは異なるのです。もちろん、今では、animal の意味も広く四足だけの動物ではありませんが、もともとの発想はこういう意味だったのです。次に、fruit ですが、これも厳密に言うと、furniture と同じ総称する名詞のグループには属しません。確かに、日本語で考えるとよく似ていますよね。でも英語では、furniture (家具)は種類として用いることはできませんが、fruit (果物)は種類として用いることができます。つまり、furniture は不可算名詞ですが、fruit は可算、不可算どちらも持ち合わせているのです。この違いの理由を解説すると相当時間とページ数を要するので、簡単に説明します。CGELでは、furniture のグループは heterogeneous (異種の)、fruit のようなグループを homogeneous (同種の)と区別しています。どういうことかというと、furniture の種類、例えば、「机」で説明すると、「机」はいろいろなパーツ(木の板、金属の取手など)から成り立っていますよね。このように色々なものから成り立っているものを分解する、またはばらばらにすると、もう机として成り立たないのです。それに対して、fruit のグループは、1つのものから成り立っているので、ばらばらにしてもそのもの(フルーツ)として成り立つのです。例えば、「みかん」で説明すると、ちょっと乱暴な説明ですが、「みかん」は「みかん」なのです。みかんの皮を剥いてばらばらにしても食べれば「みかん」ですよね。このような理由でこの2つは異なるグループなのです。しかし、普通に英語学習をする分には、ここまで細かく考える必要はないと思います。furniture のような不可算名詞しか持たない名詞のグループは特別なグループだから出てきた都度、特別なグループとして覚えていけばよいのです。以下にこのグループの名詞を挙げておきます。多くはないので覚えてしまった方がよいでしょう。baggage, bed linen, clothing, cutlery, equipment, footwear, furniture, jewelry, luggage, machinery, hardware, software, tableware, underwear fruit は、可算名詞にもなれば、不可算名詞にもなると前述しましたが、実際に英文で見てみましょう:Generally, I don’t like fruit, but there are some fruits I like.(一般的に果物は好きではありませんが、いくつか好きな(種類の)果物もあります)最初の fruit は総称的な意味で集合的に果物という意味で用いています(これは furniture とよく似ていますね)。後半の fruits は具体的な種類の果物を表わしています(この点は furniture と異なります)。話し手(私)の頭の中では最初の fruit は漠然とした果物で具体的な形が描けていないのです。しかし、後半の fruits は頭の中で具体的な種類(りんご、バナナ、みかんなど)を描いているのです。このように fruit は話し手の頭の中で具体的な形が描ければ可算に、描けなければ不可算名詞になるのです。以前にもこのブログで言及したと思いますが、一部の数少ない名詞(例えばfurnitureなど)を除けば、ほとんどの名詞は可算名詞と不可算名詞を持っています。したがって、普通名詞は可算、抽象名詞は不可算と考えるのではなく、名詞を頭のフィルターに通したとき、具体的なイメージが描ければ、可算、描けなければ、不可算と考えるのが私の提唱する「英語脳」を作るメッソドなのです。ではまた、See you next time.皆さんの学習のお役に立ったでしょうか?よろしければクリックして下さいませ⇒人気blogランキングに皆さんの優しいご協力をお願いします<(^^)