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人生を成功に導く読書術!おやじむしの3分書評

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人生を成功に導く読書術! ~おやじむしの3分書評~

人生を成功に導く読書術! ~おやじむしの3分書評~ [全938件]

2010/05/18楽天プロフィール Add to Google XML

チャイルド44 
[ 読書感想文 ]  


チャイルド44(上巻)


──────────────────────────────
 ◆今回紹介する本
──────────────────────────────
 題名:チャイルド44(上・下巻)
 著者:トム・ロブ・スミス
 出版:新潮文庫
 定価:上巻 667円+税、下巻705円+税
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4102169318/oyajimushicom-22/ref=nosim/
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4102169326/oyajimushicom-22/ref=nosim/



──────────────────────────────
 ◆目次
──────────────────────────────
 ※目次はありません。



──────────────────────────────
 ◆成分解析
──────────────────────────────
 知恵  :■■■□□
 勇気  :□□□□□
 豊かな心:□□□□□
 おすすめ:■■■■□



──────────────────────────────
 ◆内容紹介
──────────────────────────────
▽これまであまり読んでこなかったジャンル、ミステリーです。

 今回紹介するのは、2009年の「このミステリーがすごい!
 海外編」で第1位になった作品です。
 
 紹介文によると、著者のトム・ロブ・スミスは1979年ロンドン
 で生まれます。
 
 2001年にケンブリッジ大学英文学科を首席で卒業します。
 
 処女小説「チャイルド44」は、2008年度CWA賞のうち
 イアン・フレミング・スチール・ダガー賞(最優秀スパイ・冒険・
 スリラー賞)を受賞しています。
 
 CWAとは「イギリス推理作家協会」の略で、CWA賞は九つの
 賞が設定されていて、チャイルド44はそのうちの一つを受賞
 しました。
 
▽今回紹介する作品は、「ミステリー」のストーリーとして殺人
 事件を解決していくわけですが、私が興味を惹いたのは、ミステリー
 よりも、その国の体制、そしてその体制下に属する人間の恐ろしさ
 です。
 
 殺人事件よりはるかに「ミステリー」でした。
 
 物語は1933年、ソヴィエト連邦のウクライナのとある村の話
 から始まります。
 
 1933年頃のソ連ウクライナをウィキペディアで調べてみると、
 次のように書かれていました。
 
 「無理な農業集団化(コルホーズ)の強行により、1932年から
 1933年には大飢饉が起こり、500万人とも1,000万人とも言われる
 餓死者が出た。 特にウクライナにおける飢餓(ホロドモール)は
 甚だしく、400万人から700万人の餓死者が出た。2006年にウク
 ライナ政府はこの飢餓をウクライナ人に対するジェノサイドと
 認定している。この『拙速な集団化政策』はウクライナ人弾圧の
 ために意図してなされたものであると言う説も有力である。集団化
 に反対した人々は、白海・バルト海運河の建設現場のグラグへ
 送られるなどにより命を落とした」
 
 ウィキペディアに書かれているように、1933年のウクライナ
 では大飢饉が起きていて、多数の餓死者が出ていました。
 
 大飢饉の真っ最中のある家族の様子から物語は始まります。
 
 その家族が住む村には食べ物がなく、たまたま見かけた猫を
 掴まえに幼い兄弟が家を出ました。
 
 弟は近眼で動作ものろく、猫を掴まえるためには弟は邪魔でしたが、
 母親に言われ、兄は弟を連れて行くことになったのです。
 
 猫の足跡を頼りに、雪の積もった中を兄弟は進み、やっと猫を
 発見します。
 
 罠をしかけ、やっとの思いで猫を掴まえた弟でしたが、猫を掴まえ
 ている間に兄の姿が見えなくなってしまいます。
 
 飢餓状態のウクライナのある村で起きた小さな事件が、この小説の
 発端となります。
 
▽その20年度(1953年)、モスクワで少年が惨殺される事件が
 発生します。

 腹が割かれ胃が無くなっており、口の中には泥のようなものが
 詰め込まれていました。
 
 被害者は胴体を列車に切断されていたため捜査の結果「事故」と
 判断されていました。
 
 被害者の遺族は「事故ではない」と騒ぎ立てます。
 
 しかし、そこはスターリン体制下のソ連。
 
 一度「事故」と決まった事件に意義を申し立てると「国家反逆罪」
 となってしまいます。
 
 ただ、その少年の親が国家保安省(秘密警察KGBの前身)の
 下級職員だったこともあり、その上司のレオ・デミドフが部下の
 家族を説得することになりました。
 
 そこで実際に聞いた話と、事前に読んだ調査報告書の内容には
 かなりの相違があり、実際に被害者の男の子と見知らぬ男性が
 一緒に歩いていたのを目撃した女性がいました。
 
 しかし、レオの身分と目的を知った時「何も見てないし何も知ら
 ない」と口をつぐんでしまったのです。
 
 旧ソ連とはそういう国、一度国の機関が決めたことは覆りません。
 
 意義を唱えると反逆罪とみなされてしまうのです。
 
▽主人公は、国家保安省に務めるレオ・デミドフ。
 
 レオは元もと、軍隊の特殊奇襲隊に所属していて、国家保安省では
 エリートの部類に属していました。
 
 エリートではあるけれど、些細なミスが命取りになる職場でも
 あります。
 
 上司は自分の身の安全のために簡単に部下を利用し切り捨てようと
 するし、部下は上司のミスを発見し、そのポストを奪おうと虎視
 眈々と狙っています。
 
 レオは言う事を聞かない体を薬物で騙しながら仕事をしていました。
 
 レオの本職はスパイを摘発し、逮捕・告発すること。
 
 そのスパイが本物のスパイかどうかは関係がありません。
 
 拷問で一度名前が出てしまうと逮捕され、本当かどうかはあまり
 関係なく処刑されるか強制収容所に送還されてしまうのです。
 
 当時のソ連はそういう国でした。
 
▽レオは、ある獣医をスパイ容疑で捜査していました。

 しかし、息子を亡くした部下の家族の説得に一日を要してしまった
 ためその獣医を取り逃がしてしまったのです。
 
 獣医の身辺捜査から浮かんだ田舎の友人宅に的を絞り、追跡を
 始めます。
 
 レオは獣医を捕まえますが、その獣医をかくまったとして、部下の
 ワシーリーがその家族を現場で銃殺してしまいます。
 
 子供二人まで銃殺しようとしたところで、レオはワシーリーを
 殴り、銃殺を止めたのでした。
 
▽獣医は実際は無実でした。

 しかし、薬物を注射され強制的に自白させられることになります。
 
 取り調べの最中、レオは服用していた薬の副作用のため立って
 いられなくなり、家に帰ってしまいます。
 
 その後取り調べを続けたのが、レオに恨みを持つワシーリーでした。
 
 休養の後、職場に復帰し、処刑された獣医の取り調べ結果を知った
 レオは、獣医が自白したといういくつかの名前の最後に、自分の
 妻の名前が書かれているのを知ります。
 
 レオは部下のワシーリーの意趣返しだと確信します。
 
 しかし、妻が無実かどうかは問題ではありません。
 
 スパイ容疑で逮捕した人物の口から名前がでてしまった限り、
 妻を逮捕し、獣医と同じように取り調べをしなくてはならないの
 です。
 
 妻を尾行し、自宅を家宅捜索し、上司や部下からは妻を告発する
 ことが臨まれていましたが、レオは自分の地位と身の安全を捨て
 自分の妻は無実であると上司に報告します。
 
 レオは運良く地方の人民警察に飛ばされただけで済みます。
 
▽飛ばされた土地で、レオは少女の死体を発見します。

 腹は割かれ、胃が持ち去られ、口の中には泥のようなものが詰め
 込まれていました。
 
 そして足には、まるで獲物を捕まえたかのように縄が巻かれて
 いたのです。
 
 レオは殺人事件を捜査することにしました。
 
 でも。この国で余計な捜査をすることは、自分の命を賭けること
 にもなります。
 
 人民警察に協力者を一人得て、手間の掛かる捜査が始まりました。
 
 線路に沿って極秘捜査を進めていくと、同じような殺人事件が
 いくつかの駅の近くで何件も発生していました。
 
 そして、子どもたちの殺人事件を追っていくうちにある人物に
 ぶつかります。
 
 その人物とは...
 
▽ソ連という国が実際にどのような国であったのか、真実は知りま
 せん。
 
 しかし、本を読んだり近隣の社会主義国のことを知ると、この
 小説に書かれている国家とそれほど違いがないのではないかと
 思います。
 
 国家保安省ではエリートとして権力を振るっていたレオでしたが、
 妻の無実を主張した瞬間に、全ての富と権力を剥奪され、加えて
 両親の富と権力も剥奪され、権力を振るう側から権力を振るわれる
 側に廻りました。
 
 それまで持っていた特権が全て無くなったとき、はじめて妻の
 真意を知ります。
 
 なぜ出会ったときに偽名を使ったのか?
 
 なぜレオと結婚したのか?
 
▽事件の真実を調べるという当たり前の行為が極秘に、しかも
 命がけで行わなければならない国。
 
 執拗にレオの失態を探し、処刑する口実を見つけようとする元部下。
 
 拷問をする側からされる側へ。
 
 次々と明るみに出る、子供ばかりを狙った異常な犯罪。
 
 絶対絶命のピンチを幾度となくくぐり抜け、やっと犯人の足取りを
 掴んだとき、レオは意外な真実を知り、忘れていた過去も思い出し
 ます。
 
▽上巻下巻それぞれ400頁近くありますが、あっという間に読めて
 しまいます。
 
 ソ連という国の恐ろしさと、国家権力を握った人間の恐ろしさと
 歪んだ人間性が、上手く小説の中で描かれている作品です。



 人生を成功に導く読書術! ~おやじむしの3分書評~ より抜粋

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Last updated 2010/05/18 10:36:53 PM
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2010/05/17

宇宙戦争 
[ 読書感想文 ]  





──────────────────────────────
 ◆今回紹介する本
──────────────────────────────
 題名:宇宙戦争
 著者:H・G・ウェルズ
 出版:角川文庫
 定価:514円+税
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4042703070/oyajimushicom-22/ref=nosim/



──────────────────────────────
 ◆目次
──────────────────────────────
 第1部 火星人来襲
 第2部 火星人に支配された地球



──────────────────────────────
 ◆成分解析
──────────────────────────────
 知恵  :■■■□□
 勇気  :■□□□□
 豊かな心:■□□□□
 おすすめ:■■■□□



──────────────────────────────
 ◆内容紹介
──────────────────────────────
▽自分が読まない本のジャンルが沢山あって、その一つにSFが
 あります。
 
 SF映画はDVDを借りてきてよく見ますが、なぜか本は読まない
 です。
 
 今回紹介する「宇宙戦争」は、「SFの父」と呼ばれるハーバート・
 ジョージ・ウェルズ(1866年9月21日~1946年8月13日)が、1898年
 に発表した小説です。
 
 1898年というと、今から100年以上前のこと。
 
 著者はイギリスの作家で、現在ではフランスの作家ジュール・
 ヴェルヌと共にSFの父と呼ばれています。
 
 そう言えばSFは読まない、と言いつつヴェルヌの作品はいくつか
 読んでます。
 
 著者は多くの作品を残しています。
 
 読んだことはないけれど、題名を知っている作品に「タイムマシン」、
 「透明人間」、「モロー博士の島」があります。
 
▽今回紹介する「宇宙戦争」の原題は「The WAR of the worlds」。
 
 直訳すると「世界戦争」で、宇宙という言葉は何処にも出てきま
 せん。
 
 原題には「戦争」という言葉が付いてます。
 
 戦争は人間同士の戦いですが、この小説で戦うのは人間と火星人
 です。
 
 太陽系で地球の隣にある星が火星。
 
 物語の冒頭で、火星を観察していた天文学者達が、連日、火星から
 地球へ向けて、何かが発射されたことを確認します。
 
▽火星は地球から一番近くて5600万キロ、楕円軌道を描くため、
 一番遠くて1億キロの距離にあります。
 
 火星の気温は、最低-130度、最高15度、平均気温は-43度
 と、地球上の生命を基準にして考えると、火星に存在するのは困難
 なように思えます。
 
 ウィキペディアには、
 
 「火星はかつては現在よりも確実に生命に適した環境だったという
 証拠が存在するが、火星にかつて実際に生命体が生存していたか
 どうかという疑問は未解決である」
 
 と書いてあって、生命が存在するかどうか、もしくは以前存在
 していたかどうかは、まだ議論が続いているとのこと。
 
▽実際の世界では、まだ生命の発見はありませんが、小説では
 「火星人」が登場します。
 
 火星から発射された「何か」は、イギリスのウィンチェスター
 上空を流れ星となって飛来します。
 
 天文学者のオグルヴィは、自宅の近くに落下した「何か」を観察
 しに向かいます。
 
 そこには、落下の衝撃でできたくぼみの中に、円筒形の物体が
 あって、その中からかすかに音が響いていました。
 
 やがて落下物のフタが開き、中から醜悪な火星人が現れます。
 
▽物語の語り手は「私」で、名前が分かりません。

 円筒形の物体から出現した火星人は、残虐非道の限りを尽くします。
 
 何とかしてコミュニケーションを取ろうとする人間達をあっさり
 無視し、火星人達はあたりに閃光を放ち、触れた物は光り輝く
 緑色の煙が吹き出すと同時に、白熱する炎に変わってしまいます。
 
 火星人は熱線を発射しながら、辺りの人間や植物を一掃しつつ、
 ロンドンへ向かって侵攻を開始します。
 
 第2、第3の円筒物飛来し、その中から「トライポッド(三脚)」と
 呼ばれる戦闘機械が出現し、全てを焼き尽くす閃光で攻撃を始め
 ます。
 
 武器は閃光と、黒い毒ガス。
 
 人間が黒いガスに触れると即死します。
 
 軍隊を投入し応戦しますが、全く歯が立たず軍隊は崩壊。
 
 人間は、なす術もなく虐殺されます。
 
 さらに、火星人の栄養源は人間の血液であることが判明。
 
 捕らえた人間の血液を、自分の血管に直接注射するという、おぞ
 ましい方法がとられていました。
 
 火星人の襲来目的は何なのか?

 圧倒的な攻撃力を持つ火星人は、当時世界最大の都市だったロン
 ドンを制圧し、地球を支配しようと考えていたのかもしれません。
 
 しかし数日後、この騒ぎは以外な結末を迎えます。
 
▽現在のSFに比べると、あまりたいしたことないかもしれません。

 火星人は、火星人のイメージとしてよく見られる、いわゆる
 「タコ型」で、あまり恐怖感も感じません。
 
 しかし、今から100年以上も前に書かれたSF小説であることを
 考えると、その凄さが理解できます。
 
 2005年には監督がスピルバーグ、主演トムクルーズで映画化
 されています。
 
 先日、DVDを借りてきました。
 
 時代は100年前ではなく、現代に設定されていて、火星人は
 小説と同様に残虐の限りを尽くします。
 
 スピルバーグが監督したこの作品は、アマゾンの評価を少し読んで
 みると賛否両論があります。
 
 そこには、「SFとしてはありふれていて面白くない」、という
 意見が多いみたいですが、本当に描きたかったのは、SF作品
 としてではなく、「人間」だったのではないかと思います。
 
 映像を見ていて感じたのは、
 
 「火星人を人間に置き換えても、あまり変わりははないなぁ」
 
 ということでした。
 
 今回の作品は、個人的には原作よりもスピルバーグ監督の映画の
 方がお勧めです。
 
 ただし、原作を読んでから映画を観ると、より理解が深まって
 面白いです。



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Last updated 2010/05/17 11:29:30 PM
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2010/04/06

大地の子 
[ 読書感想文 ]  

 前回の続きです。


▽今回紹介する「大地の子」の主人公、中国名「陸一心(ルーイースン)」
 日本名「松本勝男」は、満蒙開拓団として満州国に移り住んだ
 家族の長男でした。
 
 家族構成は、祖父、両親、勝男(7歳)、妹(5歳)、生まれた
 ばかりの弟の5人。
 
 終戦間近、「満州への移民は兵隊に取られない」という話は軽く
 無視され、父親が徴兵されてしまいます。
 
 そして、日ソ不可侵条約を破棄したソ連の参戦と、関東軍の身勝手な
 撤退。
 
 残された家族は、開拓団の人たちと着の身着のまま逃避行を始め
 ます。
 
 逃避行の途中、赤ん坊は死に、祖父も力尽き、母親、勝男、妹の
 三人になってしまいます。
 
 そこへソ連軍の集中砲火が始まり、母親は血まみれになって息絶え、
 勝男と妹のあつ子は何とか命だけはつなぎ止めました。
 
 やっと生き延びたところへ中国人が現れ、勝男とあつ子はバラバラ
 にさらわれてしまったのです。
 
 この時の過酷な体験で、勝男は記憶喪失になってしまいます。
 
▽勝男は、さらわれた中国人の家で「大福」と名づけられ、過酷な
 労働を強いられます。
 
 度重なる虐待にやっとの思いで逃亡に成功しますが、再び人さらいに
 捕まり、街角で売られそうになったところに、中国で小学校の教師
 をしていた「陸徳志」に拾われます。
 
 勝男は「一心」と名づけられ、貧しいながらも子供がいない夫婦に
 大切に育てられます。
 
 一心は教育もしっかりと受けさせてもらい、立派な青年に成長
 します。
 
▽出自が日本人であることは、当時の中国ではかなりのマイナス
 要因でした。
 
 人種差別にも耐え、育ててくれた両親に恩を返し、中国の発展の
 ために尽くそうと決心し、必死に勉強した一心は、やがて製鉄所へ
 の就職が決まります。
 
 そこそこのエリートでなければ就職出来ない職種でした。
 
▽しかし、そこへ「文化大革命」という現代の日本人には考えられ
 ない発想による革命が始まります。
 
 一心は、生みの親が日本人であるというだけで犯罪者扱いされ、
 労働改造所(強制収容所)へ送られてしまいます。
 
 一心は、同じ労働改造所に収容されていた、日本語を話す中国人
 と知り合い、ひそかに日本語を教えてもらいます、
 
▽いつ終わるともしれない労働改造所で5年、両親には何処にいるか
 すら知らされず、行方不明のまま過ごしていました。
 
 労働改造所で破傷風を罹った一心は、運良く血清を投与され助け
 られます。
 
 その時、付きっきりで看病してくれたのが、巡回医療チームの
 看護婦をしていた「江月梅」でした。
 
 やがて、江月梅の働きによって、両親と中国共産党の幹部になって
 いた大学時代の友人に、一心の所在を知らせてもらい、両親と
 友人の必死の嘆願により、ようやく労働改造所を出ることができ
 ました。
 
▽労働改造所を出た一心は、国家プロジェクトである製鉄所の製造に
 参加することになりました。
 
 宝華製鉄と名づけられた製鉄所は、国交を回復した日本の製鉄所と
 日本政府の協力でスタートします。
 
 しかし、宝華製鉄プロジェクトは難航します。
 
 中国と日本の国民性の違いと、中国人は日本の被害者だという
 意識が強く働く中国側は、何かと「中日友好の精神で...」と
 日本側に譲歩を要求してくるのです。
 
 その中国側技術者の一人が一心で、日本の製鉄所の現場の所長を
 していたのが、一心と血のつながった父親、松本耕次でした。
 
 当初、二人は親子であることは分からず、一心は生き別れた妹を
 探し、父親の松本耕次は行方知れずの家族を捜していました。
 
 やがて一心は妻の江月梅の協力により、生き別れた妹のあつ子と
 出会います。
 
 しかし、あつ子は病気と過酷な労働のため、既に死の床にあった
 のです。
 
 妹の死に目に何とか間に合った一心は葬式の最中に、娘をやっと
 探し当てた松本耕次と出会い、お互いに親子である事がはじめて
 判明します。
 
 しかし...
 
▽太平洋戦争終結後、国交が無かった中国と日本は、全く別々の
 方向へ向かっていました。
 
 片方は経済大国にのし上がり、片方は打倒ブルジョワ、形ばかりの
 肉体労働者称賛を「革命」と称して実施し、大量虐殺を行った国です。
 
 一心と血のつながった父親が親子であることが判明しても、30年
 の時間と、国のあり方の違いが大きな壁となり、自由な親子が演じ
 られません。
 
 逆に中国共産党側に一心と松本耕次の関係を利用され、日本側の
 譲歩を引き出すために利用されてしまいます。
 
 現代の中国共産党がどのような思想で国を動かしているのかよく
 知りません。
 
 ただ、中国共産党が歩んできた、第二次大戦後の約70年の短い
 歴史から見ると、現在の中国の状況は、毛沢東が掲げた当初の
 思想とは180度違う路線を歩んでいるとしか思えません。
 
 「打倒インテリ、打倒ブルジョワ」を叫んでいた政府が、ブルジョワ
 の国になっています。
 
 多くの問題をはらみつつ、中国は肥大化しているような気がします。
 
▽「大地の子」は、著者自身の数年の取材の末、事実を再構成し、
 小説として描いたものです。
 
 350頁超えの本を4巻読み通す勇気が必要ですが、実はあっと
 いう間に4冊読めてしまいます。
 
 おすすめの作品です。



 人生を成功に導く読書術! ~おやじむしの3分書評~ より抜粋

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Last updated 2010/04/06 11:29:40 PM
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大地の子 
[ 読書感想文 ]  





──────────────────────────────
 ◆今回紹介する本
──────────────────────────────
 題名:大地の子1~4
 著者:山崎豊子
 出版:文春文庫
 定価:各610円+税
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4167556014/oyajimushicom-22/ref=nosim/
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4167556022/oyajimushicom-22/ref=nosim/
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4167556030/oyajimushicom-22/ref=nosim/
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4167556049/oyajimushicom-22/ref=nosim/



──────────────────────────────
 ◆目次
──────────────────────────────
 ※多数あるので省略します。



──────────────────────────────
 ◆成分解析
──────────────────────────────
 知恵  :■■■■■
 勇気  :■■■□□
 豊かな心:■■■■□
 おすすめ:■■■■■



──────────────────────────────
 ◆内容紹介
──────────────────────────────
▽たしか中学生の頃、「中国残留日本人孤児」の肉親探しをテレビの
 ニュースで見た記憶があります。
 
 明らかに着慣れてない服を着た、中年のおじさんやおばさんが
 何十年ぶりかで日本に住む肉親と再開し、涙ながらに抱き合って
 いる様子が報道されていました。
 
 ウィキペディアで調べてみると、1980年代に入ってから厚生省
 が中心となって中国残留日本人孤児の肉親探しが本格化し始めた
 とのこと。
 
 私は1967年の生まれなので、1980年代というと中学生
 以降ということになります。
 
 当時は、肉親探しのニュースが何度か流れていると、「また同じ
 ことやってる」くらいにしか思えなくなってたような気がします。
 
 涙もろい母親は、ニュースを見るたびに「かわいそうにねぇ」と
 目をうるうるさせていました。
 
 結婚して家庭を築き、子供を授かってみると、中国残留日本人
 孤児の方々がどれだけつらい思いをしてきたのか、その100分
 の1くらいは理解できるようになったのではないかと思ってます。
 
 今回紹介する「大地の子」は、中国残留日本人孤児がテーマの
 作品です。
 
▽著者の山崎豊子さんは、1924年(大正13年)に大阪市で
 生まれています。
 
 ということは、現在86歳!
 
 2009年には、取材と執筆で8年かかった長編作品「運命の人」
 を出版しています。
 
 著者の作品は、本屋さんで平積みされていることが多く、最近の
 作品では上記した「運命の人」が、文庫本コーナーでは、「不毛
 地帯」や「沈まぬ太陽」が全巻平積みされている本屋さんもあり
 ます。
 
 映像化されている作品が多く、知るところでは「白い巨塔」や
 「不毛地帯」、「沈まぬ太陽」がドラマ化や映画化されています。
 
 また、さまざまな賞も受賞されています。
 
 1958年に「花のれん」で直木賞を、1991年には菊池寛賞を、
 1991年には「大地の子」が文藝春秋読者賞を、2009年には
 「運命の人」が毎日出版文化賞特別賞を受賞しています。
 
 というように、日本では有名な作家ですが、私自身は著者の作品を
 今回初めて読みました。
 
 最近、長編はなぜか外国の作家の作品を読むことが多く、日本人
 作家の作品では檀一雄さんの「火宅の人」以来の作品です。
 
▽本のテーマである「中国残留日本人孤児」について、勉強も兼ねて
 少しだけ調べてみました。
 
 情報源はウィキペディアです。
 
 「中国残留日本人孤児」は、日本の法律やメディアでは一般に
 「中国残留邦人」と呼ばれるそうです。
 
 大まかに言うと、「太平洋戦争末期のソ連軍侵攻と関東軍の撤退に
 よる中国東北部における混乱で、日本に帰ることができず中国大陸
 への残留を余儀なくされた日本人のこと」を中国残留日本人孤児と
 言います。
 
 1931年(昭和6年)9月18日以降の満州事変の後、日本政府は
 清国最後の皇帝「溥儀」を担ぎ出し、現在の中国東北部に満州国を
 造ります。
 
 日本から直ちに満蒙開拓移民が組織され、計画では500万人、
 実数32万人以上の開拓民を送り込みます。
 
 当時、アメリカ合衆国発の世界恐慌の影響を受け、日本でも昭和
 恐慌に突入、その影響で日本の農村は困窮を極め、農民は強い
 移民志向を持っていたとのこと。
 
 しかし、太平洋戦争末期の1945年8月、ソ連が日ソ不可侵条約
 を一方的に破棄し、8月9日になるとただちに中国東北部(満州国)
 への侵攻を開始します。
 
 満州国の日本からの移民達は、「関東軍が守ってくれる」と思って
 いたそうですが、ソ連の参戦を予測していた関東軍は、トラックや
 車を民間人から徴用し、列車も確保。
 
 軍人関係の家族等は、その夜のうちに列車で満州東部へ非難します。
 
 翌日以降にソ連侵攻の事実を知った多くの一般人は移動手段もなく
 徒歩で非難するしかありません。
 
 関東軍最悪です。
 
 さらに、関東軍は国境付近の在留法人の成人男性を「国境警備軍」と
 称し、ソ連軍と対峙することを命じます。
 
 関東軍卑怯です。
 
 成人男性はソ連侵攻の最前線へ出され、避難民はほとんどが老人と
 子供、そして女性でした。
 
 ソ連の侵攻と関東軍の卑怯な撤退によって満州における日本の
 支配権は失われ、開拓民の帰国は困難を極めます。
 
 「大地の子」の中でも描かれていますが、ソ連軍の侵攻から避難
 の途中でソ連軍に殺されたり、自決したりで命を落とした人が
 沢山いたそうです。
 
 そのような混乱のさなか、家族が離散したり親とはぐれた子供
 たちは、人身売買等によて中国人の養子(残留孤児)になったり、
 また女性は同様に中国人の妻(残留婦人)となって生き延びること
 になります。
 
 終戦時に逃げ遅れた日本人は、ソ連軍によって数年間にわたり
 収容され帰国が遅れたり、また翌年日本への引き上げが再開され、
 100万人以上の日本人が帰国しますが、中国国内での内戦が
 再開するにつれ、中華民国軍や中国共産党軍に徴兵されたり、
 労働力として徴用されたりと、日本人に対する過酷な支配が強まり
 ます。
 
 物語中でも出てきますが、主人公は親が日本人というだけで差別を
 受け、強制収容所のようなところへ押し込まれたり大変な目に会い
 ます。
 
 その後成立した、中華人民共和国と日本は国交を結ばなかったため、
 日本政府は1958年には集団引き上げを打ち切ってしまいます。
 
 その後の政府の対応は冷たく、強制的に残留者対策の終息を図ろう
 としていました。
 
 中国に取り残された残留邦人は、中国で過酷な体験をします。
 
 「大躍進政策」といわれる毛沢東による愚策によって、大飢饉
 (推計2000万人~5000万人の餓死者が発生)を体験したり、その
 愚策による毛沢東の権力低下を回復させるための「文化大革命」
 による政治動乱を体験したり、中国に残された残留邦人は過酷な
 人生を生き抜きます。
 
 日中国交正常化によって、中国国内の事情が明らかになってくると
 離ればなれになった肉親の消息を知りたいという活動が始まります。
 
 しかし、活動を始めたのは個人で、日本政府も中国政府も残留邦人
 探しに積極的に参加しようとしません。
 
 1980年になって、個人による肉親探しのための訪中が実現し、
 この肉親探しによって、中国残留邦人の存在が日本に知られる
 ようになります。
 
 1981年、政府もやっと重たい腰を上げ、厚生省が中心となり
 中国残留日本人孤児の肉親探しが開始されました。
 
 しかし、1981年というと、終戦後既に35年以上経過していて、
 残留孤児の中には日本語を話す事ができない人も多く、肉親が
 判明したとしても、元の家族として普通に生活できる人は少な
 かったようです。
 
 帰国者の8割以上が生活保護を受けており、国や政府からの援助金や
 ボランティア団体の寄付金などで生活しているのが現実です。
 
 残留孤児の問題は遠い昔のことのように考えていましたが、実は
 そうでもありません。
 
 つい数年前まに損害賠償訴訟が起こっていて、いずれも原告側に
 厳しい判決が続いてたようです。
 
 また、現在では帰国した残留孤児の2世や3世がマフィア化し、
 問題となっているようです。
 
 以上、ごく簡単に「中国残留日本人孤児」について書いてきました。


 次回へ続きます。



 人生を成功に導く読書術! ~おやじむしの3分書評~ より抜粋

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Last updated 2010/04/06 11:28:32 PM
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告白 
[ 読書感想文 ]  





──────────────────────────────
 ◆今回紹介する本
──────────────────────────────
 題名:告白
 著者:湊かなえ
 出版:双葉社
 定価:1400円+税
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4575236284/oyajimushicom-22/ref=nosim/



──────────────────────────────
 ◆目次
──────────────────────────────
 第一章 聖職者
 第二章 殉教者
 第三章 滋愛者
 第四章 求道者
 第五章 信望者
 第六章 伝道者



──────────────────────────────
 ◆成分解析
──────────────────────────────
 知恵  :□□□□□
 勇気  :□□□□□
 豊かな心:□□□□□
 おすすめ:■■■■□



──────────────────────────────
 ◆内容紹介
──────────────────────────────
▽最近自分が読む本には「ミステリ」というジャンルがあまり存在
 しません。

 過去の書評をタイトルだけざっと眺めてみても、ミステリと呼んで
 いいのか判りませんが、伊坂幸太郎さんの「グラスホッパー」とか、
 江戸川乱歩さんの「蜘蛛男」くらいしか発見できません。
 
 推理小説ばかり呼んでいた時期がありましたから、特に嫌いな
 ジャンルというわけではないです。
 
 理由は分かりませんが、現在なぜか遠ざかっているジャンルです。
 
▽今回紹介する「告白」は、いくつかの賞を受賞しています。

 ・第29回小説推理新人賞受賞
 ・2008年度週刊文春ミステリーベスト10で第1位
 ・2009年このミステリーがすごい!で第4位
 ・2009年本屋大賞受賞
 
 新聞の広告とか雑誌でも何回か見た事があるし、今でも平積み
 している本屋さんもあります。
 
 本の入手先が主にブックオフだからかもしれませんが、その時
 売れている本をなぜか読まない傾向にあります。
 
 全国の本屋の書店員が選ぶ本屋大賞の2004年~2009年
 の受賞作品が毎年10作品あって、以下のサイトに掲載されてい
 ます。
 
 http://www.hontai.or.jp/history/index.html
 
 毎年10冊で6年間、合計60冊の本が掲載されていますが、
 この中で読んだことがあるのは2004年に大賞を受賞した
 小川洋子さんの「博士の愛した数式」と今回紹介する「告白」の
 2冊だけです。
 
 本屋大賞だけでなく、たまに雑誌に載る本のランキング特集で
 紹介される本もほとんど読んだことがないです。
 
 そんなわけで、出版年月が2008年8月と若干古めですが、
 ミステリというジャンルで流行の本を読んでみようと思った次第
 です。
 
▽物語は、ある中学校1学期の終業式の日、女性教諭のホームルーム
 の話で始まります。
 
 その教師は今月いっぱいで辞職し、教員も辞めてしまうとのこと。
 
 教師はシングルマザーで、保育園に預けている愛美という娘が
 いました。
 
 当初、学校のプールの裏手に住んでいた人に預かってもらって
 ましたが、その人が入院してしまったため、仕事の都合で遅く
 なる時は学校へ連れてきて、担任のクラスの生徒に遊んでもらっ
 たりしていました。
 
▽ある日、その娘が学校のプールで溺死体で発見されます。
 
 警察の捜査では事故死、プールの裏手の家の犬に餌をやりに来た
 とき、足を滑らせてプールに転落してしまったということでした。
 
 しかし、あることから、女性教諭には娘が事故死ではなく殺され
 たことが判ってしまったのです。
 
 しかも犯人は自分が担任するクラスの男子生徒二人。
 
 殺人の動機は軽い逆恨みと発明品の実験のためでした。
 
 ところが女性教諭は警察に訴える事はしませんでした。
 
 警察に訴えたところで、犯人は中学生のため大した罪には問われ
 ません。
 
 教師は警察に訴えずに、自ら復讐することを誓います。
 
 その手始めとして、学校で実施されている「ミルクタイム」を
 利用して犯人の生徒二人の牛乳パックに、殺された娘の父親で
 HIV感染者の血液を混入してしまったのです。
 
 HIV感染者の血液を牛乳パックに混入して飲ませたとしても、
 HIVに感染する可能性はほとんどないはずですが、そこは知識の
 少ない中学生。
 
 女性教師のわずかな復讐がその後の悲劇を次々と引き起こします。
 
▽それぞれの章は事件に関連する人たちの告白体でストーリーが
 進行します。
 
 冒頭は女性教諭の復讐が始まる告白から。
 
 さまざまな立場の登場人物がそれぞれの立場で事件に関連する
 ことを告白していきます。
 
 そしてさまざまな人たちを悲劇に巻き込み・・・
 
▽物語の構成としては良くできていて、その次を読みたくなり、
 あっと言う間に読めてしまいます。
 
 ただし、私のようなミステリの素人でも「あれっ?」と思う部分が
 何カ所かあって、もう少しそこを納得の行くように物語を構成して
 もらえると、最高に面白い作品になったのではないかと思います。



 人生を成功に導く読書術! ~おやじむしの3分書評~ より抜粋

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Last updated 2010/04/06 11:16:53 PM
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2010/02/28

新しき啓示(後半)  (1) 
[ 読書感想文 ]  





前半からの続きです。


▽お伝えしたい事は山ほどありますが、到底ここでは詳しい事は
 お伝え出来ません。
 
 「新しき啓示」は九つあるので、そのまま転記します。
 
 ・第一の啓示
 
  神は決して、人間と直接語り合う事をやめていない。神は時の
  はじまりから人間と、人間と通して語り合ってきた。神はいま
  でも、そうしている。
  
 ・第二の啓示
 
  全ての人間は、かつて生きた者、今生きている者、これから
  生きる者の全てと同じく、特別な存在だ。あたながたは全て、
  メッセンジャーである。あなたがたの誰もがそうだ。あなた
  がたは毎日、生命/人生についてのメッセージをたずさえている。
  どの時間にも、どの瞬間にも。
 
 ・第三の啓示
 
  どの神への道も、別の道より神に近いということはない。どの
  宗教も「唯一、真の宗教」ではなく、どの民族も「選ばれた民族」
  ではなく、どの預言者も「最も偉大な預言者」ではない。
  
 ・第四の啓示
 
  神には何も必要ない。神は幸せになるために何も求めない。
  神は幸せそのものだ。したがって、神はこの宇宙の誰も、何も、
  必要としない。
  
 ・第五の啓示
 
  神は単一の超越的存在ではない。宇宙のどこか、あるいはその
  外にあって、人間と同じような感情的ニーズがあって、同じ
  ように感情が動揺する存在ではない。神であるものは、いかなる
  方法によっても傷つき、損なわれる事はありえず、したがって、
  復讐を求め、懲罰を科す必要はまったくない。
  
 ・第六の啓示
 
  すべてはひとつである。存在するものはひとつであり、すべては
  存在するひとつの部分である。
  
 ・第七の啓示
 
  「正しい」とか「間違っている」ということはない。自分たちが
  どうありたいか、何をしたいか、何を所有したいかに照らして、
  有効なことと、有効でないこととがあるだけだ。
  
 ・第八の啓示
 
  あなたがたは身体ではない。あなたがたとは、限りなく、終わり
  のないものだ。
  
 ・第九の啓示
 
  あなたがたが死ぬことはありえず、永遠の地獄に落ちることも、
  決してない。
  
 これらの啓示は、いわゆる一神教といわれる特定の宗教の人口が
 多くない日本に住んでいる限り、あまりピンとこないかもしれま
 せん。
 
 しかし、キリスト教やイスラム教、ユダヤ教等の「唯一絶対神」を
 掲げる組織宗教にとっては、到底受け入れがたいことのようです。
 
 一人ひとりがこれらの啓示を見当し、自らの信念を変えることに
 よって、世界が変わっていきます。
 
 「信念を変えるか変えないかはあなた方次第だ」、この本の中で
 神はそのように伝えています。
 
▽九つの啓示の他に、「神に関する五つの誤解」も説明されています。

 それも転記します。
 
 1.あなたがたは神が何かを必要とすると信じている。
 
 2.あなたがたは神が必要性を満たせないことがあると信じている。
 
 3.あなたがたは自分たちが神から引き離された、なぜなら神に
   必要なものを与えなかったからだと信じている。
 
 4.あなたがたは神がいまでも必要なものを強く欲しているから、
   それを与えるように引き離されたあなたがたに要求していると
   信じている。
 
 5.あなたがたは神の要求に応じなければ、神に滅ぼされるだろう
   と信じている。
   
 この神への誤解も、一般の日本人にはあまりピンとこないかもしれ
 ません。
 
 しかし、この神への誤解を全ての宗教で検討して、信念を変えて
 みると、地球上で起きている争いの大半がなくなってしまうのでは
 ないかと思います。
 
▽この他にも、「危機や暴力、殺戮、戦争を生み出す、生命/人生
 についての五つの誤解」というのがあります。
 
 これも、転記しておきましょう。
 
 1.人間は互いにばらばらである。
 
 2.人間が幸せになるために必要な物は、充分にはない。
 
 3.充分にないものを手に入れるためには、人間は互いに競争
   しなければならない。
 
 4.人間のなかには、他よりすぐれている者がいる。
 
 5.ほかの誤解によって生まれる大きな相違を解決するために、
   人間が殺しあうのは適切である。
 
 この「生命/人生についての五つの誤解」と、前記した「神に
 関する五つの誤解」が組み合わさって、過去数千年の間、もしか
 したら数万年の間、人類は同じように殺し合いをしてきたようです。
 
▽九つの「新しき啓示」の中で私が一番心に留めておくべきだと
 思うのは、第六の啓示です。
 
  すべてはひとつである。存在するものはひとつであり、すべては
  存在するひとつの部分である。
 
 神という存在は、存在する全てであって、私たち人間や動物、
 石などの鉱物等、宇宙に存在する全てが神なんだそうです。
 
 ということは、私も私以外の人間も神の一部であって、神その
 ものであるということになります。
 
 そして、良いことにしろ良くないことにしろ、私が私以外の人間に
 対して与えるものは、私が私に与えているのと同じ結果になります。
 
 人間個々がこのことに気が付くと、世界のいろいろなことが変わって
 くるような気がします。
 
 なかなか哲学的な部分もあって、スラスラ読める本ではありませんが、
 一読の価値はあります。
 
 読んでみることをお勧めします。



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Last updated 2010/02/28 10:10:32 PM
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新しき啓示(前半) 
[ 読書感想文 ]  





──────────────────────────────
 ◆今回紹介する本
──────────────────────────────
 題名:新しき啓示
 著者:ニール・ドナルド・ウォルシュ
 出版:サンマーク出版
 定価:2000円+税
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4763194828/oyajimushicom-22/ref=nosim/



──────────────────────────────
 ◆目次
──────────────────────────────
 ※多数あるので省略します。



──────────────────────────────
 ◆成分解析
──────────────────────────────
 知恵  :■■■■■
 勇気  :■■■■■
 豊かな心:■■■■■
 おすすめ:■■■■■



──────────────────────────────
 ◆内容紹介
──────────────────────────────
▽だいぶん前に「神との対話」という本の三部作を紹介したことが
 あります。
 
 時間がありましたら読んでみてください。
 
 「神との対話」,Vol130,2006/09/13配信分
 http://archive.mag2.com/0000194014/20060913060000000.html
 「神との対話2 1回目」,Vol437,2007/07/22配信分
 http://archive.mag2.com/0000194014/20070722060000000.html
 「神との対話2 2回目」,Vol438,2007/07/23配信分
 http://archive.mag2.com/0000194014/20070723060000000.html
 「神との対話3 1回目」,Vol453,2007/08/07配信分
 http://archive.mag2.com/0000194014/20070807060000000.html
 「神との対話3 2回目」,Vol454,2007/08/08配信分
 http://archive.mag2.com/0000194014/20070808060000000.html
 
 いずれも厚い本で、しかもかなり読み応えがあります。
 
 内容も少し難しく、気を抜いて読むと言っていることが分から
 なくなってしまいます。
 
 読むのにかなり時間がかかりますが、掛けた時間分の価値はある
 ので一度読んでみることをお勧めします。
 
▽「神との対話」三部作は、著者のニール・ドナルド・ウォルシュ
 が神と対話した内容が書かれています。
 
 神と直接会話を交わしたわけではなく、著者の問いかけを紙に書き
 著者の頭に浮かんだ神からのメッセージを著者が紙に書くという
 形式で進められます。
 
 したがって、「神との対話なんて嘘で、著者の思想を書いただけ
 だろう?」と頭から否定してしまえばそれまでですが、神のメッ
 セージなのか著者の思想なのか、そんなことはどうでもよくて、
 要は書いてあることが有用だと思えたなら自ら実践してみることが
 大切です。
 
 これは、他の著者が書いた本も同じで、「嘘だ」と思うなら無視
 すれば良いし、「これは使える」と思えば実際に試してみれば
 いいだけです。
 
 今回紹介する「新しき啓示」も神との対話と同じように、著者と
 神との対話の様子が書かれています。
 
▽神との対話三部作もそうでしたが、本毎にある程度テーマが
 決まっていて、「新しき啓示」のテーマは宗教です。

 この本は2003年6月に出版されていて、同じ年の3月にアメリカ
 とイギリスによるイラクへの侵略が始まっています。
 
 いちおう形式的には「国どうしの戦い」という構図が見えますが、
 根はかなり深い部分にあって、しかも歴史的な背景、そして宗教の
 違いが見え隠れしています。

 見方としては「国対国」という戦いではなくなり、「テロ対国」、
 バックにはやはり宗教対宗教が見えてきます
 
▽世の中には数え切れないくらいたくさんの宗教が存在しています。
 
 ネットで調べてみると宗教人口が多い順に、以下の通りとなって
 います。
 
 1.キリスト教
 2.イスラム今日
 3.ヒンドゥー教
 4.仏教
 5.シーク教
 6.ユダヤ教
 
 実は単純に上記のように区分け出来るわけではなく、別のページ
 によると以下のようになっているとのこと。
 
 1.カトリック(キリスト教)   10億4000万
 2.イスラム教・スンニ派     9億5200万
 3.ヒンドゥー教         7億4700万
 4.儒教・道教          3億6900万
 5.プロテスタント(キリスト教) 3億6100万
 6.東方正教(キリスト教)    2億2300万
 7.大乗仏教(仏教)       1億9800万
 8.イスラム教・シーア派     1億8400万
 9.上座部仏教          1億3400万
 10.英国教会派(キリスト教)     5500万
 11.シーク教             2300万
 12.チベット仏教           2100万
 13.ユダヤ教             1500万
 14.イスラム教・ワッハーブ派     1100万
 
 で、現在の世界はごく簡単に言うと「キリスト教対イスラム教」
 もしくは「ユダヤ教対イスラム教」という構図になっています。
 
 ところが、実際はもっと複雑で、同じキリスト教やイスラム教でも
 宗派によっては激しく対立している場合もあって、一概に
 「キリスト教対イスラム教」とか「ユダヤ教対イスラム教」とは
 言えない世界になっています。
 
 歴史的に見て、そして現在も頻繁に戦って目立つ宗教と言えば、
 やはり、キリスト教×イスラム教×ユダヤ教です。
 
 この三つの宗教は千数百年も昔から戦ってきました。
 
 でも、この三つの宗教は呼び方が違うとは言え、同じ神を掲げて
 いる一神教です。
 
 元もとイエスはユダヤ教のラビ(僧侶)で、旧約聖書はユダヤ教と
 キリスト教の聖典でもあるし、イスラム教でも旧約聖書の一部が
 聖典として取り込まれています。
 
 つまり、簡単に言ってしまうと「出は同じ」で途中救世主として
 現れたのが「イエス」、預言者として現れたのが「ムハマンド」
 です。
 
 キリスト教の聖典である新約聖書には、イエスは直接文章を残して
 いません。
 
 全て、イエスの弟子たちと後世の人たちが書いたものです。
 
 またイスラム教の聖典であるコーランも、ムハマンドが書いた
 ものを後世の人たちが書き加えたのもです。
 
▽ひねくれた見方をすれば、全てではないですが、誰かが言った
 ことを数日後に思い出して書いたとしたら、それは内容的にかなり
 怪しいです。
 
 例えば伝言ゲーム。
 
 短い文を口頭で伝えるだけでもそう簡単には正しく伝わりません。
 
 しかも、新約聖書が現在の形になったのはイエスが死んで数百年
 経ってからの話。
 
 時の権力者に利用された可能性も十分にあります。
 
 このようにして完成された千数百年も前の文章を、現代にそのまま
 利用できるとは到底思えません。
 
 いろいろな聖典に書いてある、神に関する事柄には、嘘や間違いが
 沢山ありそうです。
 
 そのことを指摘しているのが今回紹介する「新しき啓示」です。
 
 嘘か本当か私には判りませんが、神はこの本の中で神に関する
 間違った認識を提示しています。
 

 後半へ続く。



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