ロックダウン生活 in Cebu ③ 政府の補助金を巡るアレコレ
ロックダウン生活1ヶ月+8日目。5月はセブの真夏の時期にあたり、毎日暑い日が続いています。まあ、基本1年中暑いんですが、この時期はさらに暑く、乾季に当たるため雨も少ない。水不足で水道から水が出ない地域が多くあるようで、水道会社のMCWDはセブ市政府と協力して無料の水供給車を影響のある地域に走らせて、急場の水不足に対応しているようですが、ロックダウンに水不足も加わり、衛生状態の悪化が心配です・・・。さてそんなセブの最近のホットな話題の一つは、政府の補助金。業種によって色々あるようですが、私の周りでは以下の二つが主な補助金です。1. 休業措置になった会社の従業員へ一律5,000ペソ支給される補助金(CAMP)2. 隔離措置やコロナの影響で大きな影響を受けた家庭に1ヶ月5,000 - 8,000ペソを2ヶ月間支給する補助金(SAP)。今回は2番のSAPの悲喜こもごもについて書きたいと思います。この補助金はSocial Amelioration Program(SAP)と呼ばれるもので、3月26日に調印された新しい法律Bayahihan To Heal As One Act に則り、コロナの影響で大きな影響を受けた家庭に1ヶ月あたり5,000 - 8,000ペソ、2ヶ月間支給されます。フィリピン全体で1800万家庭が受給対象になり、約2,000億ペソの予算が組まれています。2,000億ペソとなると、日本円で約4,200億円ほど。日本の給付金予算12兆に比べると、少ない感じですが、国家予算が4兆1,000億(8兆4,100億円)の国のその額って、思い切ったのではないかと個人的には思います。金額は地域によって異なり、最低賃金を基準にして決められています。メトロセブ(セブ市、マンダウエ市、ラプラプ市)は6,000ペソの支給額です。日本円にすると13,000円くらいでそんなに大きな額ではない感じがしますが、セブでは最低賃金をもらっている人の1ヶ月の収入のザクっと70%近くの金額ですし、そもそも最低賃金ももらえていない人も多いことを考えると大きな額です。(最低賃金404ペソ/日×22-26日=8,888-10,504ペソ)この補助金の受給対象になるのは、基本的に低所得家庭とコロナで大きな影響を受けている家庭となっていて、ザクっとですが、1. 高齢者2. 障害者3. 妊婦又は乳飲み子がいる 4. ひとり親家庭5. 海外出稼ぎ者(OFW)で渡航制限のために該当国に帰れていない6. 福祉省などから認められている低所得家庭7. ホームレスや貧困線以下の家庭8. 日雇い労働者、ヘルパー、公共交通機関の運転手、漁師、農業従事者、小さなビジネスのオーナーなど人ではなく、家庭単位での支給です。● 審査方法まず4Psプログラムという子女のいる低所得家庭と政府の低所得者向け支援プログラム受給家庭は優先的に支給されます。そのほかは、申請用紙を記入後、居住するバランガイ(日本の区みたいな感じ)の担当者が家々を訪問して調査し、リストを市にあげます。審査に通ったかの確認はDSWDのホームページでされるそう。おそらく、名前と他の情報がそのままドーンと載るのではないかと思われ、ここの個人情報の扱いとかは、日本人が見たら卒倒しそうです。笑● 悲喜こもごも予算が限られた補助金で、もらえる人、もらえない人が分かれていて、巷ではホットな話題になっているこの補助金。中間層と言われる人たちへの補助がないことで、一つの論争になっています。又、休業になった人も労働局が補助金への資金が尽きたためもらえない人や、逆に小売業者への補助金を受け取ったためSAPは辞退する人がニュースになったり。欧米や日本のように全国民に給付とは国家の力としてもなかなか難しい部分があると思います。ドゥテルテ大統領はテレビでの演説を通じて、予算に限りがあるからなんとか理解してほしいと国民に語りかけてもいます。(大統領の演説の日本語訳はこちら)そんな中、昨日は、補助金をネコババする公務員がいたら通報してくれたら3万ぺその懸賞金を贈呈するという大統領の話も出て、これまたフィリピンらしい。(苦笑)さてさてこの補助金。5月6日から9日かけて給付が始まっています。現場は大変だろうなぁ・・・・と思いを巡らせてみますが、とにもかくにも、1日も早く日常が戻ることを祈ってやみません。