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カテゴリ:読書感想文
────────────────────────────── ◆今日読んだ本 ────────────────────────────── 題名:日本の父へ 著者:グスタフ・フォス 出版:新潮社 定価:750円(文庫版が出ています) 購入:ブックオフで105円 ────────────────────────────── ◆本の目次 ────────────────────────────── 1.父ありき-私は父からこう学んだ 2.おやじさまざま-私は教え子の父とこう語る 3.明日の父に-私は教え子の結婚式でこう話す ────────────────────────────── ▼本の成分解析 ────────────────────────────── 知恵 :■■□□□ 勇気 :■■■■■ 豊かな心:■■■□□ おすすめ:■■■■■ この本は昭和52(1977)年3月に出版されています。 今から約30年前の出版です。 amazonによると、この本はベストセラーになったようです。 Vol.33で「日本の父へ再び」という本の紹介をしました。 そのときに、前著「日本の父へ」という本があることを知り、 ブックオフで探していたところ、ようやく発見できたのです。 著者は、1947年に栄光学園の初代校長に就任とあります。 戦後の混乱期に占領軍の指示によって学校を建設します。 30年前の父親の問題点と現在の父親の問題点はどの様に違うの でしょうか? その辺りのことも読んでみたいと思います。 今回はこの本を次のような視点で読んでみました。 ────────────────────────────── ■この本のどこを読むか ────────────────────────────── 1)話す父より話せる父とは、どのような父親か? 2)「みんなそうしている」で育つとどうなるのか? 「みんなそうしている」は今でもよく聞きます。 忙しい方のために、結論を先に紹介します。 ────────────────────────────── ■この本をどう読んだか ────────────────────────────── 1)話す父より話せる父とは、どのような父親か? 「話し合いという言葉は、いまや教育問題の万能薬として考えられ、 とりわけ父親に強く求められている」 「良く耳にすることだが、息子と話し合わなくてはならないという わけで、彼を正座させ訓話を聞かせる父親がいるようだ。そんな ことは絶対にしてはならないとはいわないが、もちろん、それは 話し合いではない。話し合いは単なる説教とか、小言とか、ある いは助言とかいうようなものではないからである」 「その一つは、家庭内の話し合いの雰囲気である。親しく話し合う 前に、親しくつき合うということだ。日常生活のなかでの自然な ふれあいを通して、親と子の間に遠慮のないつながりが生まれ、 そしてはじめて気軽に語り合うことができるのである」 「もう一つ、話し合いの前に忘れてはならぬことがある。よく経験 することだが、親には、自分ではあまり話をしないのに、子ども には大いに話してもらいたいと思う傾向がある」 「たとえば、勉強はどうだった?試験はできた?先生に叱られな かった?どんなことをして遊んだ?などのような、子どもにとって 煩わしさ以外のなにものでもない質問をして、無理やりに報告さ せる」 「子どもはこのような余計な口出しをひどく嫌悪し、心の中で反抗 してしまうことが多いのである」 「私は親と子どもがもっとおしゃべりになることをすすめたい」 「親子同士の話し合いは、親同士の話し合いからはじまる。と、 こういっても過言ではない。父親や母親は、その日にあったこと、 失敗したこと、楽しかったこと、悩んだり心配していること、 あるいは今度やってみたいと思っていることなどを、子どもの前で、 子どもを交えて語り合うべきなのである」 2)「みんなそうしている」で育つとどうなるのか? 「子どもの考え方というものは、自分が育つ間に見たり聞いたり、 経験したりすることによって、強い影響を受けるのである。道徳的 価値観も決まってくる。親、先生、そして大人の責任は大きい」 ────────────────────────────── ★今日から実行すること ────────────────────────────── 【夫婦でもっと話し合おう】 ────────────────────────────── ●もっと知りたい方のために ────────────────────────────── ●はじめに「話す父より話せる父」とはどのような父親なのでしょ うか? ▽著者は次のように言います。 「話し合いという言葉は、いまや教育問題の万能薬として考えられ、 とりわけ父親に強く求められている」 「良く耳にすることだが、息子と話し合わなくてはならないという わけで、彼を正座させ訓話を聞かせる父親がいるようだ。そんな ことは絶対にしてはならないとはいわないが、もちろん、それは 話し合いではない。話し合いは単なる説教とか、小言とか、ある いは助言とかいうようなものではないからである」 今でも、親子、とりわけ父と子の話し合いは問題になっています。 30年前から何も進歩していないのです。 でも、考えてみれば30年前に問題になっていた父親に育てられた 子どもが、現在は父親になっているのですから、しようがないで すね。 例え話し合うにしても、サザエさんに出てくる「磯野波平」タイプ の話し合いは、話し合いとは言わないのです。 確かに子どもと話をするときは、どちらかというと注意とか小言を 言う場合が多いような気がします。 これでは、嫌がられるに決まってますね。 ▽著者は、親子同士が話し合いをするにはいくつかの条件があると 言います。 「その一つは、家庭内の話し合いの雰囲気である。親しく話し合う 前に、親しくつき合うということだ。日常生活のなかでの自然な ふれあいを通して、親と子の間に遠慮のないつながりが生まれ、 そしてはじめて気軽に語り合うことができるのである」 親子が話し合いをするのは、普段からの家庭内での付き合い方が 大切なのです。 話したいときだけ話そうと思っても、子どもが聞いてくれるわけ ないですね。 かといって、「友達のような父親」というのも問題だと思います。 以前、おもちゃ屋さんに行ったときに、子どもが親に対して 「ため口」で話をしているのを見たことがあります。 このときはとても違和感を感じました。 親と子が、親しく話すことは大切だと思うのですが、絶対に友達 ではありえません。 なぜなら、親は子に対して責任を持たなくてはならないからです。 一方の人間だけに責任が生じる関係は、友人ではないはずです。 友達のような父親は、気を付けなければならないと思います。 しかし、全く会話がない親子よりはまだマシかもしれません。 ▽著者は言います。 「もう一つ、話し合いの前に忘れてはならぬことがある。よく経験 することだが、親には、自分ではあまり話をしないのに、子ども には大いに話してもらいたいと思う傾向がある」 「たとえば、勉強はどうだった?試験はできた?先生に叱られな かった?どんなことをして遊んだ?などのような、子どもにとって 煩わしさ以外のなにものでもない質問をして、無理やりに報告さ せる」 「子どもはこのような余計な口出しをひどく嫌悪し、心の中で反抗 してしまうことが多いのである」 私はこれよくやります(笑) 平日は、あまり接点がないし、晩ご飯もどうしても時間がずれます。 毎日何をして、何を考えているのか知りたいので、休みの日に聞き まくります。 「勉強何が一番得意なの?」等、知りたいことを聞いていたので すが、これは子どもにとって単なる報告であって、煩わしいこと だったのです。 この本には「取り調べ」と書いてありました。 ▽では、著者はどうすべきだと言っているのでしょうか? 「私は親と子どもがもっとおしゃべりになることをすすめたい」 「親子同士の話し合いは、親同士の話し合いからはじまる。と、 こういっても過言ではない。父親や母親は、その日にあったこと、 失敗したこと、楽しかったこと、悩んだり心配していること、 あるいは今度やってみたいと思っていることなどを、子どもの前で、 子どもを交えて語り合うべきなのである」 親子の会話をスムーズに成立させるには、親同士の普段からの会話 が大切なのです。 言われてみると確かにそうですね。 また、子どもの前で両親が話をするということは、子どもを信頼 しているというサインを送っていることになるのだそうです。 夫婦が普段から普通に話し合う雰囲気があれば、自ずと親子が 話し合う雰囲気が生まれてくるのです。 ●では「みんなそうしている」で育つとどうなるのでしょうか? ▽ここで言う、「みんなそうしている」は子どもの言葉ではなく、 親の言葉です。 ここで例としてあげられているのは、 「親が、率先してキセルする」 「親が遅刻届けの理由を腹痛と書く」 「親が税金をごまかす」 … そして、この行動に対し「いいんだよ。みんなそうしているんだ」。 こんな言葉で子どもに話をしてはいけないのです。 著者は言います。 「子どもの考え方というものは、自分が育つ間に見たり聞いたり、 経験したりすることによって、強い影響を受けるのである。道徳的 価値観も決まってくる。親、先生、そして大人の責任は大きい」 周りの大人が「いいんだよ。みんなそうしているんだ」という 考え方で、行動していると、当然子どももそうなります。 「みんなそうしているから、やってもいいんだ」となります。 これは、ほんのささいなことから始まると思います。 例えば、車を運転しているときなどがそうかもしれません。 信号無視をしない。 スピード違反をしない。 お互いに譲り合う。 等々。 子どもはいつも見ています。 そして、親と全く同じ事をします。 「みんなそうしているから...」と平気で行動する子どもは、 その親がそのような考えで生活しています。 これは間違いありません。 親は、小さなことでも、子どもに見られていることを意識しながら 生活しなければならないのではないでしょうか? この本を読んでいて驚いたのは、30年前に著者が危惧していた ことが、現在ではもっとひどくなっているということです。 何も進歩せず、さらに悪化しているようです。 現代の親が読んでも、全く違和感なく受け入れられると思います。 子どもを持つ親、もしくは、将来親になろうと考えている方、 一読することをおすすめします。 人生を成功に導く読書術! ~おやじむしの3分書評~ より抜粋 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/09/14 04:37:51 AM
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