4/1 哀愁漂う読書日記
4/1(日)おはようございます。いい天気。花見は来週の土日が最高でしょうか。今日はゆっくり家で過ごします。みなさんも英気を養って明日からの新年度の備えましょう。良い1日でありますように。真保裕一『ブルー・ゴールド』朝日新聞出版。大手総合商社葵物産に勤める薮内之宏は、ゴールド・コンサルタントへの出向を命じられた。部長の三並により行われたジャカルタ支店で起こった不正行為のせいと思われた。ところが、環境事業グループ局長かつ執行役員の田伏は、薮内にこの出向は特例の人事であると明かした。それは、かつて田伏のライバルと目された伊比が代表を務めるゴールド・コンサルタントの本当の姿を知るために、薮内に白羽の矢を立てたのだった。社命を受け、出向したゴールド・コンサルタントは、社員の大部分が幽霊社員で、社長の伊比の他、オタクらしき犬塚と厚化粧で年齢不詳の女性・籾山百合子の3名しかいなかった。伊比は薮内が田伏によって出向させられてきたことは承知していたが、薮内に仕事を教えていった。最初に薮内が連れて行かれたのは、マイクロSDカードの密売現場で、入手したカードには水質汚染のデータが入っていた。その汚染の原因となっている早坂酒造に伊比は乗り込み、汚染された水を使っての酒の事実を突き付け、廃業とその用地買収を迫った。伊比は交通の便の良い南駒野町に工場誘致を行うべく、早坂酒造の用地買収に動いたのだった。だが、名水の町・南駒野町では水資源の占有を目的とする地下水保全協議会が設置されており、水の使用を認めようしなかった。伊比は早坂酒造の水質汚染を公表しない事を約束して、協議会の合意を取りつけた。ところが、早坂酒造の水質汚染がマスコミにすっぱ抜かれてしまった。情報源はNPO法人である日本水の会だったが、伊比の追及にもかかわらず、情報の入手元を明らかにすることはなかった。伊比はこの情報元であるワールド・ウォーター・ウォッチ日本支部に出向いたが、既に国税局の捜査が行われた後で、日本支部代表であるピエールも姿を消していた。手掛かりが無くなりつつある中、マスコミと日本水の会の接点として、大手広告代理店栄広の藤壮一の名前が浮かんできた。薮内がその周辺を探っていくうちに、五堂商事の米良佳美と出会うことになった。回のマスコミへの流出事件の裏には、五堂商事とその合弁会社であるジャパン・アクア・カンパニーが絡んでいると睨んだ伊比だったが、なかなか真相は見えてこなかった。薮内は調査を続けていくが、米良佳美もまた、この事件の真相を明らかにするべく独自に調査をしているようだった。やがて薮内は、南駒野町の隣町・川野町で過去何度か俎上にあがった大規模ゴミ焼却場が関係していることを知った。データを流出させたのが、県庁から南駒野町に出向中に真木野俊司ということがわかってくる中で、薮内は南駒野町の古沢副町長の信用を回復させ、その協力を得られることとなった。一方、米良の行動は真木野の通報により五堂商事上層部の知るところとなり、米良は五堂商事を辞めることとなった。米良の調査などから、事件の黒幕は五堂商事の生活産業ユニット局次長佐久間幹子らしいことが明らかになってきた。そして、その動機は、伊比たちが関わっていた9年前のダイオキシン汚染事件であった。伊比たちは佐久間との因縁を果たすべく、五堂商事へと乗り込んだのだった。こういう真保作品が好み。初期の頃の作風に近い感じがします。「アマルフィ」など映画化を前提に書かれたものは、面白いのは面白いけれど、何か端折られているような気がして、面白さが削がれている感が否めないですよね。【送料無料】 ブルー・ゴール...価格:1,680円(税込、送料込)喉が渇いているらしい・・・ 遊べます・・・哀愁・・・いつもありがとうございます。励みになるので応援頂ければ幸いです。にほんブログ村