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2009.08.28
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カテゴリ:昆虫(甲虫)


 今日は、「庭を漂う微小な羽虫」の第3段である。

 一昨日の夕方、もう少し暗くなってきたとき、妙な言い方だが、今までの羽虫よりも「核」のある虫がフワリフワリと漂っていた。これは一寸違うぞと言う感じがして、殆ど瞬間的に左手が動き、虫を掬ってしまった。これまでの虫とは異なり、左の掌に何かがぶつかる軽いが明らかな衝撃を感じた。

 手を開いてみると、まだ動いている。逃げられるといけないので手を閉じ、コールド・スプレーを指の間から噴霧して低温で動けなくしてから(三枝先生に教えて頂いた方法)、マクロレンズで覗いてみた。前翅が短く腹がはみ出している。一見したところハネカクシに似ている。

 しかし、まだコールド・スプレーのかけ方が足りないらしく、今にも飛び立ちそう。其処で、もう一度手を閉じて今度はしっかりスプレーをかけた。しかし、手を開いてみると、虫が居ない。スプレーの勢いで、指の隙間から何処かへ吹っ飛んでしまったらしい。全く何をやっているのだ・・・。そんな訳で、今日の写真は1枚だけである。



デオキスイの1種?


デオケシキスイ亜科の1種.体長2.1mm、ハネカクシと間違えた

(写真クリックで拡大表示)

(2009/07/)

 しかし、この虫、本当にハネカクシか? 体長2.1mmと小さいのは良いとして(1mm位の種類もある)、先ず触角がおかしい。先端3節が膨らんで丸くなっているし、第1節と思われる部分も肥大してな変な格好になっている。それに、妙に円らな可愛い眼をしている。こんなハネカクシは見たことがない。

 鞘翅(前翅)が短く見えるのは翅がカメラの方向に立っているからで、本当は腹部を隠すだけの長さがあるではないか。しかし、鞘翅の先端は切り取った様な形になっており、これで腹部全体を被うことが出来るとは考えられない。

 ハネカクシ科の近縁にアリヅカムシ科と言うのがある(ハネカクシ科に入れる場合もある)。この科の連中も前翅が短く腹がはみ出している。体長は4mm以下(多くは2mm前後)と微小で、図鑑を見ると、触角や頭部の形は写真の虫とよく似ている。しかし、アリヅカムシの胸部は何れも丸く、頭部と余り変わらないほど小さく纏まっており、写真の虫の様に横に拡がって翼状になっているものはない。

 よく調べてみると、ハネカクシの近縁以外にもケシキスイ科のデオケシキスイ亜科に四角い前翅を持ち腹部が露出される種類があることが分かった。デオケシキスイとは、「出尾芥子木吸」の意らしい。しかも、この科の仲間は何れも触角の先端3節が球桿となり、頭部の構造もソックリである。

 図鑑を見ると、その中でもヘリグロデオキスイと言うのがよく似ており、特に腹部が上に曲がった所がソックリである。しかし、色は口の周りを除いてもっと濃く、特に、鞘翅は「ヘリグロ」の名の通り周囲が黒っぽい。まァ、何分にも小さいし、鞘翅を立てた状態の写真しか無い。デオケシキスイ亜科に属すことは間違いないと思うので、此処では単にデオケシキスイ亜科(Carpophilinae)の1種としておく。

 実は、ケシキスイ科の虫を見るのは、今回が初めてである。しかし、それ程珍しい虫ではない様で、九州大学の日本産昆虫目録には161種が登録されている。保育社の甲虫図鑑に拠ると、大きな種(18mm)もあるが、多くは5mm以下、1mmのものもあるとのこと。小さいので余り目に付かないのであろう。食性は多様らしく、花、樹液、落果、キノコ、朽ち木、貯穀、腐肉などに見られる、と書かれている。しかし、こう言う虫が、我が家の庭を浮遊しているとは夢にも思わなかった。


 追記:当初、この虫の正体が良く分からず、本稿の表題を「ハネカクシ科の1種(?)」としていた。しかし、投稿の翌日にケシキスイ科デオケシキスイ亜科の虫であることが判明し、それに従って、表題と本文を書き改めた。







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最終更新日  2009.08.29 18:02:08
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^^;   snowrun29 さん
アーチャーンさんと空中の虫がすれ違う際
虫は「はっ!殺気!」と思い
アーチャーンさんは「おぬし、なかなかの…」と
…って体長2mmほどの虫なのですから
ほんまに凄い視力というか、観察眼です!

ハネカクシの仲間は皆「お腹をはみ出してる」のですね。
何度も出てくるそこが妙におかしいですが
それがこの虫達のハネカクシの仲間たる由来。
笑うなど、大変に失礼いたしました。

で、「飛んでる」のは後ろ翅でとして
その短い翅は何の為に短いのでしょう。
ミヤマフキバッタも短い翅ですが
勿論、飛べない訳ですし、
あれも不思議な進化ですね。 (2009.08.28 23:56:04)

Re:^^;(08/28)   アーチャーン さん
snowrun29さん
>アーチャーンさんと空中の虫がすれ違う際
>虫は「はっ!殺気!」と思い
>アーチャーンさんは「おぬし、なかなかの…」と
>…って体長2mmほどの虫なのですから
>ほんまに凄い視力というか、観察眼です!
-----
 子供の頃に虫集めをやると、普通の人は見えない虫でも見えてしまうのです。

>ハネカクシの仲間は皆「お腹をはみ出してる」のですね。
>何度も出てくるそこが妙におかしいですが
>それがこの虫達のハネカクシの仲間たる由来。
>笑うなど、大変に失礼いたしました。
-----
 かなり以前、田圃などに居るアオガアリガタハネカクシが有毒と言うので有名になりました。

>で、「飛んでる」のは後ろ翅でとして
>その短い翅は何の為に短いのでしょう。
>ミヤマフキバッタも短い翅ですが
>勿論、飛べない訳ですし、
>あれも不思議な進化ですね。
-----
 甲虫なのに腹部が柔らかく細いので、狭い所に入ったりすることが出来るのでは?
 バッタの場合は、必要が無くなったのでしょう。退化(退行進化)ですから。
(2009.08.29 10:42:54)

ケシキスイ科   るる555 さん
甲虫としか 判断できそうにも無い虫を
ケシキスイ科 デオケシキスイ亜科とできる
アーチャーンさんは、すごいです。

ケシキスイ科を見ると そっくりな虫がたくさん!
載っていました。可愛い触角と黒い目をしていました。
コールドスプレーを 観察に使うのは、他の虫でも使えそうです。ちょっと使ってみたい気持ちがいたします。 (2009.08.29 17:21:35)

Re:^^;(08/28)   アーチャーン さん
snowrun29さん

 「ハネカクシ」は勇み足でした。面目ない!!!
(2009.08.29 17:49:36)

Re:ケシキスイ科(08/28)   アーチャーン さん
るる555さん
>甲虫としか 判断できそうにも無い虫を
>ケシキスイ科 デオケシキスイ亜科とできる
>アーチャーンさんは、すごいです。
-----
 当初はハネカクシと誤認し、全く面目ない次第です。こう言う触角を持つ虫は球角群(テントウムシとも入っている)と呼ばれ、そう言うところから探すと楽でした。どうも、甲虫の小さいのは色々あって中々大変です。

>ケシキスイ科を見ると そっくりな虫がたくさん!
>載っていました。可愛い触角と黒い目をしていました。
-----
 デオキスイ(デオケシキスイ亜科)は日本のサイトには余り載っていません。Carpophilinaeで検索すると外国のサイトが出て来ます。

>コールドスプレーを 観察に使うのは、他の虫でも使えそうです。ちょっと使ってみたい気持ちがいたします。
-----
 余り強くかけると死んでしまいます。動けないよう、殺さないようにするのは中々難しい様です。
 三枝先生の御話では、100円ショップで売られているのが、小型で携帯に便利とのことです。
(2009.08.29 18:00:11)

Re:デオケシキスイ亜科の1種(08/28)   夢のはし さん
!┃☆ヾ(≧▽≦)oひゃっはっはっ!!

・・・あたしがいきなり、アーチャーンさんの日記を拝読して、
大笑いを始めたので、家族は皆、ぎょっとしてこっちを見ていました^^;

スプレーの勢いで、吹っ飛んでしまったとは、
・・・ぶぶぶ☆ごめんなさい、笑いがとまりません^^;

コールドスプレーの方法は、
他の、ちょうちょとか、気性の荒い蜂さんにも、使えますか?^^;
素晴らしい方法を伺うことができて、とても嬉しいです☆試してみたいです☆ (2009.08.29 21:55:15)

Re[1]:デオケシキスイ亜科の1種(08/28)   アーチャーン さん
夢のはしさん
>!┃☆ヾ(≧▽≦)oひゃっはっはっ!!
>・・・あたしがいきなり、アーチャーンさんの日記を拝読して、
>大笑いを始めたので、家族は皆、ぎょっとしてこっちを見ていました^^;
>スプレーの勢いで、吹っ飛んでしまったとは、
>・・・ぶぶぶ☆ごめんなさい、笑いがとまりません^^;
-----
 私のブログで笑うのは夢さん位でしょう。

>コールドスプレーの方法は、
>他の、ちょうちょとか、気性の荒い蜂さんにも、使えますか?^^;
>素晴らしい方法を伺うことができて、とても嬉しいです☆試してみたいです☆
-----
 かけ過ぎると死んでしまいます。足らないと逃げる。その頃合いが難しい様です。
(2009.08.30 08:19:14)


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