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tomo_hの映画ログ

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2015.01.21
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カテゴリ:映画ログ
1862年アメリカの奴隷解放令が成立した。この映画の時代は直前の1841~1853年までの12年間を描いている。北部と南部では黒人に対する見方がずいぶんと違っていたことが分かる。北部では自由黒人という身分が存在し職業的な制約はあっても技能を認められれば充分優遇されていた。主人公は優れたバイオリン弾きだったので、黒人と言えども市民生活はほとんど白人と変わりなかった。だがこの当時のアメリカ社会には大きな危険が潜んでいた。小遣い稼ぎにと軽い気持ちで遠出演奏に出かけたソロモン・ノーサップはまさか自分という「人間」が「一つの商品」として売られるとは思いもしなかった。眠り薬でも入っていたらしい酒を呑まされ、目が覚めてみると南部へ向かう奴隷船の中だった。こうしてこの後12年間にわたる奴隷暮らしが始まった。

監督はカリブ海の島国出身のアフリカ系のステイーブ・マックイーンで、ソロモン役はキウエルティ・イジョフォーという人だがこの人がとても好い。人格の良さとか頭の良さが感じられ、苦難に耐える精神の強さも見せてくれて、良い俳優だ。リドリースコット&ラッセル・クロウ的にマックイーンとコンビのできているマイケル・ファスビンダーが南部の綿花農場の主人で熱演の怪演、奴隷にに対して異常で横暴な狂気じみた心を持つ南部人に扮する。彼のもとに居たらいずれ殺されると感じたソロモンは何とか北部の友人に連絡して、助けてもらおうとしたが、その手紙一本すら誰かに託せない。あきらめかけたころ、やっと願いがかなう。

監督の出身地のカリブ海地方にも北アメリカ全土にも多くの黒人が住んでいる。彼らの先祖は別に来たくて来たのではないだろう。無理やりにアフリカ大陸から連れてこられた人たちの子孫だ。アメリカの歴史に消すことのできない問題を感情的にならず描いている映画で強い感動を受けた。しかしマックイーン監督は美術的には素晴らしいが、話のつなぎ方などにちょっと喉の詰まりそうな感じのするところがあり、そこが気になった。

(おまけ)最初のご主人が林業の大地主のベネデクト・カンバーバッチだ。彼はソロモンの能力を認めていたが、運悪くソロモンが農場の白人監督官の憎しみを買ってしまったため彼を売る。こうなると暗闇に隠れて目の届かないところで、いくらでも奴隷を殺せる立場の監督官の下では危険だ。

それでも夜は明ける





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Last updated  2015.01.21 14:09:47
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背番号のないエース0829@ ニーナ・ホス 「水を抱く女」に、上記の内容について記…
背番号のないエース0829@ ニーナ・ホス 「水を抱く女」に、上記の内容について記…
背番号のないエース0829@ Re:ヒトラー 映画〈ジョジョ・ラビット〉に上記の内容…
アイスクリーム@ Re:エリザベート愛と哀しみの皇妃(オーストリア、ドイツテレビドラマ)(08/09) 綺麗事ではなくメロドラマ仕立て。 勝ち…
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