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カテゴリ:オーケストラ
この日は、仕事が終わってから市民オケの仲間数名と大阪フィルの演奏会へ。プログラムは、R.シュトラウスの「ドン・キホーテ」と「ツァラトゥストラはかく語りき」というダブルメインとも言えるもの。最近、なかなか時間が取れずに久しぶりのプロオケのコンサート、しかもR.シュトラウスのこの2曲をライブで聴く機会はめったにないということで、楽しみにして行った。
演奏は、素晴らしかった。前半の「ドン・キホーテ」、ソリストは堤剛氏だった。コンマスやヴィオラのソロとの息もぴったり、アンサンブルの息づかいが遠くから見ていても感じられる、素晴らしい音の絡み合いだった。ガシガシ弾きまくった後、拍手に応えてバッハの無伴奏をアンコールで。たった1本の楽器で、あそこまで表現できるのかと感動。どんな弱音もはっきりと届く。弓づかいを見てるだけでもすごいなあと思ってしまう。 後半の「ツァラトゥストラ」だが、こちらも素晴らしかった。有名なのは冒頭部分だが、私はその後に来る細かくパートを分割された弦楽器によるアンサンブルの部分が大好きで、そこに至るまでのたった数分で、体の中にビリビリと電気が走りまくるような感覚だった。音が強いところと弱いところ、そのレンジの広さがすごかったが、決して割れてしまわないところはさすがだなと思ったのだった。 R.シュトラウスを2曲聴いて思ったのは、とにかくこの作曲家の曲はライブで聴かなければ真価はわからないということだ。CDでは拾いきれない音がたくさん鳴っていて、空気が揺れる感覚というのは、ホールの中の大オーケストラによってしかわからないのだなと思う。「ドン・キホーテ」のミュートをつけた金管楽器の音の歪んだ響きだったり、「ツァラトゥストラ」の音の輪郭はオルガンで補強されているということだったりというのは、ライブで聴いて、見てこそわかるものだなと思った。それだけでも、会場に足を運ぶ価値がある。 大植英次氏の指揮は、相変わらずエネルギッシュだったが、非常にわかりやすかった。そこから紡ぎ出されてくる音は、オケとのつながりがきっちりできていることをとても強く感じるのだった。大阪フィルも本当にいい音をしていたなと思う。素晴らしい。 終了後は、ホール近くの居酒屋で語り合う。このような演奏会は感想を共有できる人がいた方がいいなと思った。また演奏会に行きたいなと強く思ったのだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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