テーマ:☆詩を書きましょう☆(8382)
カテゴリ:詩
「詩人会議11月号」に前掲の「朝顔」が採用されました。 また少し推敲しましたので、再掲致します。
朝顔
去年買った朝顔 まるで浴衣の絵から抜け出したよう 近頃珍しい日本古来の品種
赤と青と水色の色とりどり ふちどりが白く その白が花の中心に向かって 何本か放射線を描く 小ぶりで 楚々としているのが可愛いらしい
花が終わってしまった去年の秋 またその花に会いたくて 種を収穫した
四月に蒔いた種が 芽を出し 蔓を伸ばし 今年も咲いている 暑い夏に咲く可憐な花は あたりを和ませ 慰め 涼しい風を送ってくれる 風に送られ 郷愁が漂う
黄色い裸電球が灯る縁日 浴衣を着た母と少女がいた 走馬灯の影絵がぐるぐる回るのを 不思議そうに眺めていた少女
朝顔は少女の浴衣に咲いていた 少女は 今は亡き母の温もりにつつまれていた
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