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天の王朝

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白山菊理姫

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2024.03.13
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カテゴリ:不思議な世界
ポセイドンとスサノオの相似性についての話でしたね。
ギリシャ神話と日本の神話は、そっくりそのままと言っていいぐらい似ています。
そしてスサノオが乱暴者に描かれているように、ポセイドンもまた乱暴狼藉を働いた神として描かれているんですね。

どうして神なのに悪く書かれなければならなかったか。
その理由はおそらく、どちらも征服された側を象徴する神だったからではないでしょうか。

ギリシャ神話では、オリンポス神族とティタン(巨人)神族との戦いの後、世界は天界、海洋、冥界の三つに分けられました。
その三つの世界を誰が統治するかを決めるため、くじ引きがあり、ゼウスが天界、ポセイドンが海洋、ハデスが冥界を治めることになりました。
この3神は兄弟です。
同様に日本の神話では、イザナギから産まれたアマテラス、ツクヨミ、スサノオがそれぞれ高天原(天界)、夜の食国(冥界)、海原(海洋)を治めるよう命じられます。この3神もきょうだいですね。

ところがスサノオは海原を治めよとの命令に不満で、あちこちで問題を起こします。
海洋を統治することになったポセイドンも、しばしばゼウスやゼウスに属する神々と領地などをめぐって争いを繰り広げます。
よっぽど不満があったのでしょう、ゼウスの妻ヘラと組んで、ゼウスを殺そうともするんですね。
だけどポセイドンの計画や戦いはほとんど失敗や敗北で終わります。

そしてスサノオがアマテラスに対して乱暴狼藉を働いたように、ポセイドンはあちこちに怪物を出現させ、災害をもたらしたとあります。
まさに悪者扱いですね。

被征服者を悪人扱いするのは、支配者の常套手段です。
おそらく実際のポセイドンやスサノオは(もちろん実在していたら、の話ですが)まったく異なる人物であったに違いありません。
彼らの行動は悪意をもって解釈され、事実は曲げられ、時の権力者に都合のいいように書物に刻まれていったのでしょう。

ポセイドンとスサノオの類似点はまだまだあります。
スサノオの傍若無人の振る舞いに傷ついた姉の太陽神アマテラスが、激怒して岩屋に隠れる天の岩戸の物語のように、ポセイドンもまた、姉である大地の神デメテルを傷つけてしまいます。
怒ったデメテルは山中の岩屋にこもり、身を隠します。
穀物の育成をつかさどる大地の女神がいなくなってしまったから大変です。
農作物は枯れ、人間は飢えに苦しみ、大混乱となります。

困ったゼウスらが何とかデメテルを説得して、ようやくデメテルが岩屋から現れるという物語が残っています。まさに天の岩戸隠れ神話と同じです。

ポセイドンには大地を揺るがしたり津波を起こしたりする力があることはすでに述べましたが、スサノオもまた天に上るとき、「山や川はことごとく動き、国土も激しく揺れ動いた」「振動は海にまで響き渡った」とありますから、同様な力をもっていたことがわかります。
そのほか、両者ともに馬との関係が極めて深いことや、ポセイドンが頭に蛇を持つ怪物メドゥーサと交わったのに対して、スサノオが8つの蛇の頭を持つヤマタノオロチを退治したことになっているなど、共通点は枚挙にいとまがないのが実情です。

ポセイドンもスサノオも「乱暴狼藉」を働かなくてはならない、本当の理由がきっとあったんですね。
あるいは征服者側が、自分たちの都合に合わせて、天災や人災をすべて彼らのせいにしたかのどちらかではないでしょうか。
その理由がいちばん理解できる解釈が、被征服者による征服者に対する抵抗であり、征服者による被征服者に対する迫害であったのではないかと私は思っています。

こうして神話は、真実が捻じ曲げられ、しかし真実を巧みに隠しながら語り継がれていきます。
ポセイドンが私に何かを伝えたかったのだとしたら、古代ギリシャで起こった真の歴史を見つめてくれ、というメッセージでしょうか。

ポセイドン神殿のあるスニオン岬からアテネに戻った私たちは、風の神の塔があるローマン・アゴラ(ローマ時代の市場)を訪ねました。
このような所です。



柱の向こうにある、大理石でできた八角形の塔が、風の神の塔です。



1世紀の天文学者アンドロニコスが、日時計、水時計、風向計などの測量塔として建造したそうです。
塔の八面は正確に東西南北と東南、南西、西北、北東に向かっており、壁の上部にはそれぞれの方角の神が彫られています。
そういえば、スサノオを祀った神社も八坂神社とか八王子神社など「八」と深い関係がありますね。



furafuranさんはその壁面に彫られた風の神の写真を何枚か撮っていましたが、「何か足りない」という感覚があったのだそうです。
そして塔のそばにあった説明板の写真を撮ったら、その感じがなくなったとのことでした。
日本に帰ってからその説明板の説明を読んだときに初めて、私たちはその塔の上にポセイドンの子である海神トリトンの像が昔は付いていて今はなくなっていたことを知ります。
「何か足りない」はずです。

やはり風の神はポセイドン絡みだったんですね。
どうやら次なる旅のヒントはポセイドンのようです。ヨハネの騎士団、ポセイドン、ロドス、マルタ辺りでしょうか(そして実際、この後しばらく経ってからマルタに行くことになります)。

このローマン・アゴラは、アクロポリスを見上げる場所にあります。



パルテノン神殿辺りから変わった雲が流れてきたので撮影しました。
(続き)





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最終更新日  2024.03.13 17:17:38
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