第56回「幸福の条件」
今日は“番外編”で「幸福の条件」何で番外編なのかと言うと、93年製作で、若い頃観た映画ではないからです。しかも、ラジー賞(その年の最悪の映画に捧げられる賞)の作品賞と、脚本賞を受賞してしまったと言う駄作。“年令差のある恋愛”を考えていたらふと思いついた作品です。主演のロバート・レッドフォード55歳、デミ・ムーア30歳。25歳差です。でも、この二人純粋に恋愛するわけではありません。レッドフォードは「華麗なるギャツビー」で最愛の人を金持ちに奪われてしまいました。これを僕は『金色夜叉』の続きの話と書きましたが、本作品のレッド・フォードは金の力で人妻を奪う方の役。100万ドルでデミ・ムーアを買ってしまいます。「幸福の条件」と邦題はきれいにしてますが、原題は「Indesent Proporsal(下品な提案)」“愛は金で買えるか?”ってこの設定が不愉快なのかもしれません。もちろん買えるんだけど、それを言っちゃあおしまいよ、って感じで。僕はとにかくレッドフォード好きなので、いけいけってモンですが、世間の倫理観はやはりそれを許しません。ダメ夫のウデイ・ハレルソンに同情を集めようとしますが、大金持ちのレッドフォードに対抗できる男がいると思いますか。これがジャック・ニコルソンだったら、こんな卑劣なヒヒおやじ許せんってことになりますが、とにかくレッドフォードなんですね。あの気の強いデミ・ムーアが陥落してもむべなるかな。また、この頃のデミの美しかったこと。ちっちゃィこ好きの僕には、胃がもたれるぐらいの美しさです。ジョディ・フォスターには務まりません。また、夫の前ではダサかった妻が、レッドフォードに磨かれるとどんどんきれいになってしまうんですね。このシャッフルのどこが悪いの?って思います。夫も100万ドル貰えるし。そこを無理やり捻じ曲げて『Have I ever told you,I love you?』などと言わせているから評判悪いんですよ。ここはやはり、女房を盗られたダメ夫が、一念発起成功して取り戻しに行く話しにしなくちゃ。主演は、ブラッド・ピットで。100万ドルで僕の女房買ってくれるっていう酔狂な金持ちいたら、ほいほい乗っちゃいますけどね。100万円だっていい。100円でも…所詮映画は、夢物語です。