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カテゴリ:居眠り磐音
坂崎空也は胃の腑がひっくり返るような荒波の海を乗り越えて、穏やかな正月4日に対馬に渡りついた。
対馬から朝鮮を見るという一つの目的があった。 鰐浦で船を降り久ノ下崎というところの突端に立って十二里さきの朝鮮、釜山を眺めていた。 朝鮮は想い人の先祖の故郷らしい。 しばらく眺めて、剣術の一人稽古をして、さて、どうしようか… その時に空也の稽古を見ていた対馬藩の藩士に声をかけられて、そこから話しが始まる。 ひょんなことで不思議な男の人と出会い彼の仕事を手伝って、対馬では約5日間過ごし、海の色や島の姿ノ美しい壱岐に立ち寄り、そこで約半月過ごす。壱岐には御嶽神社とか猿岩などの有名な観光地がある。 自転車の旅の番組でも観た。今は家が立ち並び、 空港もあり今の暮らしがある。 1790年近い頃は、まだたただのどかな美しい島で、空也は猿岩の側で朝鮮の武人と約半月稽古をし、平戸に渡っていった。 平戸でも半月余り過ごし、長崎に行くことにして、この巻のお話は終わった。 空也は沢山の人達に助けられて修行をしていた。 お金もわずかしか持っていない武者修行者が、一日とて暮らすのは困難なことだ。野垂れ死してもおかしくはない。 助けてくれる人達は剣術修行に打ち込む空也の一途な姿に心打たれて助けることになる。 訪れた先々で剣術仲間が出来、空也との稽古を楽しみ、喜んでくれた。 ずっといてもらいたい、と願いながらも、空也の事情が許さない。 空也は命を狙われ、追われている。 逗留した所には迷惑をかけたくない。 なので、沢山の別れと出会いがあり、無事に修行を終えて両親の元に帰れるように願ってもらい、 勤番で江戸に行った時は必ず尚武館に行く、と約束をされる。 名残惜しみながら送られたりする。 春ののどかな旅路の空の下、母を思い出しながらいつの間にか想い人の顔が浮かんで来たりする、 19歳の正月から春迄のお話し。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021/11/10 01:32:20 PM
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