テーマ:☆詩を書きましょう☆(8382)
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8月24日の詩人会議「平和のつどい」で構成詩の中で読まれた詩を再掲致します。 ゆっくりと
ゆっくりと歩く ゆっくりでいい ゆっくりがいい
人はどんどん私を追い越していく 杖をついたお爺さんも 銀髪のお婆さんも もちろん 子供を乗せたママチャリもスイスイと みんな私を追い越していく
時間の止まった空間に一人取り残される でもゆっくり歩くと普段見えないものが見えてくる
綺麗な鳥の鳴き声が私を誘う 見上げると 樹から樹へコマドリが飛び交う
あそこに甘夏が生っている 口の中にフワーッと広がる甘酸っぱい香り
夜空を見上げ月を探す 三日月よりもっと細い月 鋭い鎌のよう 身を切られそうな想いに切なくなる
ある日 「ちゃんと前を向いて歩きな!」 自転車に乗ったお婆さんの叱咤の声 ぶつかりそうになって はっと我に返る
たしかに しっかり前を向いて歩かなくては いけないのです
でも 空を見たり花や鳥と言葉を交わしながら ゆっくりと歩くのを止められない私
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次にグループ耕として読んだ詩「敗戦記念日」。一部直しました。
記念敗戦日
そのとき恐怖でいっぱいだった 唸るサイレンが わずかなまどろみを打ち砕く B29の急降下の音が耳をつんざく 真っ暗なはずの夜空に 黄色いサーチライトの光が縦横に交差していた 燃えている下界の炎を映した真っ赤な翼が すぐ真上まで迫ってきた 高射砲のズドーンズドーンという音は、 胃の腑を搔きむしる
「今だ!」頭上をB29が通り過ぎたとき 私は妹の手を引っ張って道路を突っ切り 講談社の地下室へ潜り込んだ
一九四五年八月一五日はその恐怖が止んだ日 白い雲の峰からもくもくと喜びが立ち昇った日 ✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰✰
私の戦争体験はほんの僅かなものです。それでも怖かった。13歳という最も感受性の強かった頃でしたから・・・。 もっともっと、炎の中を逃げまどった人とか、熱い火に追われて隅田川に飛び込んだところ、川が熱湯になっていて、大勢の死体が浮いていたという話も聞きました。 今の戦争のひどい所は非戦闘員を容赦なく殺すということではないでしょうか。核・原爆が使われたら、これどころではありません。絶対に戦争はしてはいけません。 でも私たちは、こうして空襲を受けたという被害者意識が強いのですが、戦争を始めたのは日本。アジアの人たちをどんなに残虐に殺したことか、これもしっかり見つめないといけないと思うのです。 この点はまた後日触れたいと思います。
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