研修旅行引率
勤務校の学生引率で滋賀・京都へ。初日は、三井寺と琵琶湖博物館を廻って、保育実習をお願いしている施設でのオリエンテーション。 2日目の昨日は、朝のうち少し小雨交じりだったものの、みるみる晴れて、かんかん照りに。クラスを2つに分けて、片方のグループが保育園に、もう片方のグループが京都での自主研修に入る。自分は、保育実習のグループの方に参加し、子どもと関わる学生の姿を見学する。今回お世話になる保育園は、ユニークな保育方針と恵まれた環境で、この世界では割と知られたところである。 3時過ぎに実習を終えて、バスに拾ってもらい、京都自主研修組と合流して、一路、大津京跡へ。大津京跡を車中から見学して、近江神宮へ。 バスガイドさんも「初めて来ました、どうしてここを?」 ハイ、佐藤のリクエストです。わずか5年とはいえ都の置かれた地。こういう機会じゃないと観られないし、宿泊地から遠くないので、見学コースに組み込んでもらったのだ。まぁ、学生はあんまり楽しくないだろうけれど。 3日目は、京都自主研修組と共に行動。前日同様、保育園で保育実習組を下ろして、三十三間堂に移動。今年の大河ドラマに合わせて、コテコテの観光地を選択。市内観光のアクセスの便利さと、意外と行ったことのない学生が多かったことで決めた場所。 学生と別れて、時間調整のため、今までお参りしたことのない、誓願寺に立ち寄る。新京極の端にあり、これまで錦天満宮も蛸薬師もお参りしているのに、行ったことのなかった寺。“山までは見ず”ってところだろうか。謡曲にもある誓願寺は、予想どおり小さな寺で、朱印をいただくと終了。少し時間が余ったので、蛸薬師にも立ち寄る。マスコット(?)のタコを撫で撫でして、裏庭へ。ここは小さな坪庭があって、メダカとスイレン鉢がたっぷりあるので、メダカ飼育者としては、ぜひぼんやりした時間を送りたいところ。 予定の時間になって、佐藤的メイン中のメイン、壬生寺へ。フフフ、ご存知の方も多いだろうが、この時期、壬生寺は、「壬生大念佛会」いわゆる壬生狂言を開催する。壬生狂言は熱田と横浜で観たことがあり、視聴覚教材も持っているのだけれども、うちの研修旅行がこの時期にあたっているため、是非とも本場で観たかったのだ。街中の普通のうどん屋でうどんをすすり、早々に並んで、待つこと45分。無事、最前列を確保でき、ふと足元を見ると、蜘蛛の糸(鉛の芯付き)が。どうも昨日の演目に「土蜘蛛」が入っていたらしいが、拾われなかったのだろう。お金が貯まると言われるお守りなのに。勿論ゲット。 最初の演目は定番の「炮烙割」。2人の男(鞨鼓売りと炮烙売り)のやりとりが続き、舞台正面の欄干に、素焼き(?)の皿が山と積まれる。解説によれば、その数1000枚。瞬く間に、炮烙売りの男が皿の山で見えなくなる。と、そこへもう鞨鼓売りが再登場して、ガンガン皿を落としていく。素焼きの皿は粉々に砕け、もうもうと立ち上る赤茶色の土煙が観客席に舞い上がる。ありがたや、ありがたや~。学生にもさんざんアナウンスしたのだが、これを観に来た者はいなかったようだ。残念。 本日の演目は、この後、花盗人・道成寺・・・と続くのだが、時間の関係で席を立ち、南に下って京都水族館へ。京都の自然をアピールする、今年3月にオープンしたての水族館である。日本周辺の海を1つにまとめたという“ウリ”の大型水槽は、なんだかごちゃごちゃして、ちょっとビミョウ。里山を模した巨大ビオトープはまだまだ植え付けが始まったところで、今ひとつ。これから初夏にかけてぐんぐん成長していくことだろう。手入れが大変だろうけれど。里山らしさを出すためか、クロメダカの群れが泳ぎ、すでにアメンボが来ていた。 学生集合の20分前に京都駅前にて添乗員さんと合流。三々五々戻ってくる学生を迎え、さらには保育実習を終えた学生のバスに乗り込み、一路、将軍塚大日堂へ。またまたバスガイドさんから「珍しい場所を回りますねぇ」とコメントをいただく。ガイドさんも仕事では1回しか来たことがないらしい。ここもまた、車でないとなかなか行けない場所なので、組み込んだ場所だ。ガイドさんの説明に佐藤が解説を加え、夕刻、日の沈む京都市内をみんなで見下ろす。「京都でも指折りのパワースポットで、カップルがよく来るんだよ」と言うと、さすがに学生も盛り上がる。みんな、良い恋愛ができますように(祈)。 遅咲きのしだれ桜があちこちに植わっていて、庭園も見事だった。大日堂は秋ももちろんだけれども、この時期も良いかもしれない。 かくしてハードな1日が終わり、かと思いきや、実習でお世話になったところの園長先生に来ていただき、夕食後に振り返りの講習会。学生が居眠りしたらどうしようなどと思っていたが、杞憂だった。実習を終えたばかりということもあり、保育方針や保育の視点について、しっかり話を聞いていた。実りある実習になったようである。