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カテゴリ:音楽
01.River of Orchids 02.I'd Like That 03.Easter Theatre 04.Knights in Shining Karma 05.Frivolous Tonight 06.Green Man 07.Your Dictionary 08.Fruit Nut 09.I Can't Own Her 10.Harvest Festival 11.Last Balloon ■最も美しいロックアルバムは何かと言われれば、このXTCのアルバムをあげる。ま、今夜はそんな気分である。巷に「XTC占い」なる言葉があるかどうかは知らないが、このバンドの作品群の中でどれが最も好みかと訊かれた時の答でその人の性格などが透けて見えるような気もするのである。 ■自分にとってのXTCとの出会いは「Black Sea」だった。サウンド・ストリートで渋谷陽一がこのアルバムの曲を見事なカタカナ読みで紹介しながらかけていた。当時は人ひとり成功するのに英語力がうんぬんされる時代ではなかったのだ。ともあれ、ギターのかっこよさ、メロディの引っかかり具合、どれをとっても、「これは好みだ」のかたまりだった。 ■遡って、「Drums&Wired」「English Settlement」、その後「Skylarking」「Oranges&Lemons」などにも夢中になる。日本人でいることの幸福はXTCの企画盤が容易に手に入る環境にあるという部分もあるのだ。けだるい夏の午後や、凍えるような冬の日に、しばらく「Skylarking」の虫の音が私の部屋では鳴り続けていた。この「Apple Venus」がでるまではね。 ■M1の始まりはまさに非日常への誘いであって、ループする弦の音の積み重ねは癒しどころかある種の混乱を脳内に発生させる不思議な起爆剤となっている。英語がわからなくて良かった。ひとつの音として言葉が鳴っているだけに聞こえるということの幸福。もしも I heard the dandelions roar in Piccadilly Circus という一節が 「タンポポがピカデリーサーカスでわめいているのが聞こえる」という意味として聞き取れてしまったら、安心してこの曲に聴き惚れてはいられないということ。 ■11曲中Andy Partridge の曲が9曲。変なS&G だと思っても良い。この人の印象はKing Crimson の Robert Flipp とダブる。酒の席かなんかで隣に座りたくはないな。それでもこのアルバムの中での彼の楽曲はやけに浸みるんですよ。アコースティックなのにドライブしてしまうM2、地味だけどこの人らしいメロディのM4、ラスト3曲の何回も聞き返したくなるような哀愁。オーケストラを使った弦の響きがかなり有効なんだ。そして一番のお気に入りはM6。中近東風の独特のメロディが大好きです。「ハサミ男」といいこの「ミドリ男」といい、・・・man シリーズはAndy の「おはこ」なのかな。 ■ライブをやらなくなって20年。昔大勢いたメンバーが今は二人。それでも、Andy Partridge がいるかぎり、この音楽はあり続ける。解散も結成もない。XTCは彼なのだから。 PS ■XTC占いによると、この「Apple Venus」が好きな人は私のような性格だそうだ。嫉妬深くて、現実逃避、ロマンティストのふりをした小心者。へへへ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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