松平右近
80年代の頭の時、里見様は「松平右近事件帳」とその続編「新・松平右近」という時代劇を演じた。11代将軍・徳川家斉の実弟にあたる松平右近が市中で暮らしながら江戸の町にはびこる悪を倒したという時代劇だった。基本的に、長七郎江戸日記と同じパターンだ。しかし、松平右近は、本当に実在した。 元禄時代、越前で葛野藩という3万石の小さい藩ができた。藩主の松平頼方の官位は従四位下右近衛少将だということなので、松平右近という名前としてもよかろう。 しかし、面白かったのは、この松平頼方ののちの進路だ。2人の兄がなくなったので、松平頼方は紀州大納言に継いだ。そして将軍にもなった。紀州大納言になる前に、将軍綱吉の吉をもらって、徳川吉宗に改めた。つまり、松平右近のモデルは暴れん坊将軍だ。 時代劇がわからない人にとって面白くないが、わしにとって興味深いことだ。