遍路小屋をあわただしく出発した私ですが、
29番~30番のルートについてよく考えてみました。
私が選んだルートは比較的細い道で、当然のことながら、
バスは通っていません。
しかし、少し遠回りになりますが、
もう一つルートがありました。
その道は私の記憶が正しければ、二車線の広い道、
そちらへ出たらバスが通っている可能性がありました。
遠回りと言っても二つのルートの差はわずか200M足らず。
時間を優先するならば、そちらを選ぶべきだったのですが、
29番を出発する時点では思いつきませんでした。
近いという理由でこちらを選んだことを
後悔しましたが後のまつりです。
しばらく細い道を登ると、広い道に合流します。
急げ急げと自らを叱咤激励しながらひたすら歩きます。
峠に差し掛かり、下りになります。
墓地の間をぬけ、住宅地を進み、広い道路をショートカット。
ようやく、こんもりした森が現れます。
交通量の多い広い道路の車の切れ目を狙って、
反対車線にわたると、30番の本堂の屋根が見えます。
16時40分ごろ、やっと到着です。
30番の本堂を左に見ながら、正面の土佐神社に進みます。
江戸期まではこの神社が本札所でした。
明治の神仏分離令によって、本尊は市内の安楽寺に移され
長らく安楽寺が30番札所でした。
私の曾祖父が明治期に四国巡礼を行っていますが、
安楽寺で納経を受けています。
善楽寺は昭和期に現在の地に復興してから、
30番札所となりました。
元札所とはいえ土佐神社は檜皮葺きの屋根を持った、
神々しい神社です。
四国遍路の際にはぜひお参りしていただきたいところです。
参拝してから朱印を頂きます。
30番へ向かおうとすると、先ほどの青年が
神社へ入ってきました。
「30番はこちらですか」
「いや、隣です。ただ、ここが江戸時代まで本札所です。
せっかくですからお参りしたら?」
「そうですか」
そう答えて青年は素直にお参りしていました。
30番へ向かい、先に納経を受けてから本尊様にお参ります。
なんとか間に合いました。
先ほどの青年のおかげです。
彼が付かず、離れず、追い抜かず、後ろから
ついてきてくれたおかげで、私は今の自分の限界に近い速度で
進むことができ、結果的に間に合いました。
彼には感謝しました。
お大師さんかもしれません。
30番をお参りしたあと休憩している青年に
お接待をさせてもらい、別れました。
30番を5時10分過ぎに出て、土佐一宮駅へ向かいます。
土佐一宮駅は簡素な待合い室があるだけの無人駅ですが
駅はたくさんの自転車に埋められていました。
17時55分発の阿波池田行き各駅停車に乗ります。
列車の中で車掌さんに
「池田には何時につきますか?」
「20時57分です」
「20時57分!3時間も掛かるんですか?」
池田からの時刻表を調べると、池田発21時41分!
徳島着は推定23時!遅すぎる!
車掌さんに申し出ました。
「特急で行きたいんですが」
これで早く帰れる。
18時16分土佐山田駅着。
24分停まるというので途中下車。
「特急はいつきます?」
「18時50分です」
「え~各駅停車より遅いんですか」
だまされて特急券を買わされたような気が・・・
「いえ、でも池田には19時45分に着きます。
この各駅停車より1時間15分早いですよ」
結局21時過ぎに帰れました。
6月6日 四ヶ寺 二社 参拝 歩行距離 24キロ
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