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きょうは学童保育について書いてみます.勝手にご紹介しますが,学童保育についてはdr. stonefly さんが時々書かれているので,そちらも参考にしてください.
さて, 学童保育とは,小学生を放課後に預かる施設(というより「仕組み」)である.両親が共に外で働いている家庭などは,子供は学校がひけて家に帰っても親がいない.だから夕方,親の仕事が終る時刻ころまで子供を預かってくれる仕組みが欲しい.そういう切実な要望があって,親たちが自発的にそういう仕組みを作ったのだと聞いている.預かってくれる人(指導員)には元来は特別な資格や免許は必要でなかった.運営上は指導員への報酬や,地域によっては場所代もあるので,親は応分の支払いを求められるし,運営への積極的な参加も求められる. ところが最近,放課後学級というのがでてきた.これは政府が指示して実施されるもので,児童生徒を放課後も学校などで預かる仕組みである.指導員(というのかどうか知らないけれど)としては,退職した教師等が充てられるという.報酬は行政が支払うので親からは取らない.つまり学童保育と似たものであるが無償である.それを全ての小学校で実施する.と,文科省は号令をかけたけれど,現実には人や場所の準備ができないで実施が遅れている所が多いらしい. タダで子供を預かってくれて,余計な労力は不要.親にしてみれば,こんな良いことはない.放課後学級がしっかり実施されれば,もう学童保育は不要だろう.そうなると既存の学童保育はツブれるしかないだろうから,まあ今やっている人と仕組みを継承しつつ,放課後学級に吸収合併してはどうか.ただし,指導員はきっちりと資格(教師または保育士)をもった人にやってもらわねばならない,というわけだ. この資格の問題については今はこれ以上書かない. 学童保育については,要するに政府は,民(学童保育)から官(放課後学級)への移行を企てている.これは意外に大きな問題だと思う. 最初は親たちが手探りで始めた学童保育ももう数十年を経て,各地でそれぞれの実績とノウハウが蓄積されている.一方の文科省.何事であれこの省が手出し口出しをすると,大体ろくなことにならない.いまの学校教育の現場がいかに絶望的であるかを見れば,文科省の「実績」のほどは明らかである.文科省が手を触れるものは,ことごとく鉛色に変るのだ. 実績のある学童保育.教育をことごとくダメにしてきた文科省.両者を融合させて,明るい未来があると思えない.いまや学校現場は強制と評価ばかり.子供たちにとって学童保育所とは,その息苦しさから解放される,束の間の休憩所でもある.いっぽう放課後学級とは,息苦しい学校の空気を放課後にまで持ち込むことではないか. さて,政府が統合したがっているのは,学童保育と放課後学級だけではない.最近は,幼稚園と保育園を統合しようとしている.タテ割り行政の弊害をなくすのだと福田首相は言っているが... 現状は文科省が管轄してない領域があることで,かろうじて教育の多様性が維持されている.統合してしまえば,すべてが文科省の一色で塗りつぶされる.タテ割りの解消どころか,これではタテ割りの強化である.学童保育の場合と同様,要するに文科省の支配=鉛色の世界が広がるということではないだろうか. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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