駒込冨士と十条冨士に共通してある縁起物が「麦藁蛇」です。
頭と胴体を麦わらで編みヒバの枝に飾りつけた独特の縁起物です。
大きく口をあけて、赤い舌を出しているのが特色です。
駒込冨士では、この麦藁蛇を「神龍」「厄除神龍」と呼びます。
お山開きの大祭3日間のみ麦わら蛇「神龍」が授与されます。
これは、宝永の頃この辺りの百姓上駒込村の三左衛門の思いつきで売り出され、この蛇を置いた家は当時流行した疫病から免れたと、富士詣の土産に必ずこれをもとめることになった、ということです。(「新編武蔵風土記稿」による)
もともと、冨士神社は竜神信仰と関係が深く、十条の冨士神社でも昔は「雨乞い」の儀式が行われていました。
夏に日照りが続くと、村人たちが冨士神社に集まり、麦わらで数メートルの大蛇を作り、若い衆がそれを担いで、村中を練り歩き、お冨士さんのご神木に大蛇を巻きつけて雨が降るように祈願したというものです。
今も駒込冨士や十条のお冨士さんで売られている麦藁蛇は、蛇口などに吊るし、厄除け、水当たり、火防などのお守りとして祭られています。
東京に伝わる郷土玩具としても貴重なものである。
それに加えて、駒込富士神社のほうには、麦らくがんがあります。これは富士山の形をしています。美味しいと評判です。
今日、食べてみました。なんだか懐かしい味でした。
中に白い雪をかぶった冨士もあるということでしたが、それは無かったです。
また、十条のお冨士さんには、竹にはさんだ真っ赤と緑の色のお札があります。
これは人形にみたてています。赤い着物に「冨士仙元大菩薩」と書き、緑の羽織を着せています。そして帽子と帯に金をあしらっていて、「家内安全」「身体健全」を祈ります。
買って帰ったものまとめて写真撮りました。