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カテゴリ:読書感想文
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◆今日読んだ本 ────────────────────────────── 題名:「論理的に話す力」が身につく本 著者:北岡俊明 出版:PHP研究所 定価:1200円(税別) 購入:ブックオフで105円 ────────────────────────────── ◆本の目次 ────────────────────────────── 第1章 何が、日本人から論理を奪ったか 第2章 論理的に話すための基本原則 第3章 あいまいな表現をやめること 第4章 コトバを定義する 第5章 カタカナ語に注意せよ 第6章 擬音語、擬態語は注意しよう 第7章 形容詞、形容動詞、副詞を警戒せよ 第8章 論理・論点のすり替えを見破ること 第9章 全肯定か全否定で表現すること 第10章 正しい前提で話すこと ────────────────────────────── ▼本の成分解析 ────────────────────────────── 知恵 :■■■□□ 勇気 :□□□□□ 豊かな心:□□□□□ おすすめ:■■□□□ この本は2001年4月に出版されています。 著者は「ディベート大学」という活動を主宰している方です。 アマゾンを検索してみると、多数の著作がありますね。 「論理的」という言葉は良く聞きますが、論理的とははたしてど ういう事なのか?その辺りを目標に読んでみましょう。 今回はこの本を次のような視点で読んでみました。 ────────────────────────────── ■この本のどこを読むか ────────────────────────────── 1)論理的に話すとはどういうことなのか? 2)論理的精神とは何か? 3)論理的に話すためのテクニックはあるのか? 主に「論理的に話す方法」について、知りたいですね。 忙しい方のために、結論を先に紹介します。 ────────────────────────────── ■この本をどう読んだか ────────────────────────────── 1)論理的に話すとはどういうことなのか? 「論理というものは本質的に妥協がなくきびしいものである」 「話の手順、進め方が理詰めであり、筋が通っていて、わかりや すいという意味である。話にストーリーがあること、序論・本論・ 結論や起承転結などがあることである」 「内容が奇想天外な空想やおとぎ話、あるいは、はったりやペテン ではなく、事実や証拠や科学などに基づいた内容ということである」 2)論理的精神とは何か? 「論理的なる精神とは何か。それは大人の条件となる精神のこと である。大人と子供を区別するもの、それが論理的なる精神である」 「この論理的なる精神を前提として、論理的思考力や論理的表現力 がそなわって、はじめて論理的に話すことができる」 3)論理的に話すためのテクニックはあるのか? 「逆三角形型で話す」 「TPOを考えて、逆三角形型と三角形型を使い分けるべき」 「コトバの定義なしには、論理的な思考、科学的な思考、論理的 な会話などは不可能である」 「カタカナ語に注意する」 「擬音語、擬態語に注意する」 「形容詞、形容動詞、副詞を警戒する」 「論理・論点のすり替えを見破ること」 「全肯定か全否定で表現すること」 「正しい前提で話すこと」 ────────────────────────────── ★今日から実行すること ────────────────────────────── 【論理的思考を文章で表現する練習をしよう】 ────────────────────────────── ●もっと知りたい方のために ────────────────────────────── ●まずはじめに「論理的に話す」とはどういうことなのでしょうか? ▽その前に「論理」とは何でしょう? 良く使いますが、指摘されるとうまく説明できませんね。感覚で しかわかりません。 著者が定義する「論理」とは、 「罪を犯せば罰せられ、人に迷惑をかければしかられ、人を殺せ ば死刑になり、領海を侵せば轟沈される、そういう人間社会の厳 しい常識のことをいうのである」 「論理というものは本質的に妥協がなくきびしいものである。」 「論理の最大の敵は『豊かさ』と『甘え』と『幼児性』である」 例のあげ方に、著者の「思想」がかなり入ってますが、「論理」 という言葉の意味は分かりました。 つまり、「あいまいではなく、筋が通っていること」ということ ですね。 ▽では「論理的に話す」とはどういうことなのでしょうか? 著者の定義では二つの意味を含んでいると言います ひとつは「話し方が論理的である」 もうひとつは「話の内容も論理的である」 ひとつめの、話し方が論理的とは、 「話の手順、進め方が理詰めであり、筋が通っていて、わかりや すいという意味である。話にストーリーがあること、序論・本論・ 結論や起承転結などがあることである」 ふたつめの、話の内容も論理的であるとは、 「内容が奇想天外な空想やおとぎ話、あるいは、はったりやペテン ではなく、事実や証拠や科学などに基づいた内容ということである」 現在の、私の話し方は、全く「論理的ではない」ですね(笑) 序論・本論・結論など、意識して話したことはないです。 「落ち」を意識して話すことはありますが... これは、逆に他人の話を意識して聞いてみると、理解できるかも しれません。 ●では次に「論理的精神とは」どういうことなのでしょうか? ▽著者は、「論理的に話すには、根本に論理的なる精神が必要である」 と主張します。 「論理的なる精神とは何か。それは大人の条件となる精神のこと である。大人と子供を区別するもの、それが論理的なる精神である」 と言っています。 「この論理的なる精神を前提として、論理的思考力や論理的表現 力がそなわって、はじめて論理的に話すことができる」 つまり、論理的に話すためには、普段から論理的な思考や行動が 必要なのですね。 これも、私に欠けている部分です。 ●次に、「論理的に話すためのテクニック」はあるのでしょうか? ▽著者はそのうちの一つとして、「逆三角形型」で話すことを提唱 しています。 逆三角形型とは「結論、言いたいこと、ねらいを先に述べ、最後 にもう一度結論を確認して締めくくる」といった話しの方法です。 日本人には「三角形型」の話し方が多いそうです。 三角形型とは「なかなか結論を言わない。最後のほうになってやっ と結論らしきものが出てくる」といった話しの方法です。 会社の偉い人の話はだいたい「三角形型」ですね(笑) 何を言いたいのか分からない場合がほとんどです。 日本の落語は典型的な三角形型の話し方なのだそうです。 そりゃそうでしょうね。落語が逆三角形、つまり結論から先に話 されたらおもしろくともなんともありません。 著者はTPOを考えて、逆三角形型と三角形型を使い分けるべき だと言います。 ▽他に、論理的に話すためには次のような「紋きり型、ワンパターン 型、ステレオタイプの話し方」に注意しなければなりません。 「原稿の棒読み」 「棒しゃべり」 「『芸』がない話し方」 ▽また、次にようなテクニックも有効です。 「話すことを箇条書き(短文)にし、区切って話す」 「あいまいな言葉を減らす」 「明瞭明晰に言い切ること」 ▽特に著者が主張しているのは「コトバの定義」です。 「コトバの定義なしには、論理的な思考、科学的な思考、論理的 な会話などは不可能である」 「明晰な思考(論理的な思考)は明晰なコトバの定義から生まれ、 明晰な定義は明晰な思考を生む。あいまいな思考はあいまいコトバ から生まれ、あいまいなコトバはあいまいな思考を生む」 つまり、自分で使う言葉は、意味がはっきりしないものを使わな いということですね。 ▽一つ例をあげてみましょう。 よくテレビや雑誌で「グローバルスタンダード」という言葉を聞 きます。 しかし、「グローバルスタンダード」とは何でしょうか? 私は「世界的な標準という意味かな?」と思っているのですが、 これがダメな例ですね。 コトバの定義とは、万人に共通な解釈を知っていることなのです。 知らないコトバを使ってはならないのです。 納得です。 ▽著者はコトバの定義の原則を次のようにあげています。 「定義は本質的属性を明示すること」 「定義はバランスがとれていること。すなわち、広すぎても狭す ぎてもいけない」 「定義は循環してはいけない」 「定義は一義的にわかること。多義的、比喩的な表現をしてはい けない」 「定義は否定的であってはならない」 ▽他にテクニックとして、次のことが提唱されています。 「カタカナ語に注意する」 「擬音語、擬態語に注意する」 「形容詞、形容動詞、副詞を警戒する」 「論理・論点のすり替えを見破ること」 「全肯定か全否定で表現すること」 「正しい前提で話すこと」 論理的に話すには何に注意すれば良いのか? という問いには、ある程度答えてくれている本だと思います。 しかし、色々なところで使用されている「例」に、著者の思想が 色濃く入っています。 私には、そこがとても残念です。 著者の思想が良いとか悪いとかの問題ではなくて、この本で主張 したいことが2つあるように思えてしまうのです。 論理的に話す方法と著者の主張の2つです。 この題名で出版するのであれば、著者の思想は省くべきで「論理 的に話す力」を前面に出すべきだと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
>この題名で出版するのであれば、著者の思想は省くべきで「論理的に話す力」を前面に出すべきだと思います。
同感です!! 著者は独自の思想を持っているようですが、それをその著書に色濃く反映しています。その姿勢には違和感を覚えてしまいます。残念です。 (2013/10/06 01:09:40 PM) |